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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

平治岳ミヤマキリシマレポート【くじゅう地域】

2011年06月17日
くじゅう
みなさん、こんにちは。

ここ数日のくじゅうは連日の雨模様。
傘をさす意味がない横殴りの雨が降る長者原ではカッパは必需品です。

そんな雨続きの中で、束の間のお天気に恵まれた6月14日(火)。
この時季に多くの登山者で賑わうミヤマキリシマの群生地、平治岳に巡視に行ってきました。

大戸越(うとんごし)の広場は人!人!人!でごった返しています。
ちょっと、山の風景じゃない気がしますね。

そして、ミヤマキリシマの開花状況ですが

7~8分咲きといったところです。

雨と風の影響で花が飛ばされた個体もぼちぼち見受けられましたが、モザイク状にピンクとグリーンで彩られた斜面はまさに芸術!
目を奪われるような美しさでした。
登山者が全国からこれを見たさにやって来る理由も頷けます。

ところが、そんなミヤマキリシマも近年では危機的状況に。
生長したノリウツギやヤシャブシなど他の木々の被圧により、生息環境を奪われて衰退しています。


枯死したミヤマキリシマ(被圧木除伐後の写真)

これはくじゅう連山一帯で言えることなのですが、特に随一の群生地である平治岳はそれが顕著です。


そこで、今年度から平治岳の土地所有者である九州電力(株)の協力のもと、ミヤマキリシマ保護計画が遂行されています。
5月には大戸越にて、草刈やノリウツギの除伐作業を行いました。
今後も、九州電力はじめ環境省や九重の自然を守る会ほか関係団体が協力し合い、計画的に保護活動を行っていきます。

くじゅうの草原に並ぶ、この素晴らしい景観を、後世に残していきたいですね。