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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州いきものリレー ~屋久島の生物多様性 (1) ミソサザイ ~

2010年04月12日
屋久島
はじめまして。
川瀬アクティブ・レンジャーの後任として4月より屋久島アクティブ・レンジャーになりました田川です。
屋久島の魅力あふれる自然を少しでも多く紹介できるように頑張っていきたいと思います。

ところで2010年は何の年かご存じでしょうか?国連では2010年を国際生物多様性年と定めています。生物多様性年ということで各ビジターセンター等における「地球のいのち、えがいてみよう」など環境省では様々な運動を行っています。そこで一番野外にでることの多いアクティブ・レンジャーとしても、今年は特に生物多様性に力を入れたアクティブ・レンジャー日記を作っていこうと考えています。このアクティブ・レンジャー日記でも「九州いきものリレー ・・・」と題してこれまで以上に九州のいきものを紹介し、生物多様性の魅力や面白さを伝えていけるようアクティブ・レンジャー一同頑張っていきます。

今回ご紹介する生き物は、ミソサザイ科のミソサザイ(ミソサザイの亜種オガワミソサザイ)です。全長10cmほどの小さな鳥ですが、体に似合わない大きな声でさえずっていました。
4月11日の巡視の際にウィルソン株付近で見かけました。コケの生えた幹で何かを物色しています。何を探しているか分かりますか?




コケを咥えたミソサザイ。



ミソサザイはこのコケを食べるわけではありません。巣材としてコケや獣毛などを用いるために、この時期せっせと集めています。2-3分ほどの短い観察時間でしたが、巣と巣材場を何往復もしていました。貴重な光景に出会えて本当にうれしかったです。

補足になりますが、日本のミソサザイは4亜種確認されていましたが、亜種の1つである沖縄県の大東諸島に生息していたダイトウジマミソサザイは絶滅してしまいました。また、環境省のレッドリストでは伊豆諸島に生息するモスケミソサザイが絶滅危惧IB類に指定されています。