奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
世界自然遺産

Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and Iriomote Island

テドウ山の巡視をしました!

5月23日(木)にテドウ山登山道の整備やモニタリングを行いました。

テドウ山は標高441mの山で、西表島最高峰の古見岳(標高469.5m)に次ぐ高さを誇ります。今回は浦内川の遊覧船に乗って軍艦岩まで行き、そこからヒナイまで徒歩で通り抜けるコースです。

テドウ山は西表島の他のフィールドに比べて利用者が少ないこともあり、ツルアダンをはじめとした植物で登山道が一部塞がれていました。ルート上の植物を伐採し、利用者が安全に歩けるように管理を行いました。西表島の植物は成長速度が速いため、定期的に管理をしないと登山道が植物に覆われて通れなくなってしまいます。また、登山者が道に迷わないように目印となるピンク色のテープも木の枝につけました。

登山道にはみ出た植物を刈り、歩きやすいようにするレンジャー
写真-レンジャーによる整備の様子
鮮やかな黄色の花を咲かせたツルアダン
写真-開花したツルアダン

歩道上には利用者数を計測するためのカウンターが設置してあり、登山道の利用者数が分かるようになっています。今回はテドウ山沿いに設置しているカウンター2基のデータ回収と点検をしました。

データはスマートフォンとBluetooth接続することで回収でき、以下の図のようにまとめられます。今回抽出したデータから、2024年4月は計96.5人がテドウ山を利用したことが分かります。利用者数が0名の日もあり、今回の巡視では利用者とのすれ違いはありませんでした。

利用者カウンターによるテドウ山の計測値。ほとんどの日は入山者数が10名以下である
利用者カウンターによる4月のテドウ山の計測値

現在、西表島内では20箇所にカウンターを設置しています。登山道でこのカウンターを見つけたら、正確にカウントするため立ち止まらずに通り過ぎていただくようお願いします。

世界遺産に登録されたことから来島者の増加が見込まれる西表島では、登山道の利用影響をモニタリングしています。テドウ山では令和2年度から年1回ずつ、全5箇所で実施しています。下の写真からもわかるように、調査開始から現在まで大きな変化はありません。

登山道場の同じ箇所で経年変化を比べた写真。4年間で大きな変化はなかった。
写真-令和2年度撮影
登山道場の同じ箇所で経年変化を比べた写真。4年間で大きな変化はなかった。
写真-令和6年度撮影

このモニタリング地点の周囲は登山ルートが分かりづらく、利用者が誤って登山道外を歩くことで、周辺植生を踏み潰してしまうことやルートの拡幅が懸念されます。引き続きモニタリングが必要です。
テドウ山は道が分かりづらい箇所や滑落の危険がある箇所が多く存在し、また登山道のほとんどでは電波が通じません。遭難対策のためにも、テドウ山へはガイド同伴での入山が強く推奨されます。

【おまけ】今回の巡視で観察できたいきもの

葉の生えた木の中に止まるリュウキュウキビタキ
写真-リュウキュウキビタキ
甲羅に泥がついたセマルハコガメ
写真-セマルハコガメ
細い葉に止まるマサキウラナミジャノメ
写真-マサキウラナミジャノメ
地面にいるヤエヤママルヤスデ
写真-ヤエヤママルヤスデ
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