西表島でノヤギに関する講演会と勉強会を開催しました
森林内に侵入したノヤギは、貴重な植生に悪影響を及ぼし、裸地化や土壌の踏みつけによる赤土の流出など深刻な被害を引き起こします。西表島でも、世界自然遺産の核心地域である古見岳の周辺でノヤギの生息が確認されています。貴重な自然環境を保全するため、早急な防除が求められています。
竹富町の住民を対象として、2023年11月9日(木)及び10日(金)に講演会「ノヤギについて考えよう」を開催しました。2日間累計で52名にご参加いただき、西表島のノヤギ問題について理解を深めてもらうことができました。
講演会では、環境省及び竹富町農林水産課から西表島におけるノヤギの現状や飼養者アンケートの結果等について説明されました。また、東京都小笠原支庁の深道直人氏及び一般社団法人Islands careの後藤雅文氏から、小笠原諸島での対策状況について紹介されました。根絶するためには、モニタリング結果に基づく戦略的な防除が必要であり、侵入初期対応の重要性が示唆されました。さらに、琉球大学名誉教授の横田昌嗣氏から、魚釣島の事例と西表島の生物多様性について講演をしていただきました。その後、Island Ecosystem Research代表の河野裕美氏の進行により質疑応答・意見交換が行われました。
また、ノヤギ問題に関して関係行政機関や竹富町議員等による勉強会を2023年11月10日(木)、11月24日(金)、12月19日(火)の3回にわたり開催しました。講演会で紹介された小笠原諸島と魚釣島の事例の他、奄美市及び八丈町におけるヤギ飼養条例についても各市町担当者から発表していただきました。飼いヤギが野生化しないよう、飼養ルールの必要性が議論され、西表島におけるルールのあり方について意見交換が行われました。