対馬

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

まだまだ勉強中~追跡調査後編

2025年05月13日
対馬 金子 涼太朗
 みなさまこんにちは。対馬自然保護官事務所の金子です。
 
 前回に引き続き追跡調査についてご紹介します。
今回は実践編です。前回「まだまだ勉強中~追跡調査後編~」をご覧になっていない方はよろしければ前回記事(https://kyushu.env.go.jp/blog/page_00459.html)からお読みください。

調査開始

一点目での計測
 今回は練習のためセンターへの通勤で使う道路近くのどこかに発信器を設置してもらい、探していきます。
 まずは車載アンテナをつけて道路を走っていきます。反応があった地点で停車し、八木アンテナに付け替えてどの方向が一番強く反応するかを調べます。
 
 方向が定まったら、コンパスグラスで方角を確認します。
目盛りを読み記録し、位置情報も忘れず記録します。
 
 記録後再び車載アンテナに付け直して、2点目へ移動します。
2点目でも同様に記録します。
 
 同じように方角を記録します。
3点目これで最後です。

定位

 ここでみなさんにお詫びをひとつ。今回、実際の計測結果が、あまりきれいに出ず、少しわかりにくかったため、ここから先はイメージでご紹介します。
 
 3点のデータが揃ったら、結果を地図に落とします。
 次に3点からそれぞれ計測した方角に直線を引きます。
 
 3本の線の交点、もしくは囲まれた三角形が今回計測した結果になり、ここが発信器の場所と推定できます。
 三角形が大きくなってしまった場合は、どこかの計測が間違っている可能性があるので更に別の地点で計測をして精度を上げます。実際の計測ではヤマネコが山の中にいる場合、地形の高低差で計測できない方向があったり、斜面に電波が反射してしまい本来とは違う方向に反応してしまったりすることもあるため、ここから先は実践経験を積んでいく必要があります。今後調査が始まりましたらまたご紹介します。
対馬自然保護官事務所 金子