対馬

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

農業体験♪パート2

2024年09月26日
対馬 金子 涼太朗
 みなさまこんにちは。対馬自然保護官事務所の金子です。
 
 9月は実りの秋です。5月に田植えをしたことを報告いたしましたが(気になる方は過去の記事農業体験♪ | 九州地方環境事務所 | 環境省 (env.go.jp)もご覧ください)、先日稲刈りを行いましたのでご紹介いたします。
収穫前の田んぼ
 9月15日に「佐護ヤマネコ米稲作研究会」主催の稲刈り作業体験イベントに対馬野生生物保護センターもツシマヤマネコのお話と、お手伝いのために参加してきました。
立派に実っていました
 「佐護ヤマネコ稲作研究会」は、ツシマヤマネコが多く生息している佐護地区で、農薬を減らした米づくりをすることで、ツシマヤマネコのエサ資源を育み、「佐護ツシマヤマネコ米」と名付けて販売しています。
自分の足を傷つけないよう注意して、思い切りよく一回で刈りきることがコツだそう
 前回の田植えのときに引き続き、島内外からこの活動を応援するたくさんの方が参加されていました。はじめに農家さんから稲の刈り方を教えていただき、鎌を用いて一束ずつ刈り取りの体験をしていきます。
全員で協力して作業します
 各々周りと十分距離を取って収穫していきます。はじめは力加減が分からず、一回で刈り取れずに少し苦戦していましたが、だんだん慣れてきて、後半はテンポ良く作業は進みました。刈った稲はこの後コンバインを用いて脱穀するため、実と茎の向きをそろえて後方にまとめておきます。
   左上:手刈り後の田んぼ  右上:脱穀の様子
   左下:コンバインでの収穫 右下:トラックへの移し替え
 30人弱で作業をしましたが、流石に田んぼ全てを手刈りでやるのは時間がかかってしまいます。そこで後半はコンバインの出番です。先ず先ほど刈り取った稲の束を農家さんたちが手際よくコンバインに入れていき脱穀します。その後、残りの稲をコンバインで収穫します。途中で貯蔵タンクがいっぱいになるので、一度脱穀した籾付きの米をトラックの荷台に乗ったレザーコンテナに移し替えました。お米がザーッと音を立ててレザーコンテナに流れていく様は圧巻でした。
稲の上に球状の巣を作っていました
 また、作業中には様々ないきものが田んぼを利用していることも確認できました。写真は田んぼの中で見つけたカヤネズミの巣の跡です(家主はおらず空き家でした)。
当日観察できたいきものたち
 その他にもイナゴやカエルも観察できました。コンバインでの作業中には、慌てて飛び出したネズミや虫を捕らえようとトビも電柱の上から作業を見守っていました。写真は撮れませんでしたが、このあとトビは田んぼに飛び込み、獲物を捕らえた様子でした。
今年撮影できたヤマネコの映像などを見せながらお話ししました
 作業の後、お昼には農家さん特製の佐護ツシマヤマネコ米のおにぎりとおかずをいただきました。昼食の際に、ヤマネコのお話をみなさんにさせていただきました。参加者からは「とても貴重な体験ができた」と嬉しいコメントもいただき、イベントは無事終了しました。

対馬自然保護官事務所 金子