霧島錦江湾国立公園 鹿児島
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2016年06月07日歩いて行ける島へ -知林ヶ島-
霧島錦江湾国立公園 鹿児島 前平理恵
こんにちは。霧島錦江湾国立公園「錦江湾」地域の新米アクティブレンジャー前平です。
みなさーん、「錦江湾」地域にも魅力満載ですよー!!
さて、今回は薩摩半島南端にある『知林ヶ島』。
この島、島だけど歩いて行けちゃうんです。潮が引いている時だけ、海の中にひょっこりと島まで続く道(砂洲)が現れます。限られた時間にしか行くことができない島なんです。行くっきゃないですよ!
しかも、島内には遊歩道や展望台、灯台などがあり、ぐるっと一周することができるんです。
【知林ヶ島】 【道が出てきています】 【島までは800m】
先日、パークボランティアの方々とこの島内遊歩道の整備をしてきました。
まずは展望台前の高くなりすぎた木を整理。これで見晴らしもだいぶよくなりました。
がんばって歩いた後は、さわやかな風ときれいな景色で一息です!
【整理前】 【整理後(晴れの日は桜島も見えます)】
続いて遊歩道の排水改善。側溝のお掃除と土嚢の設置で、歩道の土が流れるのを防ぎます。
帰り道には砂洲のゴミ拾いもしてきました。
これで一層気持ちよく島内散策ができるようになったかと思います。
海辺からは桜島も見えますよ~。
知林ヶ島に渡るおすすめの時間は、左右から波に挟まれるかのように感じる砂洲の出始めの時間です。砂洲が消えると帰って来れなくなるので、安全に帰って来られる時間帯をチェックしてから行かれてくださいね。
※これからの季節はタオルと飲み物持参が必須です!
(時間帯チェック→「指宿観光ネット」http://www.ibusuki.or.jp/)
霧島錦江湾国立公園内に、「白銀坂(しらかねざか)」という歴史街道があります。
姶良カルデラの一部であり、薩摩藩の主要街道として使われていた道の一部でもあります。
旧街道の中でも急な坂が多い難所として知られ、石畳の道が今でも残っています。
今では錦江湾沿いの国道が鹿児島市と姶良市とを結んでいますが、国道が開通する150年ほど前までは、この道を通って果ては江戸との間を行き来していたそうです。
【どこまでも続く石畳の坂道】
薩摩国と大隅国との国境でもあったため、たびたび戦場となっていたそうです。
歴史が苦手な私ですが、商人達や参勤交代の大名行列もヒイヒイ言いながらここを通っていたことを想像しながら歩くと、いろんな時代を経ての今なんだなということを感じます。
【カエデのトンネル。秋が楽しみです。】 【こんな感じで歩いていたのですね。(道中看板より)】
【展望所からの姶良市眺望】 【桜島&錦江湾の眺望】
白銀坂は、4年前に国立公園に編入されましたが、それよりずっと前から地域の住民の方々がこの坂道の手入れをしてくださっています。小川周辺の清掃をしたり、つつじを植えたり、散策に訪れる人々が展望を楽しめるように草木を整備したり。また、一人暮らしの高齢の方々の顔見せも兼ねた布引の滝周辺の清掃活動も行っているそうです。
国立公園であるかないかに関わらず、地域の人達に愛される場所というのは自然と大切にされるものですね。
【小川で水遊び】 【下流にある布引の滝】 【カワトンボ】 【マムシグサ】
全長約3km。高低差約300m。往路約1時間。とっても風情のある道です。