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九州地方環境事務所

外来生物対策-ツマアカスズメバチについて

ツマアカスズメバチについて

 ツマアカスズメバチは、もともと中国南部、台湾、東南アジア等に生息しているスズメバチの仲間ですが、繁殖力や分布拡大能力が強く、世界中に移入分布を広げています。国内では、2012年(平成24年)10月に初めて長崎県対馬市で侵入・定着が確認され、生態系や養蜂業への影響、人への被害が懸念されるため、2015年(平成27年)に特定外来生物に指定され、対馬島内で防除を実施しています。
 その後、九州本土及び中国地方の計7地域(2023年3月時点)において個体または巣が確認されていますが、確認地点周辺における生息状況調査及び防除を行った結果、いずれも定着は確認されていません。
 繁殖力や分布拡大能力が非常に高いため、定着を阻止するには早期発見・早期防除が重要です。

写真
   ツマアカスズメバチ(石の上)
和名 ツマアカスズメバチ
学名 Vespa velutina
科名 スズメバチ科
原産地 中国、台湾、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレーシア、インドネシア、アフガニスタンからインド、ブータン

○特徴 (見分け方)
ツマアカスズメバチには、以下のような外見的特徴があります。特徴をよく捉えれば、在来種との区別はそれほど難しくありません。
・大きさはキイロスズメバチと同じくらい(働きバチは2センチ前後、女王バチは3センチ前後)で、オオスズメバチ(3.5センチ前後)などよりかなり小さい
・全体的に黒っぽい
・頭部も黒いが、口の周辺は黄色
・腹部の先端部がオレンジ色
・脚の先端部のみが黄色

ツマアカスズメバチ(見分け方)

・類似種との識別点(写真はコガタスズメバチ)
他種のスズメバチ                  ツマアカスズメバチ
脚が全体に茶色や黒                 脚の先だけが黄色
他種のスズメバチ(脚先)ツマアカスズメバチ(脚先)

他種のスズメバチ            ツマアカスズメバチ
頭全体が黄色い             頭部は黒く、口の周辺は黄色い
他種のスズメバチ(頭部)ツマアカスズメバチ(頭部) 

○在来スズメバチ類に比べると、体長は小さいです。

ツマアカスズメバチと在来スズメバチの見分け方  

<ツマアカスズメバチと在来スズメバチの見分け方>(環境省:ツマアカスズメバチ防除計画より)

○ツマアカスズメバチの巣について
女王バチは越冬後、3月下旬頃から単独で活動を始め、茂みの中や人工物の中など閉鎖的な環境で営巣を開始し、働きバチを産みます。この頃の巣は、発見されにくい場所につくられる傾向があります。その後、働きバチが増加してくると、徐々に巣を大きくしていき、夏頃から働きバチとともに樹木などの高い位置に移動し、さらに大きな巣をつくります。

<ツマアカスズメバチの巣>
ツマアカスズメバチ巣(大)  
巣は地上10m以上の高所に造られることが多く、一般に、在来種の巣と比べて形がいびつで、表面に凸凹が目立つ。
(写真は対馬でのツマアカスズメバチの巣)

○ツマアカスズメバチの食性
花の蜜などの他、他のスズメバチ類と同様に様々な昆虫など(ミツバチ、チョウ目の成虫や幼虫、ハエ、トンボ、クモなど)を獲物とし、巣に持ち帰って幼虫のエサにします。ミツバチもよく捕食し、ミツバチの巣箱の前で待ち構えて、飛翔(ホバリング)しながら空中でミツバチを捕らえる行動が対馬でも観察されています。 

これまでの確認状況と対策

○2012(H24)年10月 長崎県対馬市で国内初確認(その後、国内で唯一定着)
○2013(H25)年度~ 環境省が関係機関と連携しながら、対馬における防除対策を実施
○2014(H26)年度~ 九州各港湾において、自治体の協力の下、トラップによる定期的な監視調査を開始
○2015(H27)年9月 福岡県北九州市で営巣を確認し駆除(駆除後、確認なし)
○2016(H28)年5月 宮崎県日南市で女王バチを確認(その後の調査で確認なし)
○2017(H29)年9月 長崎県壱岐市で働きバチを確認(その後の調査で、個体や巣を発見・除去)
           →2018(H30)年5月に実施した調査で、女王バチを確認
            その後の調査で確認なし
○2018(H30)年10月 大分県大分市で営巣を確認し駆除(駆除後、確認なし)
○2020(R1)年10月 山口県防府市で営巣を確認し駆除(駆除後、確認なし)
○2022(R4)年5月 福岡県福岡市、久山町でそれぞれ女王バチを確認
          →春~秋の調査で、複数の場所で雄バチ、働きバチを確認し、調査の結果1個の巣を発見し
           駆除。さらに化学的防除(薬剤による駆除)やモニタリング等により対処。
・2022年5月9日 福岡県福岡市におけるツマアカスズメバチの確認について
・2022年5月10日 福岡県糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチの確認について
・2022年6月8日 福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ生息状況等緊急調査の結果について
・2022年7月20日 福岡県糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ生息状況等緊急調査の結果について
・2022年10月3日 福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ緊急防除の実施について
・2022年11月15日 福岡県福岡市及び糟屋郡久山町における ツマアカスズメバチ緊急防除の結果について
・2023年5月23日 福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和5年春季調査)の結果について 
・2023年9月14日 福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和5年秋季調査)の結果について
・2024年5月31日 福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和6年春季調査)の結果について
・2024年12月2日 福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和6年秋季調査)の結果について



参考
ツマアカスズメバチ チラシ
ツマアカスズメバチ防除計画(平成28年作成)
ツマアカスズメバチ防除計画(令和5年改定)
2022(令和4)年度ツマアカスズメバチ防除計画改定に係る検討会 資料

 

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