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九州地方環境事務所

報道発表資料

2023年09月14日
  • 報道発表

福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和5年秋季調査)の結果について

<福岡県、福岡市、久山町同時発表>

 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号。)に基づき特定外来生物に指定されているツマアカスズメバチが、令和4年に福岡県北部で確認されたことを受け、環境省九州地方環境事務所では令和5年8月から9月にかけて生息状況調査を実施しました。その結果、(同年4月から5月にかけての調査と同様)ツマアカスズメバチの個体の確認はありませんでした。

1.令和4年度から令和5年春にかけての福岡県北部におけるツマアカスズメバチの確認の経緯

 令和4年4月28日に福岡市東区、5月6日に久山町において、私有地内でツマアカスズメバチの個体(それぞれ女王バチ1個体)が発見されてから9月にかけてまで、福岡市東区、久山町及び篠栗町においてツマアカスズメバチが散発的に確認されました。
 このため、昨年、九州地方環境事務所は関係機関の協力も得てトラップによる生息状況調査、巣の探索調査(1個の巣が発見され駆除)、化学的防除(発見できなかった巣があった可能性にも備え、市販のスズメバチ駆除用薬剤を用いたツマアカスズメバチの駆除)を実施しました。
 また、生き残り越冬に成功した女王バチを発見することを目的として、令和5年4月24日から5月13日にかけて、令和4年度にツマアカスズメバチが確認された地点の周辺3km圏内を中心に、約900個のトラップによる生息状況調査をしました。また、同期間中、同様の範囲において個体の目視調査を併せて行いました。この調査の結果、在来のスズメバチ類のみが確認され、ツマアカスズメバチの個体の確認はありませんでした。

 
 ※詳細については、昨年度報道発表資料を御参照ください。
  令和4年5月9日(月)発表
   「福岡県福岡市におけるツマアカスズメバチの確認について」
    http://kyushu.env.go.jp/pre_2022/post_158.html
  令和4年5月10日(火)発表
   「福岡県糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチの確認について」
    http://kyushu.env.go.jp/pre_2022/5.html
  令和4年6月8日(水)発表
   「福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ生息状況等緊急調査の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/pre_2022/68.html
  令和4年7月20日(水)発表
   「福岡県糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ生息状況等緊急調査の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00010.html
  令和4年10月3日(月)発表
   「福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ緊急防除の実施について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00014.html
  令和4年11月15日(火)発表
   「福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ緊急防除の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00019.html
  令和5年5月23日(火)発表
   「福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和5年春季調査)の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00028.html

2.今回の生息状況調査の概要

 昨年10月の巣の駆除以降は、福岡県内においてツマアカスズメバチの確認情報はありません。しかし、仮にツマアカスズメバチがまだ存在していた場合には、夏から秋にかけて巣の個体数が増加し、活動が活発になります。このため、今回、令和5年8月28日から9月12日にかけて、本年の春に実施した調査と同じ範囲、方法で生息状況調査を再度実施したところ、在来のスズメバチ類のみが確認され、ツマアカスズメバチの個体は確認されませんでした。

 今回の調査で確認された在来スズメバチ類

        種名             確認数
    オオスズメバチ       1337   
    キイロスズメバチ       96
    コガタスズメバチ       246
    モンスズメバチ       190
    ヒメスズメバチ       1133
    クロスズメバチ       4

3.今後の対応

 令和5年度の調査では、ツマアカスズメバチは確認されませんでした。
 しかし、九州地方環境事務所では、ツマアカスズメバチ防除計画における初期侵入地対策マニュアルにおいて、2年間ツマアカスズメバチが確認されないことを防除完了の目安としているため、令和6年度にも今回と同様の生息状況調査を実施する計画です。
 また、今後も関係機関による調査や市民からの目撃情報でツマアカスズメバチの個体や巣が確認された場合には関係機関と協力し速やかに駆除等を行います。

 参考:九州地方環境事務所 ツマアカスズメバチ防除計画
    (別添4 初期侵入地対策マニュアル)
    https://kyushu.env.go.jp/content/000129566.pdf

4.住民の皆様へ(特に疑わしい個体を発見した場合の対応)

 ツマアカスズメバチは生態系や養蜂業等に悪影響を及ぼすおそれがあり、警戒が必要です。また、他のスズメバチと同様に刺傷する可能性についても、注意が必要です。ただし、在来のオオスズメバチ等と比較して、特に人体に関わる被害が大きいことはありません。
 他方、九州地方に限らず、ツマアカスズメバチの定着が確認されている地域(韓国・釜山港など)と往来のある港湾等においては、侵入のリスクがあります。また、ツマアカスズメバチは、高い繁殖力と分布拡大能力を有していることから、一旦定着してしまうと根絶が難しく、在来の生態系に対して被害を与えるほか、ミツバチを好んで捕食することから、養蜂業にも影響が出ると考えられ、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ることが重要です。  
 ツマアカスズメバチと思われる個体が発見された場合には、お住まいの自治体や管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡ください。
 連絡先URL:http://www.env.go.jp/region/index.html

お問い合わせ先

環境省
九州地方環境事務所 野生生物課

 課長:   大澤 隆文
 課長補佐: 安藤 忍
 TEL: 096-322-2413
 

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