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九州地方環境事務所

報道発表資料

2022年11月15日
  • 報道発表

福岡県福岡市及び糟屋郡久山町における ツマアカスズメバチ緊急防除の結果について【11月15日】

<福岡県、福岡市、久山町同時発表>

 外来生物法に基づき特定外来生物に指定されているツマアカスズメバチが、令和4年5月以降、福岡県福岡市東区及び久山町等で確認されてきたことを受け、在来の生態系や養蜂業への影響を抑えるため、環境省九州地方環境事務所では生息状況等調査や、巣を発見し駆除することを目的に巣の探索調査を実施しました。その結果、巣の発見はありませんが、九州大学による調査で発見された巣について駆除を行いました。加えて、発見されていない巣も駆除することを目的として、巣の位置が不明であっても防除が可能な化学的防除を実施しました。防除の効果については来春の調査により確認予定です。

1.福岡市及び久山町におけるツマアカスズメバチの初確認以降の経緯

 令和4年4月28日に福岡市東区、5月6日に久山町において、私有地内でツマアカスズメバチの個体(それぞれ女王バチ1個体)が発見されました。それ以降5月から9月にかけて、九州大学の上野高敏准教授による調査等を含め、福岡市東区、久山町及び篠栗町においてツマアカスズメバチが散発的に確認されました。
 その後、9月10日から25日にかけて、これまでツマアカスズメバチが確認された地点から3km圏内を中心に、九州地方環境事務所により約700個のトラップを設置し生息状況調査を実施したところ、福岡市東区、久山町及び篠栗町内でツマアカスズメバチ約30個体が発見されました。
 
 ※詳細については、報道発表資料を御参照ください。
  令和4年5月9日(月)発表
   「福岡県福岡市におけるツマアカスズメバチの確認について」
    http://kyushu.env.go.jp/pre_2022/post_158.html
  令和4年5月10日(火)発表
   「福岡県糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチの確認について」
    http://kyushu.env.go.jp/pre_2022/5.html
  令和4年6月8日(水)発表
   「福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ生息状況等緊急調査の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/pre_2022/68.html
  令和4年7月20日(水)発表
   「福岡県糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ生息状況等緊急調査の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00010.html
  令和4年10月3日(月)発表
   「福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ緊急防除の実施について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00014.html

2.今般行った調査及び防除の概要

 これまでの確認情報等から、関係機関と連携し、ツマアカスズメバチの巣が存在する可能性が高いと考えられる久山町山田、久原及び福岡市東区下原周辺にて、9月26日から10月10日にかけて、蜜によりツマアカスズメバチを誘引し、帰巣する方向を追跡することで巣を発見し駆除することを目指す巣の探索調査を実施しました。また、その結果も踏まえつつ平行して行なわれた九州大学による調査では福岡市東区にて1個の巣が発見され、九州地方環境事務所により10月7日に駆除を実施しました。駆除された巣からは死亡した女王バチを確認し、次世代の新女王バチ等の発生はまだありませんでした。また、調査の結果、他にツマアカスズメバチの巣はみつかりませんでした。
 巣の探索調査と並行し、巣を発見できない場合でもツマアカスズメバチの駆除を行える方法として、同じ範囲で化学的防除も約100個の市販のスズメバチ駆除用薬剤で実施しました。その後、11月8日~11日(巣の駆除及び化学的防除を実施した約2週間後)に、周辺にて目視及び蜜による誘引を行ってツマアカスズメバチの確認調査を実施したところ、ツマアカスズメバチは発見されませんでした。
 また、10月7日の巣の駆除以降、福岡県内においてツマアカスズメバチの確認情報はありません。

※調査及び防除の詳細につきましては以下の報道発表資料をご参照下さい。
 令和4年10月3日(月)発表
  「福岡県福岡市及び糟屋郡久山町におけるツマアカスズメバチ緊急防除の実施について」
   https://kyushu.env.go.jp/press_00014.html

3.今後の対応

 秋には、ツマアカスズメバチ(働きバチ)の個体数がピークに達し、雄バチ、新女王バチが巣内で羽化し、やがて雄バチ、新女王バチは巣外へ出て交尾し、交尾後の雄バチは死亡し、新女王バチは越冬に入ります。そして、元の巣は冬に向けて個体数が減少していき巣内の個体は死亡します。
 このため、防除の効果については来春以降に再度、ツマアカスズメバチの生息状況調査を行うとともに、関係機関と協力し、引き続き侵入の監視等に努めます。

4.住民の皆様へ(特に疑わしい個体を発見した場合の対応)

 ツマアカスズメバチは生態系や養蜂業等に悪影響を及ぼすおそれがあり、警戒が必要です。また、他のスズメバチと同様に刺傷する可能性についても、注意が必要です。ただし、在来のオオスズメバチ等と比較して、特に人体に関わる被害が大きいことはありません。
 他方、九州地方に限らず、ツマアカスズメバチの定着が確認されている地域(韓国・釜山港など)と往来のある港湾等においては、侵入のリスクがあります。また、ツマアカスズメバチは、高い繁殖力と分布拡大能力を有していることから、一旦定着してしまうと根絶が難しく、在来の生態系に対して被害を与えるほか、ミツバチを好んで捕食することから、養蜂業にも影響が出ると考えられ、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ることが重要です。そのため、次世代の新女王バチ等が発生する前に今回の緊急的な巣の探索及び化学的防除を実施したものです。  
 福岡市及び久山町で初めてツマアカスズメバチが確認された今回の事例では、養蜂関係者からの迅速な通報により、早期に対策を実施することができました。
 地方自治体や駆除業者、養蜂業者の方々につきましては、ツマアカスズメバチと思われる個体が発見された場合には、管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡ください。
 連絡先URL:http://www.env.go.jp/region/index.html

お問い合わせ先

環境省
九州地方環境事務所 野生生物課

 課長: 大澤 隆文
 課長補佐: 安藤 忍
 TEL: 096-322-2413
 

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