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九州地方環境事務所

報道発表資料

2024年05月31日
  • 報道発表

福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和6年春季調査)の結果について

<福岡県、福岡市、宮若市、久山町同時発表>

 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号。)に基づき特定外来生物に指定されているツマアカスズメバチが、令和4年に福岡県北部で確認されたことを受け、環境省九州地方環境事務所では令和4年度以降継続して生息状況調査を実施しています。令和6年5月にも生息状況調査を実施したところ、昨年度と同様、ツマアカスズメバチの個体の確認はありませんでした。

1.令和4年度から令和5年度にかけての経緯

 令和4年4月28日に福岡市東区、5月6日に久山町において、私有地内でツマアカスズメバチの個体(それぞれ女王バチ1個体)が発見されてから9月にかけてまで、福岡市東区、久山町及び篠栗町においてツマアカスズメバチが散発的に確認されました。
 このため、九州地方環境事務所は関係機関の協力も得てトラップによる生息状況調査、巣の探索調査(1個の巣が発見され駆除)、化学的防除(発見できなかった巣があった可能性にも備え、市販のスズメバチ駆除用薬剤を用いたツマアカスズメバチの駆除)を実施しました。
 また、生き残り越冬に成功した女王バチを発見することを目的として、ツマアカスズメバチが確認された地点の周辺3km圏内を中心に、令和5年の春季及び秋季に各回約900個のトラップによる生息状況調査をしました。同期間中、同様の範囲において個体の目視調査も併せて行いました。この調査の結果、在来のスズメバチ類のみが確認され、ツマアカスズメバチの個体の確認はありませんでした。


 ※詳細については、下記の前回関連報道発表中に掲載した、過去の報道発表資料を御参照ください。
  令和5年9月14日(木)発表
   「福岡県北部におけるツマアカスズメバチ生息状況調査(令和5年秋季調査)の結果について」
    https://kyushu.env.go.jp/press_00035.html
    

2.今般の生息状況調査の概要

 令和5年度の調査より広い範囲で生息有無を確認するべく、令和6年5月7日から26日にかけては、令和5年度調査範囲の北端、南端に当たる部分を中心に、半径8kmの範囲を今般の調査対象としました。
 このうち、公園、緑地に加え、樹林地と平地との境界部分等、ツマアカスズメバチの営巣の可能性が考えられる場所に約500個のトラップを設置して、生息状況を調査しました。また、個体の目視調査を併せて行いました。
 この調査の結果、在来のスズメバチ類のみが確認され、ツマアカスズメバチの個体の確認はありませんでした。

3.今後の対応

 未だツマアカスズメバチが存在する場合、夏から秋にかけて働きバチが増加し、秋に個体数が最大になるため、発見される可能性が高くなります。このため、九州地方環境事務所は令和6年秋にも生息状況調査を実施するとともに、個体や巣が確認された場合には関係機関と協力し速やかに駆除を行います。

4.住民の皆様へ(特に疑わしい個体を発見した場合の対応)

 ツマアカスズメバチは生態系や養蜂業等に悪影響を及ぼすおそれがあり、警戒が必要です。また、他のスズメバチと同様に刺傷する可能性についても、注意が必要です。ただし、在来のオオスズメバチ等と比較して、特に人体に関わる被害が大きいことはありません。
 他方、九州地方に限らず、ツマアカスズメバチの定着が確認されている地域(韓国・釜山港など)と往来のある港湾等においては、侵入のリスクがあります。また、ツマアカスズメバチは、高い繁殖力と分布拡大能力を有していることから、一旦定着してしまうと根絶が難しく、在来の生態系に対して被害を与えるほか、ミツバチを好んで捕食することから、養蜂業にも影響が出ると考えられ、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ることが重要です。  
 ツマアカスズメバチと思われる個体が発見された場合には、お住まいの自治体や管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡ください。
 連絡先URL:http://www.env.go.jp/region/index.html

お問い合わせ先

環境省
九州地方環境事務所 野生生物課

課長: 大澤 隆文
係員: 津田 恭兵
TEL: 096-322-2413
 

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