ツシマヤマネコニュース
183件の記事があります。
2015年12月15日ツシマヤマネコ死体収容について
センター職員日誌 西野
平成27年12月8日(火)、対馬市上県町佐護の国道382号において、ツシマヤマネコの死体を対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しましたのでお知らせします。
1 死体が収容された経緯
平成27年12月8日(火)午後11時頃、道路上でツシマヤマネコが倒れていると、住民から対馬動物医療センターに連絡が入りました。
センターの職員が現地にて死体を確認し、午後11時30分にセンターに収容しました。
なお、通報者の証言によると、発見時には僅かに息があったとのことでしたが、対馬動物医療センターの越田獣医師が現地に着いた際は、すでに死亡していたとのことでした。
2 死体の個体情報
①性別 メス
②年齢 亜成獣
③体重 1620g
④個体の状況 左頭側に打撲の痕跡が確認できました。それ以外に目立った外傷は認められませんでし
た。また、レントゲンにおいて骨折は認められず、胸腹部にも明らかな異常はありません
でした。体格は良好でした。
⑤死因 死体の状態及び発見場所が路上(国道382号の道路中央)だったことから交通事故の可能
性が高いと思われます。 詳細については岐阜大学に病理解剖を依頼しています。
⑥FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
(FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)
3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置
・パンフレット・チラシの配布、交通事故防止キャンペーンの実施等による普及啓発
・対馬市ケーブルテレビ等をつうじた注意喚起
○中長期的な対策
・カルバートをはじめ、交通事故防止に配慮した道路・河川構造物の設置等に向けた関係機関との現場での検証、協議
・道路への急な飛び出しを防止する構造物等について、飼育下個体を用いた行動実験による効果検証
4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
今回の事故により、平成4年度以降の交通事故発生件数は累計で89件(80頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成27年11月8日であり、交通事故ゼロ記録は30日間でした。
また、今年度は、7件目の交通事故となります。
5 普及啓発の内容
本年度は過去最悪のペースで交通事故が発生しており、環境省、長崎県、対馬市では、「ツシマヤマネコ交通事故多発警報」を発令し、注意を呼びかけているところです。
冬期はツシマヤマネコ(ヤマネコ)の行動範囲が広くなり、例年、ヤマネコの交通事故が多発する傾向にあります。
また、これから年末年始にかけては帰省等による交通量増加により事故発生の危険性が高まります。特に夕方から明け方にかけてはヤマネコの行動が活発になるため、ヤマネコの飛び出しに十分注意して安全運転を行ってくださいますようお願いいたします。
万一ヤマネコをはねてしまっても、故意でない限り罪に問われることはありません。事故発生時の状況は今後の事故対策を進める上で大変重要な情報となりますので、ヤマネコをはねてしまった、または道路上で死んでいるヤマネコを見かけた場合は、対馬野生生物保護センター(0920-84-5577)までご連絡ください。
2015年12月09日やまねこ祭りwithサイエンスカフェ
センター職員日誌 吉岡
みなさんこんにちは★
普及啓発担当の吉岡です(・∀・)!!
今回は先日行われた
やまねこ祭りwithサイエンスカフェについてご紹介します★
8月末に豊玉パールドームで行った科学イベントを
今回は佐世保工業高等専門学校と対馬市と共催で
12月5日(土)に対馬市交流センターで行いました。
ロボット操縦体験のブースでは
実際に子供達がロボットの操縦体験を行いました!!
ヤマネコ調査体験のブースでは、
親機と子機を使用してヤマネコを探すヤマネコ調査員になってもらいました!!
また、参加者にヤマネコになってもらい
野生のヤマネコのマイクロチップを読み取る装置の体験も行いました。
ヤマネコと科学は一見関わりがなさそうに思いますが、
ヤマネコの調査にはとっても科学って重要なんですね(゚Д゚)!!
ヤマネコブースでは、
オリジナルのヤマネコ折り紙を作ってもらいました★
ちょっと折り方が難しい部分もあったけど、
みんな可愛いヤマネコが完成しました。
この折り紙はヤマネコセンターにも置いているので
是非やってみてね★
そしてなんと!!
今回はブースを全て回るとロボットが当たるくじ引きに参加でき、
ロボットをゲットした子供達はとても嬉しそうに持って帰っていました。
ブース以外にも科学で対馬を盛り上げていくためには
どうしたら良いかなどを題材とした講演会も行い、
対馬野生生物保護センターをはじめ、
佐世保工業高等専門学校、外部集落支援員、対馬高校
NPO法人naturalscienceの大草様を講師にお招きし、
各講演を行った後、参加者全員でのパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションでの意見交換は
高校生からも沢山の意見を頂けたようで、
とても有意義なものになりました。
今回のイベントでは1日を通して
合計200名以上の参加者が足を運んでくださり、
大盛況となりました(・ω・)!!
来年も対馬の皆さんが科学やヤマネコにふれあえる様なイベントを
佐世保工業高等専門学校と行っていけたらと思います★
2015年10月28日三宇田カルバート清掃のご報告
センター職員日誌 蔭浦
こんにちは!
ツシマヤマネコ応援団事務局の蔭浦です。
先日10月24日(土)に行なった、三宇田のカルバート清掃のご報告です。
ツシマヤマネコ応援団では、ヤマネコが道路に出てこないようにと上対馬町の三宇田線にあるカルバートの清掃を毎年行なってきました。例年センターの夏期実習生と一緒に実施していましたが、今年は8~9月の大雨で3箇所のカルバートが土砂に埋もれてしまい、急遽この時期に実施することとなりました。
当日は、団長を含めて4人の団員さんが参加してくださいました!
センタースタッフも6人も加わり、重機まで使用するという大仕事となりました。
↓清掃前のカルバート入口
↑1箇所目
↑2箇所目
↑3箇所目
午前中から作業を開始し、1箇所目は人力で土砂を掻き出しました。
呑口と吐口の両方が埋まっており、交代で土砂を掻きますがみんな汗だくです・・・。
↑埋まった吐口
↑狭いところは手で土を掻き出します。
2、3箇所目はあまりに土砂が多いため、重機(ユンボ)を使っての作業となりました。
手前のワイヤーメッシュを一旦外して、免許を持っておられる団長が機械を運転し、道を作りながら進んで行きます。
当初お昼解散予定だった作業は、結局午後までかかってしまいましたが、多くの方のご協力によってここまできれいになりました!!
↑1箇所目の呑口
↑1箇所目の吐口と穴の内部。隅々まできれいになりました!
↑2箇所目入口。
↑3箇所目入口。実はこんなに広かったんです!
ご協力いただいた団員のみなさま、重機の運搬から作業まで助けていただいた業者の方、本当にありがとうございました。
そして、本当にお疲れ様でした!(筋肉痛になった方も多いかと思います・・・)
おそらく今後も、大雨がふれば土砂は際限なく流れ込んできてしまうため、
対馬市役所の方にも相談し、根本的な解決ができるよう進めたいと思います。
2015年10月21日5件目
センター職員日誌 竹澤
先日、10月17日に今年度5件目の交通事故が発生しました。
峰町志多賀の主要地方道のトンネル出口付近で、今年生まれと思われる若いメスの死体が発見されました。
秋から冬は今年生まれのヤマネコの独り立ちの季節にあたり、交通事故が増える季節。
先週10月9日に、上対馬町大浦で若いオスが交通事故に遭ってからまだ一週間しか経っていませんでした。
今回ヤマネコの事故があった箇所は、トンネル出口すぐで道路脇に川が通っており、その川に沿った林が大きな道路へと繋がっていました。また斜面側と反対は急な法面になっていて、横断できない箇所です。
ヤマネコは恐らく川沿いまたは林から道路上へと上がってきたところ、交通事故に遭った可能性が示唆されます。
ヤマネコの交通事故の起きやすい箇所は以下のような場所です。
先日10月9日に上対馬町大浦で起きた事故現場は、林の中、スピードの出やすい緩やかな下り坂でした。
また、今回10月17日に起きた事故の現場も、上の条件に含まれる道路構造でした。
このような場所を通る際には、いつヤマネコが飛び出してくるか分かりません。
今年度は既にこの時期までで5件もの事故が発生しており、対馬野生生物保護センターへ寄せられた仔ネコの目撃情報も多く、更なる事故が懸念されます。
センターでもより一層の普及啓発と対策を行って行きますが運転手の皆さまにおかれましても、運転中のヤマネコの飛び出しにどうぞご注意下さい。
対馬野生生物保護センターでは死んだヤマネコや、怪我をしたヤマネコの情報はもちろん、道路上での目撃情報も募集しております。
見かけた方は是非下記の番号までお電話頂ければと思います。
ご協力よろしくお願い致します!
2015年10月20日ヤマネコたちよ、元気でね!
センター職員日誌 蔭浦
こんにちは!調査研究担当の蔭浦です。
普段は野外でのヤマネコ追跡調査を担当しています。
「追跡調査って?」と思う方も多いと思いますので、ここで少しご紹介します!
ヤマネコセンターでは、ケガや衰弱により保護されたヤマネコを治療し、再び野生に復帰させる取り組みをしています。その野生復帰の際に、無事に生きていけるかを確認するために行うのが、「追跡調査」です。ヤマネコに首輪型の発信機を取り付け、その電波を追います。
↑ヤマネコに取り付ける発信機。重さは体重の1パーセントほど。
↑追跡調査の様子。
先日、かつてセンターに保護され野生復帰した2頭のヤマネコの追跡調査を終了しました。
1頭はMy-68と呼ばれるオスで、2014年1月美津島町芦浦にて衰弱のため保護され、同年7月10日から野生復帰した個体です。
↑保護当時のMy-68。
もう1頭はMh-62というオスで、2013年1月上対馬町比田勝にて交通事故に遭っていたところを保護され、同年7月から野生復帰したオスの個体です。
Mh-62の場合は、交通事故に遭いながら命が助かったという珍しいケースでした。当時道路から逃げて川に落ちてしまったところを、発見者の方が川に入って救出してくださったという、まさに奇跡のヤマネコです!
↑保護され、治療中のMh-62。
そんな2頭をこれまで見守ってきましたが、定期的な捕獲検査の結果、どちらのヤマネコも1年以上健康状態に問題なく過ごせていたので、8月16日にMy-68、10月6日にMh-62の発信機を取り外し、追跡を終了しました。
↑野生復帰時のMy-68。
↑発信機を外した、最後の放獣前のMh-62。
放獣前の顔つきは、なんだか自信たっぷりに見え、とても頼もしく感じました。
今も対馬の山の中でたくましく生きていると思うと、これからも応援したくなります(^^)
これから冬にかけ、オスのヤマネコたちは繁殖相手を求めて広い範囲を動き回ります。この2頭も、無事お嫁さんをもらえていたらいいなと思います。
そして、ヤマネコが活発になることで交通事故の危険性も増します。
みなさまも島内を運転される際には、「人にも動物にもやさしい運転」にご協力いただければ幸いです。また、もしヤマネコを見かけたという際には、対馬野生生物保護センターまでご連絡をお願いいたします!
対馬野生生物保護センター※24時間365日受け付けています。
TEL:0920-84-5577
2015年10月15日とらやま祭り~10月8日はツシマヤマネコの日~
センター職員日誌 小宮
こんにちは\(^^)/
普及啓発担当の小宮です!
10月10日・11日ヤマネコセンターでは、
『ツシマヤマネコの日』制定を記念しまして
とらやま祭り~10月8日はツシマヤマネコの日~を
開催致しました!!
な・ん・と!2日間で、128名がイベントに
参加してくれました\(^_^)/わーい★
1日ヤマネコセンターで遊んでいってくださった方や
2日続けてヤマネコセンターに来てくださった方もいらっしゃいました!
イベントに参加してくださった
みなさまありがとうございました!
~~1日目~~
ヤマネコ紙塑人形作りでは、元気で明るい素敵な講師
居石さんに作り方を教わりながらヤマネコ作りスタート★
とっても細かいな作業に参加者一人一人真剣に取り組んでくださって、
世界に1つだけのツシマヤマネコができました!!
参加者と作ったヤマネコを持って1枚★
みんなそれぞれ顔が違うんですよ~(^^)
どのヤマネコも良い感じの仕上がりでした★
ツシマヤマネコについての○×クイズ・かるた大会では、
大人も子どもも楽しみながら、時々真剣に考えたりと
ヤマネコについて楽しんで学んでいただけたかなと思います(^^)/
○×クイズでは全問正解者もいました~!!すばらしい★
かるた大会では、子ども達が熱中しすぎて
大人の部門が十分に出来なかったですね(^_^;)
子ども達はパワフルですね★
~~2日目~~
DVD上映は、ペットの飼い方についての内容でした!
ヤマネコとペット?と思われがちですが、
しっかりとペットを飼うことが、ヤマネコを守ることにも繋がりますし、
かわいい大切なペットを守ることに繋がります!
子ども達もよ~く見てくれていました★
その後のじゃんけん大会は、
大人も子どもも一喜一憂しながらの大盛り上がりでした!!
ネイチャーゲーム『ノーズ』では、対馬の生きものについてのヒント聞いて
何だろう?何だろう?とみなさん懸命に考えてくれてました(^^)/
講演会には、那須どうぶつ王国の園長
佐藤さんを講師にお招きしました。
2日間のイベントの中でも一番たくさんの方にご参加いただきました!
2日間のキーパーズトークでは、普段の様子とは違ったトレーニングしている
福馬くんの様子をみなさん真剣にみてくださっていたようです!
イベントに来てくださったみなさま
本当にありがとうございました。
このイベントでヤマネコについてたくさんの事を
知っていただけたかなと思います!
そして、今年制定された『ツシマヤマネコの日』も
覚えていただけたかな(^^)?
『10月8日はツシマヤマネコの日』
是非覚えていただきたいです!
また、イベントを企画しておりますので、是非参加をお願い致します★
2015年09月25日ツシマヤマネコの日の制定と関連行事の開催について
センター職員日誌 西野
ツシマヤマネコの保護に取り組む行政機関※で構成するツシマヤマネコ保護増殖連絡協議会(事務局 九州地方環境事務所野生生物課)では、ツシマヤマネコの別称である「とらやま」にちなみ10月8日を「ツシマヤマネコの日」とし、広く保護への協力を呼びかけるとともに、公益社団法人日本動物園水族館協会と連携し、ツシマヤマネコの保護に関する普及啓発のための取組を下記のとおり行いますのでお知らせします。
※ツシマヤマネコ保護増殖連絡協議会構成機関
林野庁九州森林管理局長崎森林管理署
環境省九州地方環境事務所
長崎県環境部自然環境課
長崎県対馬振興局
対馬市
対馬市教育委員会
1.取組の内容
(1)事業名 ツシマヤマネコ生息域内外連携促進事業
(2)実施体制 主催 ツシマヤマネコ保護増殖連絡協議会
後援 公益社団法人日本動物園水族館協会(申請中)
(3)実施場所
ツシマヤマネコを飼育している10施設(盛岡市動物公園、井の頭自然文化園、よこはま動物園、富山ファミリーパーク、東山動植物園、京都市動物園、福岡市動物園、九十九島動植物園、沖縄こどもの国、対馬野生生物保護センター)
(4)内容
ツシマヤマネコの現状、対馬での域内保全、域外保全を全国の方々に知ってもらうべく、全国のツシマヤマネコ飼育施設及び関係機関が連携して行うスタンプラリーを開催する。
また、各施設の来園者に対馬でツシマヤマネコの保護活動をしている方への応援メッセージ書いてもらい、対馬への寄せ書きとしてとりまとめ、対馬市内で掲示する。
①ツシマヤマネコの日制定記念☆とらやまスタンプラリー
・期間:平成27年10月8日~平成28年8月31日
・内容:ツシマヤマネコを飼育する10施設においてラリー用紙を配布するとともに、各施設にスタンプを設
置する。参加者には集めたスタンプ数に応じて、オリジナルタオルや佐護ツシマヤマネコ米などの
景品を配布する。
②対馬に届け!ツシマヤマネコ応援メッセージ
・期間:平成27年10月8日から用紙を配布し、平成28年3月末までに対馬に送付する。その後、対馬野生
生物保護センター等で順次展示を行う。
・内容:各園で対馬での保護の取組等に関するパネルを掲示するとともに、来園者に用紙を配布し、各園
館で来館者に域内保全に取り組む方々へ激励メッセージを募集し、対馬に送付する。その後、対
馬野生生物保護センターをはじめ対馬各地での展示を行う。
2.関連する取組
対馬市ではイリオモテヤマネコが生息する沖縄県竹富町と「ヤマネコ愛ランド共同宣言」を締結し、10
月8日に竹富町において調印式を行う予定です。
また、対馬野生生物保護センター及びツシマヤマネコを飼育する各動物園においてもツシマヤマネコに
関係するイベントが実施される予定です。
【問合せ先】
○ツシマヤマネコ保護増殖連絡協議会及び環境省の取組について
環境省対馬自然保護官事務所(℡:0920-84-5577、担当:西野)
○「ヤマネコ愛ランド共同宣言」など対馬市の取組について
対馬市市民協働・自然共生課(℡:0920-53-6111、担当:神宮)
○公益社団法人日本動物園水族館協会及び各動物園での取組について
日本動物園水族館協会生物多様性委員会ツシマヤマネコ計画推進会議
(℡:098-933-4190、担当:大宜見(沖縄こどもの国))
2015年07月29日メリアル・ジャパン(株)によるツシマヤマネコ保護増殖事業への協力について(お知らせ)
ツシマヤマネコニュース 西野
環境省では、絶滅危惧種のツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業を実施しています。
また、その一環として、(公社)日本動物園水族館協会(以下、「日動水」)に依頼し、国内9ヶ所の動物園等において飼育下繁殖事業に取り組んでいます。
この度、メリアル・ジャパン(株)より、ツシマヤマネコ保護増殖事業への協力の申し出があり、同社から、平成27年度~29年度の間、上記動物園等で飼育しているツシマヤマネコや対馬市内のイエネコ(ノラネコ等)の感染症対策で使用する猫用ワクチンを無償で提供して頂くことになりましたのでお知らせいたします。
【背景】
環境省では、公益社団法人日本動物園水族館協会やNPO法人ツシマヤマネコを守る会、NPO法人どうぶつたちの病院、ツシマヤマネコ応援団などのツシマヤマネコの保護のために活動している市民団体、島内外の企業など多様な団体等と連携し、ツシマヤマネコ保護増殖事業に取り組んでいます。
また、島内外の一般住民や企業に資金面からツシマヤマネコの保護活動を支援してもらうために、対馬市が運営するツシマヤマネコ基金の活用や企業のCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)活動の誘致を進めています。
現在、メリアルでは、CSR活動として、「Saving endangered species」を展開し、世界的に希少種の保護に貢献されており、その一環として、メリアル・ジャパン(株)(東京都新宿区)から、猫用ワクチンを無償で提供して頂くことになったものです。
【問合せ先】
○ツシマヤマネコ保護増殖事業全般について
環境省対馬自然保護官事務所(℡:0920-84-5577、担当:西野)
○メリアル・ジャパン(株)の取組みについて
コミュニケーション(℡:03-6301-4712、担当:上條)
○公益社団法人 日本動物園水族館協会の取組について
日本動物園水族館協会生物多様性委員会保全戦略部
(℡:076-434-1234、担当:村井(富山市ファミリーパーク))
○イエネコ対策、ツシマヤマネコ基金について
対馬市市民協働・自然共生課(℡: 0920-53-6111、担当:神宮)
2015年07月28日西海国立公園九十九島動植物園におけるツシマヤマネコの死亡について
ツシマヤマネコニュース 西野
環境省では、絶滅危惧種のツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業を実施しています。
その一環として、環境省より(公社)日本動物園水族館協会に依頼を行い、国内の計11施設(飼育施設9施設、飼育予定施設2施設)に協力いただき飼育下繁殖事業に取り組んでいただいているところです。
このたび、西海国立公園九十九島動植物園より、同園で飼育しておりましたツシマヤマネコ1頭(No.38、成獣、メス)が死亡したとの報告がありましたのでお知らせいたします。
1.状況
平成27年7月17日に検査により腹部に腫瘍が確認され、手術を行ったが腫瘍の切除は不可能と判断され、その後治療を継続してきましたが、平成27年7月27日午前7時頃に死亡を確認しました。
2.死亡個体概要
年齢:9歳(平成18年4月1日に福岡市動物園で誕生)
性別:メス
3.死因
岐阜大学応用生物科学部 獣医病理学研究室に病理解剖を依頼中です。
平成27年12月10日(木)、対馬市上県町佐護の国道382号において、ツシマヤマネコの死体を対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しましたのでお知らせします。
1 死体が収容された経緯
平成27年12月10日(木)午後7時頃、センター職員が上県町佐護の国道382号においてツシマヤマネコ死体を発見し、午後7時30分にセンターに収容しました。
なお、今回の収容地点は12月8日(火)に死体を収容した地点から約500m離れた場所でした。
2 死体の個体情報
①性別 メス
②年齢 成獣
③体重 2420g
④個体の状況 頭骨骨折、腹部ヘルニア、尾部の骨折が認められ、広範囲に損傷していることから、複
数回に渡って轢かれたものと推測されます。
また、歯の欠損、レントゲンの骨状態から、比較的高齢個体と推測されます。体格は問
題の無い程度でした。
⑤死因 死体の状態及び発見場所が路上(国道382号の道路中央)だったことから交通事故の可能
性が高いと思われます。詳細については、岐阜大学に病理解剖を依頼しています。
⑥FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
(FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)
3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置
・パンフレット・チラシの配布、交通事故防止キャンペーンの実施等による普及啓発
・対馬市ケーブルテレビ等をつうじた注意喚起
○中長期的な対策
・カルバートをはじめ、交通事故防止に配慮した道路・河川構造物の設置等に向けた関係機関との現場での検証、協議
・道路への急な飛び出しを防止する構造物等について、飼育下個体を用いた行動実験による効果検証
4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
今回の事故により、平成4年度以降の交通事故発生件数は累計で90件(81頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成27年12月8日であり、交通事故ゼロ記録は1日間でした。
また、今年度は、8件目の交通事故となります。
5 普及啓発の内容
本年度は過去最悪のペースで交通事故が発生しており、環境省、長崎県、対馬市では、「ツシマヤマネコ交通事故多発警報」を発令し、注意を呼びかけているところです。
冬期はツシマヤマネコ(ヤマネコ)の行動範囲が広くなり、例年、ヤマネコの交通事故が多発する傾向にあります。
また、これから年末年始にかけては帰省等による交通量増加により事故発生の危険性が高まります。特に夕方から明け方にかけてはヤマネコの行動が活発になるため、ヤマネコの飛び出しに十分注意して安全運転を行ってくださいますようお願いいたします。
万一ヤマネコをはねてしまっても、故意でない限り罪に問われることはありません。事故発生時の状況は今後の事故対策を進める上で大変重要な情報となりますので、ヤマネコをはねてしまった、または道路上で死んでいるヤマネコを見かけた場合は、対馬野生生物保護センター(0920-84-5577)までご連絡ください。