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183件の記事があります。

2012年01月11日ツシマヤマネコの死体収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

1月10日(火)、対馬市上県町佐護(さご)の佐護川河口においてツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  1月10日(火)午前11時ごろ、対馬市上県町佐護の佐護川河口で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、通報を受けたセンター職員がツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 推定1,800g程度(実測2,085g)
(4)個体の状況 栄養状態良好。鼻に擦過傷、両側上下顎臼歯の摩耗、尾根部腹側に開放創が認められた。水中にあったことによる損傷が少ないことから、死後比較的短時間のうちに発見されたと考えられる。
(5)死因 多量の水を飲み込んでおり、溺死したものと推測される(死亡後水中に転落したのではない)。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

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2012年01月06日ツシマヤマネコ死亡個体の死因究明結果について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

平成23年7月6日に対馬市上県町鹿見で収容されたツシマヤマネコ幼獣の死体について、死因の特定のための検査の結果、死亡個体の咬傷からイエネコのDNAが検出されたこと等から、イエネコによる攻撃が死亡につながった可能性が高いことがわかりましたので、お知らせいたします。

Ⅰ.死亡個体について
1 収容された経緯
平成23年7月6日(水)午前9時頃、上県地域活性化センターを経由して、地域住民からツシマヤマネコの死体があり、カラスにつつかれているとの連絡があり、対馬野生生物保護センター職員が現場に向かい、対馬市上県町鹿見の道路上に横たわっている死体を回収し、午前11時頃に対馬野生生物保護センターに収容しました。

2 個体の情報
(1)性別 メス
(2)年齢 幼獣
(3)体重 360g(死体の一部が欠損していたため参考値)

Ⅱ.死因の究明の経緯について
1 外景検査
  収容後、対馬野生生物保護センターで行った外景検査により、左前肢内測に皮下出血を認めました。

2 病理検査
山口大学農学部獣医学科獣医病理学研究室(久保正仁助教)に依頼した病理検査の結果では左肩甲骨の骨折、左肩甲骨周囲の皮膚における2つの孔、一部頸椎の欠損、が認められ、何らかの小動物による咬傷の可能性が示唆されました。

3 咬傷周辺組織のDNA検査
長崎県環境保健研究センターに依頼した、咬傷部周辺組織のDNA検査の結果、死亡個体の咬傷部周辺の組織からイエネコのDNAが検出されました。

4 死因について
  保護個体は若干やせ気味ではあったものの、衰弱により死亡するほどではなかったと考えられます。イエネコによる咬傷により瀕死の状態となった可能性が高いと考えられます。

Ⅲ. 今後の対策について
 対馬市及び長崎県と協力し、対馬市ネコ適正飼養条例に基づき、ネコの適正飼養の徹底を図るため、市の広報等による普及啓発を全島的に行う予定です。
  

参考1 イエネコによるツシマヤマネコへの被害状況
イエネコによってかみ殺されたと考えられるツシマヤマネコは、これまで認められていません。これまでに1頭がイエネコに咬まれたため保護されています。
イエネコの感染症であるネコ免疫不全ウイルス(FIV。通称ネコエイズウイルス)に感染したツシマヤマネコはこれまでに3頭が確認されています。また、猫白血病ウイルス(FeLV)に感染したツシマヤマネコがこれまでに1頭確認されています。これらのツシマヤマネコは、闘争などによりイエネコからウイルスを感染させられたと考えられています。

参考2 対馬市におけるネコの適正飼養推進事業について
 対馬市ネコ適正飼養条例により、市内の飼いネコにはマイクロチップによる個体登録が義務づけられています。また、不妊化処置と室内飼育が推奨されています。
 現在対馬市では、対馬地区ネコ適正飼養推進連絡協議会により「ネコの健康生活サポートキャンペーン」が展開されています。このキャンペーンは、対馬市内の飼いネコにマイクロチップによる個体登録、不妊化処置、ワクチン接種などを無料で提供するものです。前身となる活動は九州地区獣医師会連合会によって平成12年から開始されており、平成23年11月末までに1948頭のネコが対象となり1665頭がマイクロチップによる個体登録を受けています。

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2012年01月05日ツシマヤマネコの死体収容について

ツシマヤマネコニュース 水崎

1月3日(火)、対馬市上県町佐護(さご)の県営農道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  1月3日(火)午後6時過ぎ、対馬市上県町佐護の県営農道で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、通りかかったセンター職員がツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,790g
(4)個体の状況 やせ気味。頭蓋骨粉砕骨折が認められる。
(5)死因 頭蓋骨の粉砕骨折による脳挫傷と出血のため死亡と推測。道路上で発見された事から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で60件(53頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成23年12月25日であり、交通事故ゼロ記録は8日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。また、年度あたりの平均事故件数は3.6件ですが、今年度はすでに5件交通事故が発生しており、深刻な状況です。1頭でも多くの命を守るため、低速度での運転をよろしくお願いいたします。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いいたします。

※事故地点は、一番上の緯度経度のところをクリックしていただくと分かります。

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2011年12月28日対馬の下島におけるツシマヤマネコ生息情報の確認について

ツシマヤマネコニュース 水崎

種の保存法に基づく国内希少野生動植物種であるツシマヤマネコの生息数は、対馬全体で80~110頭と推定され、特に、対馬の下島においては、近年、確実な生息情報は非常に限られたものとなっています。
今般、環境省から長崎県に委託し実施している痕跡調査にご協力いただいている調査員から、個人的に撮影された下島におけるツシマヤマネコの映像の提供を受け、ツシマヤマネコであることが確認されたのでお知らせします。

1 確認の経緯
環境省及び長崎県は、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種であるツシマヤマネコの生息状況を把握するための調査を実施している。
対馬の下島における調査については、近年わずかに生息の可能性を示す情報がある下島南部の厳原町内山周辺を中心として、平成18年度以降、痕跡調査、自動撮影調査を行ってきたところであるが、平成21年12月に同町小浦周辺で、ツシマヤマネコの亜成獣が保護され、平成22年9月に美津島町黒瀬においてツシマヤマネコのオスの糞が採取されたことから、それまでの調査範囲を拡げてきたところである。
平成23年12月25日及び26日に、環境省から長崎県に委託し実施している痕跡調査にご協力いただいている調査員より、12月24日及び25日にツシマヤマネコの映像を対馬市美津島町黒瀬で個人的に撮影したとの連絡があり、対馬野生生物保護センターにおいて、ツシマヤマネコであることが確認された。
なお、ツシマヤマネコの可能性のある糞も採取されており、現在、長崎県環境保健研究センターにDNA分析を依頼している。

2 過去の下島における調査の成果
 *下島においては、ヤマネコのものと思われる糞等の痕跡は、1990年代まで確認されていたが、平成17年度公表の生息状況調査では、確実な生息情報を得ることができなかった。平成19年3月に下島において自動撮影カメラ調査によって昭和59年以来23年ぶりに確実な生息が確認されてからの確実なヤマネコの生息情報は以下のとおりとなっている。



3 結果の評価
 今回の結果により、美津島町黒瀬においてツシマヤマネコが生息していることが改めて確認できた。今後、DNA分析の結果を踏まえ、関係行政機関、専門家等と協議し、追加の調査等について検討していく予定。



4 撮影されたツシマヤマネコ

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2011年12月26日ツシマヤマネコの死体収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

12月25日(日)、対馬市上県町佐須奈(さすな)の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  12月25日(日)午前6時過ぎ、対馬市上県町佐須奈の国道で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、そのままセンターに運び、午前8時半頃、センターでツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 メス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2,660g
(4)個体の状況 栄養状態良好。妊娠はしていなかった。
(5)死因 頭蓋骨の粉砕骨折による脳挫傷と失血と推定。道路上で発見された事から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で59件(52頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成23年11月7日であり、交通事故ゼロ記録は47日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。また、年度あたりの平均事故件数は3.6件ですが、今年度はすでに4件交通事故が発生しており、深刻な状況です。1頭でも多くの命を守るため、低速度での運転をよろしくお願いいたします。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

なお、交通事故地点は、投稿の一番右上にあります、緯度経度の位置となります。

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2011年12月16日ツシマヤマネコの保護・収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

平成23年12月15日(木)に対馬市上県町佐護(さご)において、ツシマヤマネコを保護したとの連絡があり、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)に保護・収容しました。

1 保護された経緯
  12月15日(木)午後9時ごろ、上県町佐護の民家の犬小屋にツシマヤマネコが逃げ込んだのを地域住民が発見し、ツシマヤマネコを守る会の山村辰美会長に連絡し、山村会長からセンター職員に連絡があった。その後、午後10時頃に、センター職員がツシマヤマネコをセンターに収容した。

2 個体の情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,710g
(4)全長 まだ計測を実施していない
(5)個体の状況 頭部に軽傷。
(6)FIV、FeLV検査 今後検査予定
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の予定
  疾病等の有無を検査中であり、それらの結果、問題なければ放獣することとしています。


保護・収容されたツシマヤマネコ

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2011年12月08日西海国立公園九十九島動植物園におけるツシマヤマネコの負傷について

ツシマヤマネコニュース 水崎

西海国立公園九十九島動植物園で飼育・展示しているツシマヤマネコ1頭が、隣室で飼育するアムールヤマネコによって、負傷するという事故が発生しました。

1.事故の概要
  西海国立公園九十九島動植物園で飼育・展示されているツシマヤマネコ1頭が隣室のアムールヤマネコとの闘争により負傷し、右前肢を断脚いたしました。
 詳細は以下の九十九島動植物園からの資料をご覧ください。

2.事故を受けた対応
  類似の事故が発生する恐れのある飼育施設がないか、全国のツシマヤマネコ飼育動物園に対し、早急な点検と報告を指示していると共に、対馬野生生物保護センターでも点検を実施したところです。

九十九島動植物園からの報道発表資料は以下の通りです。

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平成23年12月8日

報 道 各 位

西海国立公園九十九島動植物園 森きらら
園長 野村 成人


ツシマヤマネコの負傷について(お知らせ)


時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、動植物園関係事業につきましては、特段のご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、12月1日夕刻、国指定天然記念物であるツシマヤマネコの展示個体が、隣接して展示しているアムールヤマネコとの闘争により負傷したことから、当面、展示を中止しておりますので、お知らせいたします。
施設の構造的な問題に起因する事故と考えられることから、現在、展示施設及び飼育下繁殖施設の両施設において、運用面も含めて、徹底的な再確認を行っているところです。
今回、国民の財産ともいえるツシマヤマネコの負傷という事故が発生しましたことについて、深くお詫び申し上げますとともに、今後このような事故を起こすことがないよう、施設の改修も含めまして、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。

【発生現場】 長崎県佐世保市船越町2172番地
西海国立公園九十九島動植物園
ツシマヤマネコ展示舎内

【発生日時】 平成23年12月1日(木曜日) 14時から16時半頃(推定)
収容時16時50分頃に異常発見。

【負傷個体】 ツシマヤマネコ展示個体(№22、♂、7歳、愛称たから)

【事故概要】 ツシマヤマネコとアムールヤマネコの展示個体(♂、6歳、愛称りゅう)が闘争し、ツシマヤマネコの展示個体が負傷したもの。
右前腕部から掌部にかけて、重度の裂傷及び開放性骨折などが認められたため、手術により上腕部で断脚。

【施設概要】 以下のとおり

【事故原因】 負傷時の詳細については不明だが、発見後の現場確認により、両ヤマネコ展示場の隣接部分にあるドア下部のコンクリート基礎部分に、血痕など闘争痕跡があることから、ドア下部の隙間からネコが前足を伸ばすと、隣接する展示場のネコに届く状況だったためと推測される。










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2011年11月16日ツシマヤマネコ交通事故展開催について

ツシマヤマネコニュース 水崎

ツシマヤマネコの交通事故は、平成4年以降58件発生し51頭が死亡しています。今年度は10月に立て続けに2件、11月7日に1件発生しており、約1カ月の間に3頭のツシマヤマネコが死亡しています。交通事故の再発防止のために対馬野生生物保護センターにおいて交通事故展を開始しましたので、お知らせいたします。

Ⅰ 交通事故展の趣旨
 ツシマヤマネコの交通事故は、統計を取り始めた平成4年以降これまで58件発生しており、そのうち助かった個体はわずか7頭でした。
昨年度は、交通事故が起きるペースが例年より早かったため、非常事態宣言を出し、普及啓発を強化するなど、ツシマヤマネコの交通事故防止に努めてきましたが、今年度はすでに3件発生し、すべて死亡しています。
 また、最近ではシカやイノシシの個体数の増加に伴い、交通事故の危険性が高くなっており、これまでもシカとぶつかったと言った情報が寄せられています。他地域ではシカと衝突した車を運転していたドライバーが死亡したという事例もあります。
 今回開催する交通事故展では、ツシマヤマネコの交通事故の発生を防ぐとともに、野生動物との交通事故の危険性や防止策について知っていただくことを目的に開催します。

Ⅱ 交通事故展の内容
 ・交通事故の実態を知ってもらうパネル展示
 ・ぷち交通事故写真展開催(交通事故個体写真の公開)
 ・映像による交通事故防止の取り組みの紹介
(過去に放送した、つばきちゃんと一緒(ヤマネコ講座)等を放映します)

Ⅲ 開催期間
平成23年11月15日~12月15日


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2011年11月09日ツシマヤマネコの死体収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

11月7日(月)、対馬市上県町佐須奈(さすな)の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  11月7日(月)午後6時頃、対馬市上県町佐須奈の国道で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、センター職員に連絡があり、午後7時頃ツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,000g
(4)個体の状況 やせ気味。気胸、腹膜破裂が認められる
(5)死因 呼吸不全および腹膜破裂により死亡と推測。道路上で発見された事から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で58件(51頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成23年10月17日であり、交通事故ゼロ記録は20日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。11月はその他の月と比べ事故件数が大幅に増す時期です。また、年度あたりの平均事故件数は3.6件ですが、今年度はすでに3件交通事故が発生しており、深刻な状況です。1頭でも多くの命を守るため、低速度での運転をよろしくお願いいたします。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

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2011年10月20日ツシマヤマネコの死体収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

10月17日(月)、対馬市上県町佐護(さご)の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  10月17日(月)午後9時半頃、対馬市上県町佐護の国道で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、センター職員に連絡があり、午後9時40分頃ツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,610g
(4)個体の状況 栄養状態良好。頭蓋骨・肋骨骨折、胸腔内出血が認められる。
(5)死因 頭蓋骨骨折による脳挫傷または胸腔内血管破綻による失血死と推定。道路上で発見された事から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で57件(50頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成23年10月4日であり、交通事故ゼロ記録は12日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。また、今回事故に遭ったヤマネコは亜成獣にも関わらず体重が1600g以上と栄養状態が良い個体でした。そのような個体が失われることはヤマネコの個体群に大きな影響を与えます。これからの冬にかけて、このような亜成獣の事故は増える時期です。1頭でも多くの命を守るため、低速度での運転をよろしくお願いいたします。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

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