Tsushima Wildlife Conservation Center (TWCC)

対馬野生生物保護センター

ツシマヤマネコニュース

RSS

ツシマヤマネコニュース

183件の記事があります。

2011年10月17日動物園のツシマヤマネコ展

ツシマヤマネコニュース 山本

この秋、ツシマヤマネコを飼育する動物園ではツシマヤマネコ展が開催されます☆

センターからは、ヤマネコについてのパネルやぬいぐるみ、対馬市からはヤマネコ担当職員が出張します!

ぜひ遊びにいらして下さいね♪
(※イベントの内容は動物園によって異なります。詳細は各園にお問い合わせ下さい)



10月8-10日
富山市ファミリーパーク「移動ツシマヤマネコ展」※終了しました!

10月15・16日
井の頭自然文化園
「ヤマネコミニ講座」「ヤマネコへの手紙」「ヤマネコ先生に聞いてみよう」
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=ino&link_num=19853
※終了しました!

福岡市動物園
10月29日(土)
「ヤマネコガイド」「ヤマネコパネル展」「ヤマネコ映像展」
10月30日(日)
「ヤマネコガイド」「ヤマネコパネル展」
http://zoo.city.fukuoka.lg.jp/news/detail.php?id=311
終了しました!

盛岡市動物公園
10月27-11月29日「パネル展~ツシマヤマネコを知っていますか?~」
11月6日「ようこそ!ツシマヤマネコ」「ツシマヤマネコと対馬のお話」
http://www.h6.dion.ne.jp/~m-zoo/menu/menuset.html
終了しました!

東山動植物園
11月1日「ツシマヤマネコ公開式」 
11月1-13日「ツシマヤマネコ特別展」
11月12・13日「対馬の観光と物産フェア」
11月12日「スペシャルアニマルトーク」
http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/autumn_festival/2011/event/event_02.html
終了しました!

ページ先頭へ↑

2011年10月13日ツシマヤマネコの移動について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

 環境省では、ツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業計画(平成7年7月17日環境省及び農林水産省告示)を策定し、生息状況の把握、生息環境の維持・改善、飼育下での繁殖等の取組を進めています。
 同計画に基づく飼育下繁殖については、(社)日本動物園水族館協会の協力を得て福岡市動物園、井の頭自然文化園、よこはま動物園ズーラシア、富山市ファミリーパーク及び西海国立公園九十九島動植物園において飼育下繁殖事業を実施しているところです。
 今般、飼育下繁殖事業の一環として、盛岡市動物公園、名古屋市東山動物園、沖縄こども未来ゾーンで新規にツシマヤマネコを飼育、展示していただく事となりました。
 上記3園及び西海国立公園九十九島動植物園、福岡市動物園、富山市ファミリーパーク、対馬野生生物保護センターの間でツシマヤマネコの移動を行いますのでお知らせします。

1 ツシマヤマネコの保護増殖事業について
ツシマヤマネコは平成6年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称「種の保存法」)に基づく国内希少野生動植物種に指定され、平成7年に同法に基づく保護増殖事業計画(環境省及び農林水産省告示)を策定し、同計画に基づく生息状況の把握、生息環境の維持・改善、飼育下での繁殖等の保護の取組を進めている。

2 ツシマヤマネコ飼育下繁殖事業の経緯
環境省は保護増殖事業計画に基づき以下の目的で飼育下繁殖事業を実施している。
(1) 対馬の環境が改善し、生息地で安定して生息が可能になるまでの生息域外での種の保存
(2) 野生個体群の保護活動の補完(野生復帰など)
(3) 科学的データを収集、解析し、生息地でのヤマネコの保護対策への応用
(4) ツシマヤマネコの現状について全国的に普及啓発を行うことで、野生個体群保護の推進
○ツシマヤマネコの飼育下繁殖事業は、平成11年より福岡市動物園の協力を得て開始し、平成12年4月に初めて繁殖に成功している。
 また、平成18年11月から、災害や感染症の発生などに備えて分散飼育を行うこととし、井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアでツシマヤマネコの飼育を開始、平成19年11月より富山市ファミリーパーク、平成22年3月より西海国立公園九十九島動植物園においても個体の飼育を行っている。現在は、福岡市動物園で11頭、井の頭自然文化園で5頭、よこはま動物園ズーラシアで3頭、富山市ファミリーパークで4頭、西海国立公園九十九島動植物園で5頭、対馬野生生物保護センターで7頭、計35頭の個体を飼育下個体群維持のために飼育しており、各動物園ではこれまで43頭が誕生している(現在、成育は25頭)。
 なお、環境省では、遺伝的多様性を維持した持続可能な飼育下個体群を確立するために、最終目標として合計100頭程度の繁殖個体群を分散飼育で飼育することとしている。

3 移動スケジュール(予定)
  10月17日(月)
  No.10「ひなた」 2001年福岡市動物園生まれ。10才、メス。
  西海国立公園九十九島動植物園から名古屋市東山動物園に公開のため移動。
   
  10月18日(火)
  No.36 「ツッシー」 2005年福岡市動物園生まれ。6才、オス。
  富山市ファミリーパークから盛岡市動物公園に公開のため移動。
  
  10月27日(木)
  No.50「まる」 2009年福岡市動物園生まれ。2才、オス。
  福岡市動物園から西海国立公園九十九島動植物園に繁殖のため移動。
  
  11月11日(金)
  No.24 2004年福岡市動物園生まれ。7才、メス。
  No.37 2006年福岡市動物園生まれ。5才、オス。
  対馬野生生物保護センターから西海国立公園九十九島動植物園に繁殖のため移動。
  
  11月17日(木)
  No.40 2007年福岡市動物園生まれ。4才、オス
  対馬野生生物保護センターから沖縄こども未来ゾーンに公開のため移動。

 なお、移動スケジュールはツシマヤマネコの状態及び航空機の運航状況、道路状況等により、変更も考えられますのでご承知おきください。


No.10(西海国立公園九十九島動植物園提供)


No.24(対馬野生生物保護センター)


No.36(富山市ファミリーパーク提供)


No.37(対馬野生生物保護センター)


No.40(対馬野生生物保護センター)


No.50(福岡市動物園提供)

ページ先頭へ↑

2011年10月12日ツシマヤマネコの死体収容について

ツシマヤマネコニュース 水崎

対馬野生生物保護センター(以下、「センター」と呼びます)では、10月10日(月)、対馬市上県町佐護(さご)のセンター敷地内において死亡していたツシマヤマネコを収容しました。

1 収容された経緯
10月9日(日)夕方にセンター内で異臭がしたため、10月10日(月)朝にセンター職員がセンター周辺の見回りを行ったところ、10月10日(月)午前9時半頃、センター敷地内でツシマヤマネコの仔の死体を発見し、死体を収容しました。
なお、9月22日(木)にセンター敷地内でツシマヤマネコの親仔が目撃されており、自動撮影カメラを設置したところ、10月3日(月)までは親仔の写真が撮影されていました。10月3日以降は親だけが撮影されているため、今回の死体は自動撮影カメラで撮影されていた仔ヤマネコである可能性が高いと考えられます。

2 個体の情報
(1)性別 不明
(2)年齢 幼獣(今年夏生まれ)
(3)体重 870g
(4)個体の状況   腐敗し、ウジ虫に食われている。頚部に損傷が認めら
るが、ウジ虫に食われたためか、他の要因によるもの
かは不明。
(5)原因   不明。山口大学に病理解剖を、長崎県環境保健研究セン
ターに傷口周辺の組織のDNA分析を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV簡易検査  採血できなかったため実施していない
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 その他
一般的にツシマヤマネコは春に出産すると考えられていますが、これほど遅い時期にこれほど小さい仔ヤマネコが保護収容されたのは初めてです。今回の仔ヤマネコは体の大きさと保護の時期等から今年の夏に生まれたものと考えられます。



死体収容現場で撮影されたツシマヤマネコの親仔の写真(9月23日午前11時前に自動撮影カメラにより撮影)

ページ先頭へ↑

2011年10月06日ツシマヤマネコの死体収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

10月5日(水)、対馬市峰町三根(みね)の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  10月4日(火)午後11時半頃、対馬市峰町三根の国道(ゆくみ一号橋上)で死亡しているツシマヤマネコを対馬北警察署職員が発見し、センターに10月5日(水)午前8時半頃連絡があり、ツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,725g
(4)個体の状況 栄養状態良好。外見上大きな外傷はない。鼻腔より出血があり、レントゲンにより右肩甲骨及び右側肋骨に骨折が認められる。
(5)死因 胸腔内血管破綻による失血死と推定。道路上で発見された事及び複数箇所の骨折が認められたことから交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等

4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で56件(49頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成23年3月23日であり、交通事故ゼロ記録は194日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。また、今回事故に遭ったヤマネコは亜成獣にも関わらず体重が1700g以上と栄養状態が良い個体でした。そのような個体が失われることはヤマネコの個体群に大きな影響を与えます。これからの冬にかけて、このような亜成獣の事故は増える時期ですので、1頭でも多くの命を守るため、低速度での運転をよろしくお願いいたします。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

ページ先頭へ↑

2011年09月21日動物愛護週間イベント開催のお知らせ

ツシマヤマネコニュース 水崎

 動物愛護管理法では、9月20日から26日を動物愛護週間と定めています。環境省九州地方環境事務所では、対馬獣医師会、長崎県、対馬市と協力し、動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を深めていただくため、動物愛護週間イベントを開催いたしますのでお知らせいたします。

1.犬の飼い主検定
主催:環境省九州地方環境事務所
日時:平成23年9月24日(土)10~11時30分
場所:対馬市交流センター第3会議室
※検定の事前申し込みは締め切りました

2.動物愛護週間イベントわんにゃんフェスティバル2011
主催:対馬獣医師会、環境省九州地方環境事務所 共催:長崎県・対馬市
日時:平成23年9月24日(土)13~16時
場所:厳原体育館・清水が丘グラウンド
内容
・動物愛護絵画展 児童生徒から募集した動物愛護絵画の優秀作品を表彰、展示する。
・ヤマネコ講演会 西海国立公園九十九島動植物園と、対馬野生生物保護センターのツシマヤマネコ飼育担当者が飼育しているヤマネコについて語る。
・ふれあい動物園 担当者の指導の元、ウサギ・モルモット・ヘビと触れ合う。
・対州馬曳き馬  対馬市馬事公苑の対州馬による曳き馬体験。
・クイズ/スタンプラリーとオリジナルエコバッグづくり
         消しゴムハンコで自分だけのエコバッグをつくる。
・1日獣医さん/1日レンジャー 白衣やレンジャー服を着て記念撮影。
・ツシマヤマネコ、狂犬病、対馬のネコについてのパネル展示。
・イヌとネコの譲渡会(写真の掲示のみ)

ページ先頭へ↑

2011年08月18日保護したツシマヤマネコの放獣について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

平成22年10月4日(月)に対馬市上対馬町舟志(しゅうし)において保護されたツシマヤマネコについて、怪我が回復したことから、8月16日(火)19時過ぎ、保護された付近の山中に放獣しましたのでお知らせします。

1 保護されたツシマヤマネコの放獣
 平成22年10月4日(月)15時頃に上対馬町舟志において、衰弱したツシマヤマネコがいるとの情報が地域住民から対馬市役所を通じてセンターに連絡があり、その後、センター職員が保護し、同日17時頃センターに収容したツシマヤマネコについて、怪我が回復したことから、8月16日(火)19時過ぎ、保護された付近の山中に放獣しましたのでお知らせします。

2 個体の情報(保護収容時)
(1)性別  オス
(2)年齢  亜成獣(平成22年春生まれ)
(3)体重  約950g(放獣時は3,440g)
(4)個体の状況  痩せて、栄養不良の状態。尾に創傷が認められた
(5)FIV、FeLV検査  共に陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)


放獣したツシマヤマネコ

ページ先頭へ↑

2011年07月07日ツシマヤマネコの保護と死体収容について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

対馬野生生物保護センター(以下、「センター」と呼びます)では、7月4日(月)、対馬市上県町佐護(さご)においてツシマヤマネコを保護しましたが、5日(火)朝に死亡を確認いたしました。また、7月6日(水)、対馬市上県町鹿見(ししみ)において死亡していたツシマヤマネコを収容しました。

Ⅰ.7月4日に保護され、翌日朝死亡したツシマヤマネコについて
1 収容された経緯
7月4日(月)18時10分頃、地域住民から、上県地域活性化センターを経由して、上県町佐護でツシマヤマネコの仔を発見したとの連絡がセンターにありました。
対馬野生生物保護センター職員が現場に向かい、ツシマヤマネコを保護し、19時過ぎに対馬野生生物保護センターに収容し、治療を行いましたが、7月5日(火)午前6時15分ごろ、死亡を確認いたしました。

2 個体の情報
(1)性別 メス
(2)年齢 幼獣
(3)体重 445g
(4)個体の状況   削痩、衰弱、ハエウジ症
(5)原因   低栄養
(6)FIV、FeLV簡易検査  陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

Ⅱ.7月6日に死体を収容したツシマヤマネコについて
1 収容された経緯
7月6日(水)午前9時前、地域住民から、上県地域活性化センターを経由して、上県町鹿見でツシマヤマネコの仔の死体を発見したとの連絡がセンターにありました。
対馬野生生物保護センター職員が現場に向かい、死体を回収し、午前11時前に対馬野生生物保護センターに収容しました。

2 個体の情報
(1)性別 メス
(2)年齢 幼獣
(3)体重 360g(一部食害されているため参考)
(4)個体の状況   削痩、鼻出血
(5)原因   不明
(6)FIV、FeLV簡易検査  陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)


7月4日に保護した際の仔ヤマネコの写真です。

弱っているヤマネコやヤマネコの死体を見つけた方は、至急ヤマネコセンターまでご連絡ください!
ご協力よろしくお願いいたします。

ページ先頭へ↑

2011年06月13日保護したツシマヤマネコの放獣について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

平成22年1月2日(土)に対馬市上対馬町河内(かわち)において保護したツシマヤマネコについて、怪我が回復し、血液検査等の結果異常がなかったことから、6月8日(水)19時頃、保護された付近の山中に放獣しましたのでお知らせします。

1 保護されたツシマヤマネコの放獣
 平成22年1月2日(土)に対馬市上対馬町河内(かわち)において保護し、対馬野生生物保護センターに収容していたツシマヤマネコについて、怪我が回復し、血液検査の結果感染症など他に異常が認められないことから、6月8日(水)19時頃、保護された付近の山中に放獣しましたのでお知らせします。

2 個体の情報(保護収容時)
(1)性別  メス
(2)年齢  亜成獣(平成21年春生まれ)
(3)体重  1,250g(放獣時は2650g)
(4)個体の状況  脱水、栄養不良、咬傷、神経症状(瞬膜突出、ふらつきなど)
(5)FIV、FeLV検査  共に陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

なお、追跡調査を実施しておりますが、対馬市上対馬町河内の国道付近で行動しています。
 ドライバーの皆さまにはヤマネコに配慮した運転をお願い申し上げます。
 具体的な配慮事項は、以下のHPをご覧ください。
http://c-kyushu.env.go.jp/twcc/accident/index.html


ページ先頭へ↑

2011年05月18日ツシマヤマネコ死亡個体の死因究明結果について(お知らせ)

ツシマヤマネコニュース 水崎

平成22年12月24日に対馬市上県町佐護の国道で収容されたツシマヤマネコの死体について、国道上で発見された事から当初交通事故による死亡であるとして公表しましたが、現場及び死体の状況から死亡には交通事故以外の要因が関与していることが示唆されたため、死因の特定のための検査を行った結果、死亡個体の咬傷からイヌのDNAが検出されました。この結果、死因としてイヌによる攻撃が強く推測される結果となりましたので、お知らせいたします。
 平成4年以降、野犬や放し飼いのイヌによってかみ殺されたと推測されたツシマヤマネコの死体は、これまでにも5件収容され、ヤマネコの減少要因の一つと考えられています。
 今回の結果も受けて、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)では、長崎県ならびに対馬市と協力し、法令に基づくイヌの適正飼養(登録、けい留の義務)徹底のための普及啓発を全島的に行う予定です。


Ⅰ.死亡個体について
1 死体が収容された経緯
  平成22年12月24日(金)午前7時半頃、対馬市上県町佐護の国道で死亡しているツシマヤマネコをセンター職員が発見し、センターにツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 ♀
(2)年齢 成獣
(3)体重 1,980g
(4)個体の状況 栄養状態良好。経産。外傷はほとんどなかった。
(5)死因 イヌによる攻撃
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

Ⅱ.死因の究明の経緯について
平成22年12月24日に収容されたツシマヤマネコについては、国立環境研究所及び長崎県環境保健研究センターにおいて、個体に認められた創傷周囲組織のDNA検査を実施した。
 その結果、両検査機関でイヌのDNAが検出されたことから、病理解剖所見と合わせてツシマヤマネコの死因を交通事故でなく、イヌによる攻撃であることが強く推測されるものと判断した。

○発見当時の状況で、交通事故以外の要因が関与していると示唆された点
現場の状況
・回収後も頚部背側からの出血は続いていたが、路上に残された血痕が少なかった
死体の状況
・骨折が少ない
・右を下に倒れていたにも関わらず、右眼球が欠失し、周辺から発見されなかった(鳥につつかれたのなら、上側の左眼の方がつつきやすい)
・頚部背側に深い穿孔創があり、そこから出血が続いていた

○剖検所見で交通事故以外の要因が関与していると示唆された点
・頭蓋骨が無傷で環椎(第一頚椎)のみ骨折している(直接の死因は環椎骨折による脊髄の損傷)
・頚部背側の穿孔創
・穿孔創と環椎の骨折部位は位置が一致する

【検査の経過】
2010年12月24日 死体収容、外部計測等実施後、病理解剖のために山口大学へ送付
12月25日 山口大学で病理検査実施、概要報告
2011年 4月20日 国立環境研究所、長崎県環境保健研究センターへ創傷部位の
サンプル送付
    4月28日 県環境保健研究センターより分析結果報告(イヌDNA検出)
    5月 8日 国立環境研究所より分析結果報告(イヌDNA検出)

Ⅲ. 今後の対策について
 長崎県ならびに対馬市と協力し、狂犬病予防法及び対馬市犬取締条例に基づき、イヌの適正飼養(登録、けい留の義務)の徹底を図るため、以下の内容について対馬野生生物保護センターでの掲示や市の広報等による普及啓発を全島的に行う予定です。
  また、今回の事故が発生した佐護区では回覧による広報等、より重点的な対策を実施するよう検討しています。
・イヌの放し飼いは、対馬市の条例違反であり、人のみならず、イヌやネコなど市民の飼育するペット、ツシマヤマネコや野鳥などを殺傷する恐れがあること
・こうした事故を防ぐためにも、イヌを飼育する場合には必ず登録し、けい留すること

参考1 イヌによるツシマヤマネコへの被害状況
野犬や放し飼いのイヌによってかみ殺されたと考えられるツシマヤマネコの死体は、今回を除いて、平成4年以降5頭収容しています。内訳は、成獣が3頭、亜成獣が1頭、幼獣が1頭でした。
イヌに咬まれている所を目撃されたのが1件、咬み跡があったことからイヌによるものと推測したものが3件、DNA検査によってイヌによる咬傷であることが強く推測されたのは、今回が2件目です。

参考2 イヌの飼育について
 イヌを飼育する場合、飼い主には、狂犬病予防法により犬の登録と鑑札等の装着が義務づけられており、これに違反した場合は20万円以下の罰金が科されます。
また、対馬市犬取締条例により、飼い主にはイヌをけい留することが義務づけられており、これに違反し、かつ、人畜その他に被害を与えた犬の飼い主には2万円以下の罰金が科されます(警察犬、狩猟犬をその目的のために使用するとき等を除く)。


ページ先頭へ↑

2011年05月11日平成23年度対馬野生生物保護センター夏季実習生の募集について

ツシマヤマネコニュース 水崎

対馬野生生物保護センターは絶滅の危機に瀕するツシマヤマネコの保護増殖を目的として1997年に設置された施設です。センターは、ツシマヤマネコをはじめとする対馬の自然を伝え、その保護の重要性を訴えるための普及啓発の拠点、ツシマヤマネコなどの調査研究の拠点、保護行政の拠点(環境省対馬自然保護官事務所)の3つの機能を併せ持つ施設です。詳しい情報はホームページ(http://c-kyushu.env.go.jp/twcc/index.htm)をご覧下さい。
 この夏、センターでは、現場業務の体験や地域住民の方々との交流などを通じ、ツシマヤマネコをはじめとする野生生物保護について学ぶ学生実習を行います。実習はツシマヤマネコにまつわる現場業務の補助、自然保護官(レンジャー)やツシマヤマネコ保護関係者による講義等を設ける予定です。
 現場で自ら学び取る熱意のある方のご応募をお待ちしております。詳しくは以下をご参照下さい。

1.日程
前期:2011年8月2日(火)~ 8月11日(木)
後期:2011年8月16日(火)~ 8月25日(木)
※個人の都合による日程の調整(1日程度)は相談に応じます。

2.募集定員
前期後期各4名(合計8名)

3.募集対象
専門学校生、大学生、大学院生(*その他の方についても応相談)

4.主催及び実習施設
対馬野生生物保護センター

〒817-1603 長崎県対馬市上県町棹崎公園
TEL/FAX:0920-84-5577/5578(担当:杉山・一條)
E-mail:haruka_sugiyama@env.go.jp

5.必要経費・条件等
・交通費:自己負担
・宿泊費:100円/日(施設維持費として)
・食事代:センター付近に飲食店はなく、実習生間で相談をしながら買出・自炊してもらいます。
・島内での移動手段:レンタカー(レンタル料金:10日間で8,000円程度/人+ガソリン代)
・傷害保険:加入必須。各自学生生協等で加入するか、こちらで加入し実費(1,500円程度)を徴収します。
・基本的に研究室(指導教官)などの推薦状を提出して頂いた方の受け入れを行います。

6.応募規定
応募締め切りは、前期が6月21日(火)、後期が7月5日(火)です(郵送の場合必着)。
対馬野生生物保護センター担当者宛に、下記の必要事項を記入の上、メール・ファックス・郵便いずれかの方法でご応募下さい。応募多数の場合は選考の上、前期は6月24日(金)、後期は7月8日(金)までに応募者全員に選考結果を連絡し、事前資料を送付します。

 必要事項
①希望日程(前期・後期・どちらでも良い)
②氏名
③住所
④年齢(生年月日)
⑤性別
⑥自動車免許証の有無(オートマ限定か・ペーパーか否かも)
⑦連絡先電話番号(必ず本人に連絡のつく番号を記入してください)
⑧緊急時連絡先(実家、研究室など緊急時の連絡先)
⑨メールアドレス(PCのみ、携帯不可)
⑩所属(学校名・学部・学科・学年・研究室など)
⑪研究室の教授や指導教官などからの推薦状の提出が可能であるかどうか
(推薦状の添付は不要です)
⑫単位取得のための実習の場合、こちらから学校に提出が必要な書類等の有無。有ると答えた場合には、その書式、提出時期など。
⑬自己紹介(400字程度)
⑭この実習に参加したい理由(400字程度)
⑮実習経験の有無(有の場合はその実習内容)
⑯今回の実習の情報をどこで知ったか

※参加の可否のお知らせは、記載されたメールアドレスか本人への直接電話連絡のみとさせていただきます。
※都合により参加を見合わせる場合は速やかに実習開始の3日前(前期:7月30日(土)、後期:8月13日(土))までにご連絡ください。

7.実習で学ぶ主な内容(予定)
(1)飼育管理
飼育管理業務を体験し、個体の健康や衛生管理、感染症問題、飼育下繁殖の意義などを学びます。
・ツシマヤマネコの飼育管理
・餌動物(ネズミ)の世話、餌の準備
(2)普及啓発
普及啓発業務を体験し、野生生物保護のインタープリテーションの手法を学びます。
・ビジターセンターでの来館者対応、普及啓発物の作成
・野外での自然観察会、ヤマネコ教室等のサポート
(3)調査研究
調査研究業務を体験し、現場で求められる調査手法や調査視点を学びます。
・ツシマヤマネコの追跡調査
・ツシマヤマネコの痕跡調査、自動撮影調査
・交通事故現場モリタニング調査
(4)地域との連携
ヤマネコ保護に関わる多くの方々と交流し、分野横断的な取組み・地域連携の重要性を学びます。
・ボランティア団体、NPO等との交流
・対馬市、長崎県ヤマネコ担当職員との交流
・ツシマヤマネコと共生する地域社会づくりについて(住民との対話協働作業)
(5)講義
 ・ツシマヤマネコ保護の全体像について
 ・シマヤマネコ生息状況調査について
 ・環境教育、普及啓発活動について
 ・交通事故対策について
 ・生息環境の保全について
 ・イエネコ対策について
(6)その他
様々なセンターの日常業務(掃除、草刈りなどの作業も含む)

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ