奄美群島の昆虫

奄美群島は、かつて沖縄諸島と一体となって琉球列島の中でも早い時代に周囲から孤立し、その後さらに沖縄諸島とも分離して、独自の歴史をたどりました。

そして現在、奄美には沖縄のどの山よりも高い湯湾岳(奄美大島)や井之川岳(徳之島)をはじめとする山々があり、沖縄本島北部のやんばるの森や西表島に勝るとも劣らない豊かな森が残っています。

そうした島の成り立ちや環境を反映して、沖縄とよく似た昆虫相を持ちつつも、奄美独特の個性的な昆虫たちも多く住んでいます。さらに、夏の台風や黒潮の影響で、内地では見られない熱帯性の虫たちも生息しています。しかし昆虫相の調査は不十分で、今でも新種や奄美初記録の種の発見が相次いでいます。

※昆虫相:ある地域に住む昆虫の種類構成

フェリエベニボシカミキリ

フェリエベニボシカミキリ(吉川明宏氏 撮影)写真

フェリエベニボシカミキリ(吉川明宏氏 撮影)

奄美大島の固有種で、成虫は梅雨の半ばころから姿を現し1ヶ月ほど見かけます。雄は昼過ぎにスダジイなどの太い立ち枯れ木に飛来し、樹幹にとまって雌がやってくるのを待っています。雌を見つけるとすぐにその背に乗って、他の雄からガードします。雄同士が出会うと互いに咬みあうケンカになりますが、たいてい体の小さいほうが逃げ出します。八重山諸島から台湾には近縁種のベニボシカミキリが生息しています。

オキナワカラスアゲハ

オキナワカラスアゲハ・メス(山室一樹氏 撮影)写真

オキナワカラスアゲハ・メス(山室一樹氏 撮影)

オキナワカラスアゲハ・オス(山室一樹氏 撮影)写真

オキナワカラスアゲハ・オス(山室一樹氏 撮影)

中琉球の固有種で、奄美亜種は奄美大島から徳之島にかけて分布しています。奄美大島では3月から10月頃まで、年に4回発生するようです。発生の時期には花に来る姿をどこでも見かけ、雄はしばしば水溜り近くで吸水しています。幼虫はカラスザンショウやハマセンダンの葉を食べます。琉球列島にはほかに、大隅諸島にミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハ(トカラ亜種)、ヤエヤマカラスアゲハ(八重山の固有種)が生息しています。

ケブカコフキコガネとオキナワシロスジコガネ

オキナワシロスジコガネ(吉川明宏氏 撮影)写真

オキナワシロスジコガネ(吉川明宏氏 撮影)

ケブカコフキコガネ(吉川明宏氏 撮影)写真

ケブカコフキコガネ(吉川明宏氏 撮影)

ケブカコフキコガネは一属一種の中琉球固有種。成虫が冬に発生するという特異な生態をしています。奄美からは今のところ大島のほか喜界島と徳之島から知られ、奄美群島のものは奄美亜種とされます。奄美群島では2月頃の暖かい夜に活動し、雄は活発に飛翔して光に集まります。成虫は食物を摂らないようです。オキナワシロスジコガネは他の多くのコガネムシ同様、梅雨の前後に現われ、雄も雌も光に集まります。やはり中琉球の固有種です。

多様な奄美のクワガタムシ

アマミマルバネクワガタ(石川拓哉氏 撮影)写真

アマミマルバネクワガタ

アマミミヤマクワガタ(渡邊環氏 撮影)写真

アマミミヤマクワガタ

スジブトヒラタクワガタ(渡邉環氏 撮影)写真

スジブトヒラタクワガタ

アマミシカクワガタ(山室一樹氏 撮影)写真

アマミシカクワガタ(山室一樹氏 撮影)

アマミミヤマクワガタは奄美大島の固有種で8月に現れます。アマミマルバネクワガタは奄美大島と徳之島に固有でその亜種ウケシママルバネクワガタは請島の固有亜種。8月下旬から現れます。アマミシカクワガタとスジブトヒラタクワガタも奄美大島から徳之島の固有種です。アマミノコギリクワガタ(トカラ~宮古の固有種)、アマミコクワガタ(奄美・琉球固有種)、ヒラタクワガタは、奄美群島内で島ごとに亜種に分化しています。

環境省
奄美野生生物保護センター

郵便番号 894-3104
鹿児島県大島郡大和村思勝字腰ノ畑551

電話: 0997-55-8620
FAX: 0997-55-8621

【開館時間】
     9:30 ~ 16:30

【休館日】 
     毎週月曜日(祝日をのぞく)
     年末年始(12月29日~1月4日)

【入館料】
     無料