外来種対策

奄美群島の外来種

奄美群島には、ノイヌやノネコ、ノヤギ、ニホンイタチ、シロアゴガエル、カダヤシ、オオキンケイギク、ボタンウキクサなど多くの外来種が侵入・定着し、奄美群島の本来の生態系への悪影響が懸念されています。

一度定着してしまった外来種を排除することは、とても大変な作業です。私たちひとりひとりが外来種のもたらず悪影響をしっかりと把握し、外来種をこれ以上増やさないために気をつけることが必要です。

マングース(外来種対策-マングースへ)マングースのシルエット

ノイヌ(外来種対策-ノイヌへ)ノイヌのシルエット

ノネコ(外来種対策-ノネコへ)ノネコのシルエット

マングース

フイリマングース Herpestes auropunctatus

フイリマングース(Herpestes auropunctatus)

マングースの侵入と被害

外来生物法の「特定外来生物」に指定されているフイリマングースは、もともと南アジアに広く生息する哺乳類ですが、1910年、ハブなどの駆除を目的としてインドから沖縄島に導入されました。奄美大島には、1979年に沖縄島から運ばれた数十頭が放されたとされています。

しかし、当初の想定とは異なりマングースはハブの天敵とはならず、代わりにアマミノクロウサギやアマミイシカワガエルなど奄美大島に生息する多くの動物を捕食することになってしまいました。マングースは分布域を広げ、ピーク時には10,000頭まで増えたと推定されています。

リュウキュウアオヘビをくわえるマングース写真

リュウキュウアオヘビをくわえるマングース

マングースの導入経路図

マングース導入経路図

奄美大島マングース防除事業

環境省は、2000年に奄美大島で本格的なマングース駆除に着手し、2005年からは「奄美大島からのマングースの完全排除」を目標に、外来生物法に基づく防除事業を進めています。この事業の中心を担うのが「奄美マングースバスターズ」です。

山中に計画的に設置された30,000個を超えるマングース捕獲わなの点検、自動撮影カメラによるマングース生息情報の収集、マングース探索犬によるきめ細かな探索、新しいわなの開発など、組織的な防除を進めています。

カゴわな写真

カゴわな

筒わな写真

筒わな

わなの点検風景写真

わなの点検風景

自動撮影カメラ写真

自動撮影カメラ

自動撮影された画像写真

自動撮影された画像

マングースの対策年表

マングース対策年表

奄美マングースバスターズ

2005年のマングース防除事業の開始と同時に結成された、マングース捕獲のための専門チームです。結成時12名だったメンバーは、現在では40名を超えています。

時に豪雨にうたれ、ハブと遭遇しつつも、奄美大島の自然をよみがえらせる熱意を持ち日々森に入っていくプロ集団です。

マングースを目撃したら、奄美マングースバスターズ(TEL:0997-58-4013)にご一報ください。

奄美マングースバスターズ写真

バスターズカー写真

バスターズカー

マングース探索犬

マングース探索犬は、ハンドラーと呼ばれる訓練士(奄美マングースバスターズのメンバー)とともに森に入り、マングースの臭いや糞を探索します。奄美大島ではマングースを探して穴などに追い込む生体探索犬と、マングースの糞を探してマングースがいるかどうかを調べる糞探索犬がいます。探索犬は、マングースが少なくなった中での効果的な捕獲や、マングースの根絶に向けてマングースがいないことを確かめるために大きく貢献しています。

探索犬とハンドラーによる探索写真

探索犬とハンドラーによる探索

マングース防除事業の成果

マングース防除事業による、組織的かつ日々の根気強い取組が実を結び、マングースは年々減少を続け、完全排除に向け着実な成果が現れています。

マングースの捕獲状況

マングースの捕獲数、マングースの生息密度の指標となるCPUE(1000わな日あたりの捕獲数)は年々減少しています。

マングースの捕獲数・捕獲努力の経年変化(わな)図

マングースの捕獲数・捕獲努力の経年変化(わな)

CPUE(1000わな日あたりの捕獲数)の経年変化図

CPUE(1000わな日あたりの捕獲数)の経年変化

マングース捕獲数の経年変化(探索犬)図

マングース捕獲数の経年変化(探索犬)

マングース捕獲地点の経年変化

H18年度図

H18年度

H20年度図

H20年度

H22年度図

H22年度

H24年度図

H24年度

在来種の回復

マングース防除事業の成果により、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、カエル類など在来種の回復が確認されるようになりました。

アマミトゲネズミ

個体数の増加、分布域の拡大が確認されています。

アマミトゲネズミ写真

アマミトゲネズミ(常田守氏 撮影)

カエル類

アマミイシカワガエル、オットンガエル、アマミハナサキガエルといった固有のカエル類も、研究者の調査によって分布域の拡大などが確認されています。

アマミイシカワガエル写真

アマミイシカワガエル

アマミハナサキガエル写真

アマミハナサキガエル

マングースの完全排除に向けて

奄美大島のマングース防除事業では、2005年に策定した防除実施計画に基づき、捕獲作業などを進めてきました。この事業によって、マングースの低密度化を達成するとともに、マングース防除のための各種データや知見が蓄積されるなど、完全排除への道筋がより明確に見えてきました。

このような成果などを踏まえ、2013年に第2期防除実施計画を策定しました。今後はこの計画に基づき、「2022年度までの奄美大島からのマングースの完全排除」に向けて、奄美マングースバスターズを中心とした組織的かつ計画的な防除を進めています。

奄美大島ほど大きな島でのマングースの完全排除という快挙は世界的にも例がなく、奄美大島のマングース防除事業は、先進的なチャレンジとして国際的にも注目されています。完全排除までの道のりは険しいですが、奄美大島の森が、本来の生きものたちで賑わうときを目指して奄美マングースバスターズや関係者とともに一歩一歩、着実に取組を進めていきます。

奄美大島の山中写真

奄美大島の山中

第2期マングース防除実施計画

目標:奄美大島に生息するアマミノクロウサギやアマミヤマシギなどの在来種の生息状況の回復を図るためにマングースの防除を行い、マングースの一層の低密度化及び局所的な排除を進め、最終的に奄美大島からマングースを完全に排除する。

防除の体制:わなによる捕獲やモニタリング等の作業は、奄美マングースバスターズを中心とした組織的な体制を確保した上で、計画的に行う。 また、マングース探索犬を確保し、ハンドラーとともに育成を図りつつ探索作業を行う。

防除の方針

  • 1.地形状況などを踏まえ、奄美大島を60km2程度の面積で区分する。
  • 2.マングースの分布域北端に「重点区域」を設定し、この区域内のマングースの排除に向け、集中的な捕獲作業等を行う。
  • 3.マングースが残存する可能性が低い区域は「モニタリング区域」に移行し、マングースの残存個体の有無を確認するための作業を行う。
  • 4.「重点区域」が「モニタリング区域」に移行した段階で、南側に新たな「重点区域」を設定する。
  • 5.「重点区域」設定前の区域は「低密度化区域」として、マングースの一層の低密度化を進めるための捕獲作業などを行う。

以上の作業を進めることにより、分布域北端から順次マングースを排除した区域を拡大させ、最終的には分布域南端において奄美大島からの完全排除を達成する。

防除実施地域

フイリマングース防除実施作業区域図

フイリマングース防除実施作業区域

奄美大島マングース防除事業検討会

奄美諸島の外来種

奄美諸島には、マングース、ノイヌやノネコ、ノヤギ、ニホンニタチ、シロアゴガエル、カダヤシ、ツルヒヨドリ、オオキンケイギク、ボタンウキクサなど多くの外来種が侵入・定着し、奄美諸島の本来の生態系への悪影響が懸念されています。

一度定着してしまった外来種を排除することは、とても大変な作業です。私たちひとりひとりが外来種のもたらす悪影響をしっかりと把握し、外来種をこれ以上増やさないために気をつけることが必要です。

【写真】各種外来種、外来種の駆除作業

ノイヌ、ノネコ対策

奄美大島や徳之島では、人家から離れた山の中で野生化した犬や猫(ノイヌ・ノネコ)が多く確認されています。さらに、ノイヌやノネコがアマミノクロウサギやケナガネズミなどの在来動物を襲う被害が発生し、大きな問題となっています。ノイヌやノネコは元々人間が飼っていた動物が逃げたり捨てられたりすることが原因で発生します。犬や猫を飼うときはマイクロチップの装着や不妊・去勢手術をすること、逃げ出さないようにしっかり飼うことも飼い主としての重要な責任です。動物は最後まで愛情と責任を持って飼いましょう。

【写真】同じ自動撮影カメラで撮影されたアマミノクロウサギとノイヌ

同じ自動撮影カメラで撮影されたアマミノクロウサギとノイヌ1

下写真と同所の自動撮影カメラで撮影されたアマミノクロウサギ

同じ自動撮影カメラで撮影されたアマミノクロウサギとノイヌ2

下写真と同所の自動撮影カメラで撮影されたノイヌ

ノイヌに襲われたアマミノクロウサギ(徳之島)写真

ノイヌに襲われたアマミノクロウサギ(徳之島)

アマミノクロウサギをくわえるノネコ写真

アマミノクロウサギをくわえるノネコ

奄美大島におけるノネコ管理計画

奄美大島の生態系保全を目的に環境省・鹿児島県・奄美大島5市町村が共同で「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」を平成30年3月に策定し、連携して対策に取り組んでいます。また奄美大島5市町村で構成する「奄美大島ねこ対策協議会」では、計画に基づき環境省が捕獲した猫の譲渡を希望する飼い主を募集しています。

奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(PDF形式)

奄美大島における生態系保全のため捕獲したノネコ譲渡希望者の募集について

環境省
奄美野生生物保護センター

郵便番号 894-3104
鹿児島県大島郡大和村思勝字腰ノ畑551

電話: 0997-55-8620
FAX: 0997-55-8621

【開館時間】
     9:30 ~ 16:30

【休館日】 
     毎週月曜日(祝日をのぞく)
     年末年始(12月29日~1月4日)

【入館料】
     無料