母をうしない、山中に取り残されたツシマヤマネコの仔猫「マルコ」の物語。
2000年7月7日、仔ネコのお母さんが死んでいるのが発見されました。電波発信機を装着して調査をしていたので、その年の4月に仔ネコを産んでいたことがわかっていました。
7月7日では、産まれて約2ヶ月半、自立できるかどうか心配です。そこで、急いで仔ネコを捜索することにしました。捜索する方法は、山の中を歩いたり、じっと待っていて現れるのを待ったり、夜は車でゆっくり走ったり。その他、給餌と自動撮影を数カ所仕掛けました。
探し始めて2日目の夜、車で捜索中に発見。よかった。ひとまず元気な様子でした。
その後もまた心配なことが・・・。
毎晩カメラに姿を見せていたのに、突然1週間も姿が消えました。何かあったのでしょうか。事故にあったのか、野良犬に襲われてしまったのか・・。心配ですが、できることはありません。
1週間後。戻ってきました。あぁ、よかった。でもこれで、1週間給餌に頼らなくても元気で生きていけることがわかりました。立派に独り立ちしています。安心して、捜索とモニターを終えました。
センターでは、捕獲したり保護されたりした個体には番号を付けます。でもこの仔ネコはオスかメスかもわからず、番号がつけられません。そこで、「母をさがして三千里」から、通称でマルコと呼んでいました。何かと心配をかけたマルコでしたが、今は立派な大人のヤマネコになってくれていることでしょう。
参考:とらやま14号1ページ「死体発見・・・そして仔ネコ捜索」