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対馬野生生物保護センター

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ブリちゃん

お正月のブリに釣られたヤマネコ

2009年12月31日、上対馬町河内の民家の庭先でお正月用の「ブリ」を干していたところ、なんとツシマヤマネコがぶら下がっているのを住民の方が発見!!
当時の写真がこちら(発見者が携帯電話のカメラで撮影したもの)。


ブリちゃん

よーく狙って…                  とうッ!!

ブリちゃん

どうしても食べたい…!

その後1時間ほど粘っていたそうです。
自分の身丈の倍以上もある獲物を狙うなんて・・・なんと志の高いヤマネコでしょう。

ブリは7キロもある大物。物干し竿に吊されていたので地上からは1m弱ほどの高さにあり、このヤマネコは30秒ほどぶら下がってカマの部分をかじる行動を数回繰り返し、逃げたとのこと。

後日談では、そのお宅の方はそんなヤマネコに驚きつつも、このヤマネコの跳躍力にあやかり「ツシマが飛躍する年になれば」と笑顔で新年に期待を込めていたとのことです。

「ブリ事件のヤマネコの正体はいかに・・・!?」
そうして年は明けて2010年を迎えます。
対馬野生生物保護センターは1月2日、ヤマネコがブリに食いついたお宅付近で、イエネコに押さえつけられていたヤマネコがいると連絡を受け、保護。
※これまでイエネコとヤマネコの間で闘争が起こっているのではと予想されていましたが、実際の現場を押さえたのは、ヤマネコセンター開所以来、初めてのことでした。

ブリちゃん

発見現場の船着場。イエネコも複数暮らしている。


ブリちゃん

保護直後のヤマネコ。


保護されたヤマネコはまだ1才になっていない若いメスで、衰弱していました。
あの大晦日に「ブリにぶら下がっていたヤマネコ」と同じ個体かは不明ですが、そんなエピソードを踏まえてこのメスには「ブリちゃん」というニックネームがつきました(^^)

ブリちゃんはその後、ヤマネコセンターにて治療を受け、生きたネズミなどを捕まえる訓練を経て、翌年の6月に野生に帰りました。