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とらやまの森第10号 |
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対馬野生生物センターの活動から |
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自動撮影によるツシマヤマネコの生息状況調査開始長崎県では、ツシマヤマネコの生息状況把握のため1989年からモ二タリング調査を行っています。現在は自動撮影装置を使用し、ヤマネコを撮影して分布域を確認する調査を実施しています。本年度は対馬全島にわたって27ポイントに装置を設置し、7月28日から開始しました。この調査では、調査員として地元の方々に協力をお願いしており、当センター職員はそのサポートをしています。9月1日の時点で回収されたフィルムには、ヤマネコが数枚撮影されており、これから先もたくさんのヤマネコが写ってくれる事を期待します。 仔ネコのポストカードの配布仔ネコのポストカードの配布前号でもお伝えしたとおり、普及啓発活動の一環として長崎県が仔ネコのポストカード2種類を制作しました。現在当センターだけでなく、福岡市動物園などでも配布しています。また島内の全小中学校の児童生徒の皆さんにも配布をお願いしました。ご希望の方はご来館の際にお知らせ下さい。 センターで飼育中のヤマネコが2年目を迎えました当センターで1998年から隔離飼育されているツシマヤマネコ(オス成獣)が、10月9日で来館2年目を迎えます。このヤマネコは人工繁殖事業のために1996年12月に捕獲されましたが、検査を行った結果、猫免疫不全ウィルス(FIV)と猫コロナウィルス(FCoV)に感染していたため、鹿児島大学農学部の動物病院に入院していました。その後当センターに隔離飼育設備が整ったため、1998年10月9日にふるさと対馬に戻ってきました。ウィルスキャリア(感染個体)ではありますが、発症もなく元気に過ごしています。これらのウィルスはイエネコから感染したと考えられ、イエネコでは普通に見られるものです。しかし、野生のヤマネコにとっては未知の病であり、現在有効な治療法の見つかっていないものです。従ってヤマネコとの接触の可能性のあるようなイエネコの放置は、ヤマネコの絶滅への引き金にもなりかねません。ヤマネコのためにも、捨てネコをしない・ノラネコのエサとなるような生ゴミを放置しない等といったことに気を付け、ノラネコを増やさないようにしたいものです。 ロードキル防止キャンペーン実施(9/21~30) 今年も各警察署や交通安全協会の協力のもと、秋の交通安全運動期間中に、ツシマヤマネコのロードキル防止キャンペーンを行いました。 ヤマネコのロードキル死体発見相次ぐ 前号発行以降9月末までの間にツシマヤマネコの死体が4体発見されました。いずれも死因はロードキル(交通事故)と思われ足・首の骨・頭骨などを骨折していました。これで今年のヤマネコのロードキル死体の発見は6体になります。この6体という数字は1990年からの統計(1990年と1991年は0頭)では過去最悪です。 左の地図は1992年から2000年9月末までのヤマネコのロードキル死体発見場所を地図に記入したものです。「うちの近くだわ」とか「通勤に使ってる道だなあ」と思う方もいらっしゃると思います。これからの季節は今年の春生まれのヤマネコが親元から独立分散していく時期です。それだけに、車に不慣れな若い個体が道路を横断する機会も増えると思われます。この地図にのっている場所はもちろん林の近くを通る道路などはスピードを落とし安全運転を心がけてほしいと思います。 この11年間、ロードキルにより発見されたツシマヤマネコは17頭。そして推定生息数は---わずか80頭程度。 夜間、光るものには注意して下さい。動物の目かもしれません。 森の中を走っている道路では、特に注意して下さい。 皆様の安全運転をお願いします。 <MIT・Ask> |
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