対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第8号

 

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ヤマネコの保護とは何か


ツシマヤマネコを守る会会長
山村辰美

 昨年5月4日、会報を担当していた馬田氏と会員で福岡県篠栗の吉村さんが、やってきた。
 夕方ヤマネコの給餌に案内し、この時初めて11年最初の子供が出てきた。馬田氏が来るという事で家内の妹夫妻も来ていたが、話も弾み酒も美味かった。2匹目が出たのは、24日だった。その後も給餌を続けていたが11月13日、東京から会員の土屋さんと佐野さんが来られた。
 早速夕方案内すると3匹のヤマネコが出た。1匹は成獣で2匹は何時も出ている子供。初めて見ても幼さがあり子供とわかる。観察しながら小さい方が雌だろうと話した。地元会員も家に呼んでいたので暫らくして帰りヤマネコの話で盛り上がった。翌日も夕方観察に行ったが、すぐ出るヤマネコが出ない。こんなはずはないと心の中で思いながら土屋さん達にすぐに出ない事もあると納得させ帰った。翌日一人行ったが、1匹だけしか出ない。その後も小さな雌が現われず12月1日夜も暫らく待っていたが出ないので帰ろうとユーターンした時、ヤブの中に光る物が目に止まった。心配していた子供はキラキラに光る首輪をしっかり巻き付けられ、張りのない顔をしていた。家に帰ると東京から土屋さんが、雌の子供が出てない事を知っているので心配し電話をかけてきた。事情を説明したが、がっかりされた。

首輪型電波発信機を付けられたメスのツシマヤマネコ

[首輪型電波発信機を付けられたメスのツシマヤマネコ(1999年11月27日17:20撮影)
対馬野生生物保護センターの自動撮影調査記録から]


 一言環境庁に言わせてもらえば、配慮が足りない。現場の者がヤマネコを只の道具としか考えてない。子供は2月頃までは太るので、首輪は窮屈になるだろう。首輪も派手でブラジルのカーニバルと勘違いしている。ヤマネコは保護色でなければならない事は、彼らが一番知っているはず。ヤマネコに愛情が有れば、こんな事はしないだろう。対馬は鹿の被害が多く、海の中以上にアミが張られていて、首輪が有ればそれだけ危険も伴う。猟犬、ネコ、ヤマネコも実際にかかっている。これらは人目に付かなければ死に至る。首輪の影響大きいと猟師の人は言う。その為に山に放す時は、取ってやる猟師の方もいる。
 確かに、調査研究の為に発信機を付けるのは大事です。2匹か3匹に付けるなら何も言う事は無い。しかし70匹から90匹と言われるヤマネコに、今までも多く付けられ平成10年、琉球大学だけでも5匹のヤマネコにも首輪を付けています。これらは大学生の卒論用にも利用されているのですが、別に環境庁でも発信機を付けています。上対馬町の小鹿では、発信機を付けられたヤマネコが死んでいたそうですが、首がすり切れていたと言う報告も実際に有っています。電池が無くなったヤマネコの首輪も殆ど外してなく、やりっぱなしです。
 皆さんこれが本当に保護する者の考える事でしょうか?


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