対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第5号

 

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ツシマヤマネコQ&A


 来館者の方々から、ツシマヤマネコ(ヤマネコ)に関する質問をたくさんいただいています。その中から、対馬野生生物保護センターの方でいくつかをピックアップして答えるコーナーです。

Q.ツシマヤマネコは、対馬全体でどのくらいいるのですか?

A. 最新の調査(環境庁・長崎県:1997)によると、対馬全体で約70~90頭と推定されています。
これは、痕跡調査やアンケート調査で生息情報があるか生息が推定される地域の面積に、生態調査で得られた生息密度を掛けて求めた推定値です。1970年以前には全島で約300頭という推定値がありますから、やはり個体数は減っているようです。

Q.ウィルスに感染して現在センターで飼育しているツシマヤマネコは、この先自然の森に帰ることができるのでしょうか?

A. センターで隔離飼育しているオス(No.2)は、FIV(通称ネコエイズウィルス)とFIPV(ネコ伝染性腹膜炎ウィルス)という2種類のイエネコ由来のウィルスに感染しています。これらのウィルスによる病気は現在のところ有効な治療方法がありません。FIVは人間のHIVと同じように血液や精液を介さなければ感染しませんので比較的安全ですが、腹膜炎は致死率が高いうえFIPVはフンを介しても感染するので他個体のフンに興味を持つ野生ネコにはすぐに病気が広がってしまう危険性があります。ですからNo.2の飼育には、発症しないように細心の注意を払っていますが、他の野生のツシマヤマネコのことを考えると自然に帰すことは残念ながらできません。

Q.イエネコは冬こたつの中など暖かい所を好むようですが、ツシマヤマネコは冬にはどのようにして寒さをしのいでいるのですか?

A. ツシマヤマネコは他の野生哺乳類と同じように冬には毛がフサフサに長くなり、ウールのセー夕ーを着ているような状態になるので、心配するほど寒くないと思います。でも冬の海からの冷たい北西風が吹き付けるような日は、風の当たらないところてじっとしているかも知れません。

Q. ツシマテンが道を横切るのは時々見かけますが、ツシマヤマネコは1度も見たことがありません。テンとヤマネコでは、生息数にどのくらいの差があるのですか?

A. テンの生息数については調査がありませんので正確にはわかりませんが、ヤマネコよりはかなり個体数が多いと思います。また、それぞれの種では性格が異なり、対馬のテシはあまり人目を気にしないのに対してヤマネコはすごく用心深いために、結果としてテンの目撃例が多くなるのかも知れません。

Q. ツシマヤマネコが怪我しているのを見つけたら、どこにどのようにして違絡したらよいのでしようか?

A. 全ての緊急情報は対馬野生生物保護センターに電話(0920-84-5577)して下さい。職員は夜中でもセンターにいることもありますが、いない時は必ず留守番電話をセットしてありますので、メッセージと連絡先を残しておいて下さい。時々外から留守電の内容をチェックしています。


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