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平成15年12月9日、対馬野生生物保護センターでツシマヤマネコの一般公開が始まりました。
前日の8日には、来賓・関係者を招いての一般公開セレモニーが行われ、佐護小学校の生徒のみなさんが自分達の言葉でツシマヤマネコと環境保護を訴えるアピールを行ってくれました。
センターのレクチャールームで開催されたセレモニーの様子です。佐護小学校の子ども達や、環境省関係者、地元の関係者、マスコミ各社などが参加しました。
まずは九州地区自然保護事務所の新井所長の挨拶から。
九州地区自然保護事務所は環境省自然環境局の出先機関として設置されている11の自然保護事務所のうちのひとつで、九州地方を統括・担当しています。
九州地区自然保護事務所ホームページ
http://www.sizenken.biodic.go.jp/park/cgi-bin/page_of.cgi?office=kyushu
続いて、対馬野生生物保護センターが設置されている対馬・上県町の廣田貞勝町長からご挨拶をいただきました。
長崎県の出先機関である対馬支庁の中村法道対馬支庁長からもご挨拶をいただきました。
来賓のみなさまからいただいた式辞・ご挨拶の内容は[こちら]
佐護小学校のみなさんからのメッセージ
「ツシマヤマネコを増やすために」(全員)
・ツシマヤマネコは対馬が朝鮮半島から分かれた2万年くらい昔から対馬で暮らしていて、人間ともずっと共存してきました。(島居春彦くん)
・でも、今、ツシマヤマネコは90頭以下しかいなくなってしまいました。(原大輔くん)
・わたしたちにとって、ツシマヤマネコは同じ島に棲んでいる大切な野生動物です。(江藤芙美さん)
・すごく身近にいるけれど、めったに会うことができません。(小宮貴大くん)
・僕たち6年生は5年生のときから2年間ツシマヤマネコについて調べています。その中で僕はツシマヤマネコにとっていい環境をしらべようと思ったことはありませんでした。どんな環境が必要かということよりも、ヤマネコ自体に興味を持っていたからです。環境といっても山を残すだけだと僕は思っていました。(大石将人くん)
・でも、センターでのヤマネコ教室やツシマヤマネコのために作った木庭作での芋掘り体験を通して、人間にもヤマネコにもいい環境があることを知りました。それが佐護に住んでいる神宮正芳さんの農場です。(鮎川友樹くん)
・センターと神宮さんはヤマネコのエサになる動物を増やすために木庭作を作りました。(佐々木尊美さん)
・木庭作とは、対馬の山の中で昔から行われてきた焼畑農業で、木庭作がたくさんされていたころには、ヤマネコの好きなネズミももっとたくさんいたそうです。(平山優子さん)
・芋掘りをしながら神宮さんは「小さい虫は悪いことはしません。人間と動物と植物はお互い助け合って生きていかなければなりません。」とお話してくれました。(島居まみさん)
・神宮さんの農業はヤマネコが生きてゆくためにはとても大切な役割をしていると思いました。(海老名佑紀くん)
・人間にとってのいい環境をつくるためには新しい道路などを作って自然を壊してしまっているけど、ヤマネコにとってのいい環境は山が多く、川がきれいで、自然が豊かなところだと思います。(江藤芙美さん)
・人間は自然よりも、くらしやすい所を選びます。でも、自然の方が僕は好きです。(鮎川友樹くん)
・人間だけでなく、どんな生き物にも「食べ物」「水」「ねぐらやきゅうけい場所」「なわばり」が必要です。(佐々木尊美さん)
・ぼくたちは自然の大切さや自然と助け合っていかなければならないと学びました。そういう人が増えることによって、自然や動物たちと共存していけるのではないかと思いました。(大石将人くん)
・対馬の人全員は無理だと思うけれど、ほとんどの人が少しずつ、協力しあっていけば絶対にツシマヤマネコは増えると思います。(島居まみさん)
・ぼくたちも、ツシマヤマネコにとってもいい環境、もちろん人間にもいい環境をたくさん作り、ツシマヤマネコをどんどん増やしていきたいと思います。(原 大輔くん、小宮貴大くん)
・ツシマヤマネコは年々減ってきてきます。(島居春彦くん)
・僕たちはツシマヤマネコのことを全国の人に知ってもらいたいです。(海老名佑紀くん)
・そして、ツシマヤマネコを絶滅から救うために協力して下さい。(平山優子さん)
・みんなでツシマヤマネコがすみやすい環境をつくっていきましょう。(全員で)
自分達でヤマネコについて調べ、自分達の言葉でツシマヤマネコと対馬の自然についてアピールを行ってくれた佐護小学校のみんなに感謝です。
さて、こちらは翌日の一般公開初日の様子です。
みなさまからいただいた感想をいくつか紹介します。
「いや~、長い間対馬で生活してきたけど、はじめてツシマヤマネコを見たよ」
「思ったよりも大きかったです。」
「思ったよりも小さかった。」
(これは、想像していた大きさというのが人によってマチマチだったということでしょうか?)
「毛がムクムクしているね。」
「お腹が太い。太っているの?」(3.5キロは成獣の適正体重ですから太っているわけではありません)
他にも、「ツシマヤマネコを実際に見ることができ、身近に感じた」
「ツシマヤマネコの実物はかわいいね」
などの感想が多く寄せられました。
アンケートと一緒にヤマネコの名前も募集しました。
決まり次第ホームページでも公表する予定ですのでお楽しみに!
一般公開のパンフレットは[ こちら ]