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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

=夏休み企画=対馬の海の生きものたち・その2(ヤマネコセンターの近くの海)

2016年08月01日
センター職員日誌 佐藤

こんにちは。対馬野生生物保護センター海担当(自称)の佐藤です。
 
8月に入りました!対馬は梅雨が明けて以降、晴れる日が続いています。ここ数日は最高気温が30度を超え、熱帯夜も多く真夏を迎えています。

真夏といえば、、、海!

私も海担当として、非番の日はここのネタ探しのために海に通っております。先日の投稿では対馬の三宇田海水浴場の生き物を紹介しましたが、さらに対馬の海を紹介したいと思います。

 

今回紹介する海は対馬野生生物保護センターが建っている対馬北部・佐護地区周辺の海。トイレや駐車場も整備されていて海遊びには絶好のロケーションの場所が何か所かあるのですが、いずれも人が少なく、のんびり海遊びが出来る穴場です。そんな場所の一つを紹介するとこんな具合↓

海から陸を撮ってみました。(カメラの設定が海中モードになったためちょっと赤っぽい写真です・・・。)海沿いは土がむき出しになっています。シカに植物を食べられてしまって土が露出してしまっているのです。海から陸を見るとなかなか痛ましい物があります。

 

海の中に入ってみると、、、。岩が転がっていて、その岩を覆うように小さな藻類が生えています。このような複雑な構造で、藻類が多い場所はきっといろいろな生き物がいるはずです。

 

まずは岩の藻の上にとぼけた顔の魚がいるのが見えました。

ホシギンポ。先回紹介したコケギンポと同じくギンポ系の仲間です。目の上の眉毛のような突起(皮弁といいます)と大きな目、下膨れの口が愛嬌のある顔に仕立てています。


水深10cmの岩場にいたのは、、、。

イソスジエビ!目の角度、体や足の模様、長いハサミ、触覚や吻部などよく進化したな、、、と思います。浅瀬にいっぱいいました。から揚げにしても旨いらしいので、いつかやってみたい。

 
イソスジエビには人懐っこい個体もいて、近づいたり手を出したりしても逃げない個体もいました。

このイソスジエビ君は、指をそっと近づけたら、長い前足(ハサミ)を繰り出してネコパンチのように指を突っついてきました。イソスジエビは肉食もする雑食性なので、私の指を餌だと思ったのでしょう(^^)
 
ふと周りを見渡すと金属のように美しく光を反射する魚の大群に囲まれています。これは対馬のスーパーマーケットにも並ぶ魚です。なんという魚かわかりますか?

キビナゴです。売られているのを見るとあまりパッとしない印象のかもしれませんが、海の中ではちかちか光ってなかなか見ごたえがあります。

 

浅瀬に戻って岩場の影をのぞき込むと面白い生き物がいました!

が、↓写真に写すとこんな具合。どこに生き物がいるか分かりますか??

答えの生物は藻や水草では無くちゃんと動物です。
 
写真その2↓とヒント。日本人のほとんどの方は知っていて、好んで食べる方が多い生き物です。

ここまでくれば分かりやすいかな。海底をにゅるんと動いています。

正解は、、、

タコでした。石の下に隠れようとしていましたが、目が合ってしまいました(^^; 図鑑で調べましたがマダコかな?この日は撮影用のカメラがあったので見逃しましたが、次は捕まえてみたい生き物です。
 

黄色と青の鮮やかなキンチャクダイ。

派手な色の魚というと沖縄のような南の海のものに意識が行きがちですが、先回紹介したカゴカキダイやベラの仲間などの鮮やかな魚は結構対馬の周りにもいるようです。このような魚は食卓には上がらないのであまり認識することはないですが・・・。


センターから程近い佐護の海。生きものがたくさんいて見ていて飽きません。それに海の中は涼しくて音は静かだし、携帯電話の電波も届かない素敵な場所。ふわふわ漂っていると出たくなること受け合いです。

 

夏のひと時、陸のしがらみから解放され、海を覗いてみるのは大人の方におすすめしたいものです!