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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

=夏休み企画=対馬の海の生きものたち(対馬北部・三宇田浜海水浴場)

2016年07月22日
センター職員日誌 佐藤

海の日の三連休も過ぎ、九州は梅雨も空けました。本格的な夏の到来です!夏といえば海!!!

対馬の人が誇りにしているものは美しく水産資源も豊富な対馬の周りの海。対馬は漁師さんも多いですし、また国内外から多くの釣り人が訪れる釣りのメッカでもあります。

 

我々の職場は"ヤマネコセンター"と通称されておりますが、正式名称は"対馬野生生物保護センター"。決して仕事はヤマネコに限定されている訳ではない(と思っております)。対馬の海に住んでいる水産資源にあまりならないけど面白い海の生きものをスノーケルで覗いてきました。

 

訪れたのはヤマネコセンターから車で50分ほどの、対馬北部で最もメジャーな海水浴場の三宇田海浜水浴場。壱岐対馬国定公園特別地域にも指定されており、日本の渚百選にも選定されている美しい浜です。

 

浜から海に入って、生き物が多そうな岩場のほうへ。

最近は対馬は雨がちだったので濁りが強いですが、それでも多くの生き物が一生懸命生きていました。岩の隙間や穴にはウニばかり。

 

特に今回見つけたかったのは個人的に好きな海の宝石のようなウミウシの仲間。対馬の海にもいるかな、、、と思って海に入りましたが、ちゃーんと対馬の海にもウミウシの仲間はいました。

↓紫の触角・二次鰓と本体の白さ、黄色の粒々模様に縁の紫の斑点が鮮やかなコモンウミウシ。よくぞこんな色に進化したな、と感心します。

 

↓は赤い触角・二次鰓と白い本体にオレンジと赤のグラデーションラインで縁が彩られるシラヒメウミウシ。

 

地味な色をしていますが、名前は広く知られているアメフラシ。彼らも海底を這い回る仲間です。

 

しかし、ダイブコンピュータを見ると水温は23度。対馬の海はまだ夏にはなりきっていない様子。海に入っていると体が冷され、むしろ寒くなってきます。一度陸に上がろうかと思ったのですが、岩場の穴から何かがこちらを見ている!わかりますか?↓

 

ファンキーな眉毛のように見える突起(皮弁といいます)を目の上に生やして、ファンが多いコケギンポ!(の仲間かな?)

 

皮弁と大きな黒目と受け口のすっとぼけた表情が人気のポイントでしょうか。

 

小さな魚がたくさん集まってボールのような群れを作っています。小魚だと思って油断してはいけません。トゲに毒を持つゴンズイの群れ。

 

鮮やかな黄色と黒の縞々模様のカゴカキダイ。目の中まで縞模様が繋がっています。

黄色と黒の縞模様はヤマネコと同じネコ科の某生物がキャラクターになっている某プロ野球団ファンのダイバーに人気の魚。同じネコ科つながりで、ヤマネコもよろしくお願いしたいところです。

 

この日見つけた海の生き物は食卓には上りにくいものですが(アメフラシは食べるかも?)、砂浜からすぐの海に魅力的な生き物が多く暮らしているのも対馬の海の豊かさです。

せっかくの熱い夏休み、身近な海の生きものを探しに行くのも面白いと思います。私も対馬の海の観察を続けて、また面白い海の生きものがいたらこちらで紹介したいです。