対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第31号

 

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センターで飼育中の飼育下生まれのヤマネコ紹介


飼育下で生まれた8頭のツシマヤマネコたちを紹介します!

 2004年12月に完成した一時収容施設では、福岡市動物園で生まれ、里帰りしたツシマヤマネコを飼育中です。彼らは飼育下繁殖個体群の一員として一時的にここで暮らしています。
 一見みな同じに見えるツシマヤマネコたちですが、人と同じように顔も性格も異なり、それぞれ個性があります。

No.12 オス

No12

[2002年4月9日生まれ]
年長でもうすぐ4歳になります。体は一番大きいですが、小石などで一人遊びをします。


No.17 メス

No17

[2003年4月7日生まれ]
No.22とは年違いの兄弟です。ヤマネコにしては耳が大きく、特徴的な顔をしています。


No.22 オス

No22

[2004年3月28日生まれ]
活発に運動します。いつも走り回っていますが、疲れると棚の上でぐっすり寝ています。


No.23 オス

No23

[2004年4月3日生まれ]
発情期に入り落ち着きがありません。盛んに尿スプレーをします。一番の食いしん坊です。


No.24 メス

No24

[2004年4月3日生まれ]
性格は神経質で寒がりです。一番の美人ですが、よく背中に寝癖をつけています。


No.25 メス

No25

[2004年4月10日生まれ]
No.12と年違いの兄弟です。顔はNo.12に似ていますが、性格は反対で臆病です。


No.28 オス

No28

[2004年4月19日生まれ]
No.29と兄弟です。No.29より控え目ですが、好奇心旺盛で、いつも私たちの方が観察されています。


No.29 オス

No29

[2004年4月19日生まれ]
線は細いですが何にでも興味を持ちます。気性が荒く、お腹が空いたときはイライラしています。


対馬の宝、日本の宝を守るために

 野生のツシマヤマネコの個体数は現在80~110頭と推定され、生息地の中でヤマネコを守ることは最も優先される課題です。しかし、ヤマネコ保護には、さまざまな社会的要因が絡み、今日、明日に簡単に解決できるものではありません。10年で約10%もの個体数の減少や生息適地の減少が進む中、絶滅を阻止するために、これからも試行錯誤が続きます。
 ツシマヤマネコは、対馬の、日本の、そして世界の大切な財産です。その大切な財産を永遠に失うことが無いよう、このツシマヤマネコ飼育下繁殖事業は、日本各地の関係機関や専門家からの多大な資金的、労力的、知識的な協力を頂いて行われています。
 世界で過去に絶滅した野生生物の中には、飼育下繁殖への取り組みが遅すぎたこと、あるいは近親交配が原因で繁殖が成功しなかったことで、その姿を永遠に消してしまった種もあります。ツシマヤマネコの飼育下繁殖の成功は、毎年ニュースになり、もはや当たり前のようですが、一般にネコ科野生動物の繁殖は難しく、この成功は貴重な成果なのです。この成果を生かし、近親交配を避け、野生個体の遺伝子を十分保ちながら約100頭を安定的に維持できる飼育下繁殖個体群を確立することがツシマヤマネコの飼育下繁殖事業の次の目標です。その実現によって野生個体群保護につながる再導入などの取り組みがはじめて可能になります。ツシマヤマネコが対馬でいつまでも暮らすことができるよう、これからも皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いします。


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