対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第31号

 

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対馬もヤマネコも ― 共に生きる未来のためのメッセージ ―


 私たちのしま「対馬」。大陸と日本を結ぶところに位置する対馬は、山と海に抱かれ、豊かな自然の恵みや、悠久の歴史とともに生きてきた島です。
対馬にはどこか昔なつかしい景色が各地に残り、そこに暮らす人たちも、都会の人が失ってしまった何かをまだ持っています。ツシマヤマネコは、そのような対馬の自然の中で人々とともに今日まで暮らしてきました。

 かつて、ツシマヤマネコは対馬全域に広く分布していました。しかし、最新の調査結果ではその数が、80~110頭と次第に減ってきていることが分かりました。ヤマネコの姿が全くみられなくなってしまった地域もあります。このままでは、いつか対馬からヤマネコが居なくなってしまう日が来るかもしれません。

 この3日間、私たちはツシマヤマネコの唯一のふるさとであるここ対馬で、市民、行政、そして、専門家などが集まり、ツシマヤマネコをはじめとする自然と、これからも共に生きていくための知恵を持ち寄り、今、私たちは何をしなければならないかを話し合うためのワークショップを開きました。

  ワークショップでは、「ツシマヤマネコと共生する地域社会」すなわち、「人が安全快適に暮らし、自然と共に生きる対馬」をみんなで創っていくことが提案されました。

具体的には、孫と暮らせる豊かな対馬であり続けるために、自然を活かした農業・林業・観光業を推進しよう。自然そして命を大切にするために、飼っている全ての動物を最後まで責任を持って飼おう。子供たちが地域の自然や文化についてもっと身近に学び、体験できるようにしよう。ツシマヤマネコを対馬の豊かな自然の象徴として守り、増やしていこう。対馬の宝、日本の宝、そして世界の宝としてツシマヤマネコを絶やさないように、みんなで知恵を出し合って協力しよう、などの目標のために、さまざまな取り組みを行っていくことが提案されました。

対馬の人もツシマヤマネコも安心して生きていくことができる地域をつくることは、私たち市民にとって、本当の豊かな暮らしをつくること。「対馬もヤマネコも」。それが実現した時、対馬に人々の笑顔と誇りが満ちあふれ、動物たちも安心して暮らすことができるでしょう。 

このワークショップをスタートとして、ツシマヤマネコをはじめとする対馬の自然と共に生きる、活気あふれる対馬の未来を一緒に創っていきましょう。

平成18年1月11日
ツシマヤマネコ保全計画づくり国際ワークショップ
市民ワークショップ
 参加者一同


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