対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第32号

 

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人も、ネコも、ヤマネコも イエネコ適正飼育のススメ


 寒かった冬もようやく終りを迎え、暖かくなりました。草木の芽吹き、新しい命の誕生、イエネコの赤ちゃんが生まれる季節でもあります。気が付かないうちに、飼っているネコが妊娠し、仔ネコが生まれてしまって困っている方も多いのではないでしょうか。新しい飼い主を見つけることもひと苦労です。ノラネコになればヤマネコにも影響があります。
 ツシマヤマネコを絶滅に追い込む可能性のある問題の一つに、イエネコ由来のウイルスにヤマネコが感染することが挙げられています。1996年にネコ免疫不全ウイルス(FIV)、いわゆるネコエイズウイルスに感染したツシマヤマネコが見つかって以来、イエネコからの感染症がヤマネコにどの程度影響があるのかが心配されてきました。
 今年1月に開催されたツシマヤマネコ保全計画づくり国際ワークショップでは、どの感染症がツシマヤマネコに影響を与えるかを評価し、対策を考えるためのグループを設けて議論を行いました。会議ではいくつかのイエネコのウイルス性感染症がヤマネコに悪影響を及ぼす可能性が高いとされました。ヤマネコへの感染症の広がりを止めるために、「(1)ノラネコからヤマネコへの感染をなくすためにノラネコをゼロにすること」、「(2)飼いネコからヤマネコへの感染をなくすために飼いネコの室内飼育を徹底しヤマネコとの接触を防ぎ、ワクチン接種を徹底することで万が一接触しても感染が起らないようにすること」、を目標として、関係者が協力して取り組むことになりました。

今日からみんなが取り組めるヤマネコ保護活動「ネコの適正飼育」

 ツシマヤマネコを守るためにひとりひとりがすぐにできることの一つとして、私たちの最も身近な動物、イエネコをきちんと飼い、新たなノラネコを作らないことから始めてみませんか?今年度も「対馬地区ネコ適正飼養推進連絡協議会」では避妊去勢手術、マイクロチップによる登録、ウイルス病と寄生虫の検査、ワクチン接種などを行うキャンペーンを無料で実施する予定です。仔ネコを望まない場合は、避妊去勢手術をかならず受けさせましょう。ノラネコの増加は、ゴミあさり、糞尿被害などご近所の迷惑となる可能性もあります。地域生活の質の向上のためにもペットは責任を持って室内で飼いましょう。キャンペーンについて詳しくは長崎県獣医師会(0957-26-3678)、または対馬市市民課(0920-53-6111)まで。


妊娠中の母ヤマネコが 交通事故で死亡

 3/29、上対馬町三宇田において交通事故でヤマネコが死亡しました。この個体のお腹の中には2頭の胎児が確認され(初記録)、一回の事故で3頭の命が失われたといえます。今後、関係者と話し合い、交通事故防止対策に一層取り組んでいきます。ドライバーの皆様も、安全運転へのご協力をよろしくお願い致します。

日時 年齢 性別 体重(g) 場所 詳細
2/25 亜成獣 不明 930(参考値) 上県町佐須奈 死亡/死因不明
3/29 成獣 メス 2,960 上対馬町三宇田 死亡/交通事故
4/1 成獣 オス 2,110 上県町佐護湊 死亡/死因不明


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