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投稿者:三谷 投稿日:2003/02/28(金曜)19:53No.130
先週からずっと痕跡調査を続けています。
痕跡調査は林道などを歩いてフンを探すことが多いですが、山の中の尾根道をあるくこともあります。今週、上県町と上対馬町の町境周辺の山を2kmほど歩いてきました。
そんな人里離れたところで、ヤマネコのフンをみつけると、「ヤマネコ達、しっかり暮らしているね。」などと、ヤマネコにとっては、大きなお世話(?)と思いますが、ちょっと嬉しい気がします。歩き続けて折り返すことにしたとき、ゲンカイツツジの花が目に入りました(写真)。枯れ木の中に、ピンクの花。とてもきれいでした。また、フンを探しながら地面をみていると、テントウムシやその他の昆虫類も動き出しているのが目にとまります。
昨日の岩本さんの日記にあるように、対馬の南にある豆酘崎はもう春のようですが、上県に春が来るのも近そうです。
投稿者:三谷 2003/02/28(金曜)20:00No.131
どんな風に、ヤマネコの目に写っているのでしょう。
「あの辺に行くと、餌がありそうだ。」「今日は、どこで休憩しようかな?」「いつものお気に入りの場所へ行ってみよう。」などと考えているのかしら。
投稿者:三谷 投稿日:2003/02/21(金曜)21:30No.124
18日から対馬島内のあちこちで、ツシマヤマネコの痕跡調査を行っています。今日も朝から日暮れまで、歩き回って痕跡(フン)をさがしました。
上県町大保家の山の中を登ったところ、イノシシのフンを見つけました(写真)。イノシシのフンは、粒がかたまったような形をしています。ひとつひとつの粒の大きさは、シカよりも大きいです。(隣に写っているのは単三乾電池です。)
フンを見つけたところは、去年の9月にイノシシの寝床を見つけたところの近くです。その頃は、寝床を作ったばかりだったらしく、歯で折り取ったらしい青々とした枝が、小山のように積み重なっていました。今日は既に葉は枯れてしまっていました。下をめくってみると、ちょうどイノシシが入り込めるくらいのスペースがあり、今も、ここを使っているようでした。本で確認したところ、イノシシが休むときは、土を皿状に掘って横になるそうですから、必ずしも寝床で休むわけではないようです。
寝床は直径2m強あり、枝を集めてくるのに、なかなか労力がかかっていそうでした。一生懸命生きているイノシシ、高齢化した対馬の農地で被害を出すイノシシ、江戸時代には絶滅させられたことがある対馬のイノシシ・・・・。これから、どうやって対馬の暮らしと折り合いをつけていくのがいいのでしょう。
※帰り道(18:15頃)、佐護の上空をたくさんのツルが旋回していました(全部で100羽近いかも・・・)。明日の朝、佐護でツルがみられるかもしれません。
投稿者:三谷 2003/02/21(金曜)21:33No.125
この中で休むと暖かそうです。
投稿者:岩本 投稿日:2003/02/14(金曜)11:04No.118
昨日はFg-19とFn-20に発信機を装着しました。野生復帰後にモニタリングするためです。野生復帰自体は3月を予定していますが、早めに発信機を装着して、ヤマネコの行動に支障がないか、すぐにはずれたりしないかをチェックします。3月の放野日以降発信機ををつけているヤマネコを見たら、センターに連絡をくださると助かります。ちなみにFg-19の発信機には黄色の反射テープ、Fn-20は赤色の反射テープがついています。
ところで、今日のMm-13のテレメトリー調査で1時間くらいさがしまわったのですが、電波を受信することができませんでした。繁殖の時期なのにいつもせまい範囲で行動していたのでちょっと心配していたのですが、やっと行動開始したのかと一安心です。
投稿者:村山 投稿日:2003/02/12(水曜)15:36No.117
7日から10日まで、沖縄へ行ってきました。今までほとんど島外へ出ない生活をしていたので、少し疲れ気味ですが、沖縄では色々と勉強になることがたくさんありました。
日本獣医師会沖縄大会の最終日に、沖縄県での移入動物問題解決に対する取り組みを中心に、「ペットの野生化防止と希少野生生物保護~移入種問題を考える~」と題した一般公開シンポジウムが開催されました。その中では地元住民、行政、研究者、民間グループなどが協力してこの問題に取り組んでいることなどが発表され、今後の課題などが提言されました。
その中で発表のあった、安田(あだ)地区というヤンバルの北部にある集落と獣医さんのグループである「ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会」の取り組みはとても興味深いものでした。住民200名程の安田という集落では「ヤンバルクイナと共存する郷」として集落を挙げて、地区の条例を作ったり保護基金を作ったりして、ヤンバルクイナをはじめとするヤンバルの自然保護活動を行っています。
シンポジウムの後に、安田での集会に参加させていただいたのですが、その時に印象的だった言葉は、80歳近いおじい(沖縄ではおじいさんのことを普通にそう呼びます)が、「子どもたちにこのヤンバルの自然を残したいのだ。そのためには今何かをしないといけないのだ」と言ったことでした。ヤンバルクイナを守りたいと言い出したのは子どもたちだったそうです。そして、それに答える形で大人たちが決心し、行動を起こしたのだそうです。
ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会のHPは↓↓です。
http://homepage1.nifty.com/kunigami/Yanbaru/
対馬でもみなさんと一緒にツシマヤマネコの保護にこれからも取り組んで行こうと思いを新たにしました。
投稿者:岩本 投稿日:2003/02/06(木曜)20:21No.113
最近体力に余裕がでてきたので、休日に御岳に登りました。島外から来た友達と一緒だったので、途中、ヤマネコのフン(らしき物)を見つけた時にほぐしながら説明をしました。友達はヤマネコのフン発見に驚いたようでしたが、それよりも私がフンをほぐしていることにさらに驚いたようでした。動物の食性を知るうえで重要なフン分析ですが、傍から見るとちょっと驚く行為のようです。私は対馬でいろいろな経験をするうちに、たくましく成長しているようです。
ところで、ヤマネコのフンですが、この時期は鳥の羽がよくでてきます。他に、ネズミやモグラなどの毛や骨が出てきますが、これらは1年を通して食べています。みなさんも、道端でフンを発見したらほぐしてみてください。結構いろいろなことが分かって楽しいですよ。
投稿者:山本 投稿日:2003/02/04(火曜)18:38No.111
昨晩、12月に賀谷で保護されたツシマヤマネコの今後について、地元公民館で説明会を開催しました。節分の夕方にも関わらず15名以上の地元の方に参加していただきました。
説明会では、
1.痩せていたツシマヤマネコが、今は太って元気になっていること
2.賀谷の情報は、ここ20年くらいで確認されたヤマネコ情報の中で、一番南なので、とても貴重な情報だということ
3.そろそろ野生復帰を考えているが、その際には無事やっていけるかどうかなどを調べるために追跡調査が必要であること
4.追跡調査に協力していただける地元調査員を探していること
などを説明しました。
12月のヤマネコ保護をきっかけに、地元の方々の関心も高まっているようで、いろいろな質問も出ました。そして、無事、追跡調査に協力していただける地元の方もみつかり、野生復帰に向けて一歩前進です。