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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

春の接近を知らせてくれるものたち

2021年02月12日
センター職員日誌

こんにちは!普及啓発担当の大谷です。

2月になりましたがまだまだ寒い日が続いています。昨年は暖冬と言われていたので、今年は特に対馬の寒さが身にしみます...。

さらに最近は大陸(朝鮮半島)から吹いてくる冷たい風が強くて身が凍りそうです。

そんな対馬には、毎年このくらいの時期になると、確実に春が近づいていることを知らせてくれるものたちがやってきます。

それはなんだと思いますか?

そう、ツルです!

主にマナヅル、ナベヅルですが、だいたい10月~11月頃にシベリア(ロシア)方面から出水(鹿児島県)へと越冬のために渡ります。そして2月~3月頃になると今度は出水から繁殖地のシベリア方面へと帰っていきます。これをツルの北帰行(ほっきこう)と言いますが、約2,000㎞にもなるその旅の途中にある対馬に、ツルたちは毎年舞い降り羽を休めていくのです。

【マナヅルとナベヅル】

マナヅル                  ナベヅル

   

そしてつい先日、北帰行の第一陣となるツルたちが、センターのある佐護地区の田んぼにやってきてくれました。ツルは結構大きな声で鳴くので、やってくるとすぐに分かります。

これはマナヅルです↓↓

   

                     (↑マナヅルの親子)

基本的にツルは家族単位(子連れなら3~4羽、夫婦だけなら2羽、独身のツルは1羽)で行動します。

越冬地への移動や北帰行の際も、それらの家族が集まった10~50羽くらいの群れで移動するので、その順に一陣、二陣、三陣...などと名付けますが、

出水で越冬した全てのツルが対馬で羽休みをしていくわけではありません。対馬にやってくるのはほんの一部のツルたちです。

出水には、毎年なんと1万羽以上のツルたちがやってくるのです!

出水のツル↓↓

  

これでもたぶん、1万羽はいません(-_-;) 写真に収まり切らず...。

1万のツルのうち、8~9割はナベヅルだそうです。

(あとの1~2割 はマナヅル、もしくはカナダヅルなどの珍しいツルがたま~に混ざっていたりするそう...)

越冬を終え、ここからシベリアへと旅立つのはマナヅルの方が早いようで、対馬ではまだナベヅルは見かけていません。

ですが、出水には多くのナベヅルがいるので、もう少ししたらナベヅルが大勢で対馬にやってきてくれるかもしれません!マナヅルもきっとまだやってくるでしょう!

ツルの北帰行は始まったばかり\(^_^)/

羽休みを終え、佐護の田んぼを立って大陸へ向かうとき、たまにツルたちがこの対馬野生生物保護センターの上空を過ぎていきます。大きな声を響かせながら...。

職員はその声を聞いて外に飛び出し、また来年!と思いながら見送ります。