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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ヤマネコたちよ、元気でね!

2015年10月20日
センター職員日誌 蔭浦

こんにちは!調査研究担当の蔭浦です。

普段は野外でのヤマネコ追跡調査を担当しています。 

 

「追跡調査って?」と思う方も多いと思いますので、ここで少しご紹介します!

ヤマネコセンターでは、ケガや衰弱により保護されたヤマネコを治療し、再び野生に復帰させる取り組みをしています。その野生復帰の際に、無事に生きていけるかを確認するために行うのが、「追跡調査」です。ヤマネコに首輪型の発信機を取り付け、その電波を追います。

 

 

↑ヤマネコに取り付ける発信機。重さは体重の1パーセントほど。

 

 

↑追跡調査の様子。

 

先日、かつてセンターに保護され野生復帰した2頭のヤマネコの追跡調査を終了しました。

 

1頭はMy-68と呼ばれるオスで、2014年1月美津島町芦浦にて衰弱のため保護され、同年7月10日から野生復帰した個体です。

 

 

↑保護当時のMy-68。  

 

 

もう1頭はMh-62というオスで、2013年1月上対馬町比田勝にて交通事故に遭っていたところを保護され、同年7月から野生復帰したオスの個体です。

Mh-62の場合は、交通事故に遭いながら命が助かったという珍しいケースでした。当時道路から逃げて川に落ちてしまったところを、発見者の方が川に入って救出してくださったという、まさに奇跡のヤマネコです!

 

 

↑保護され、治療中のMh-62。

 

 

そんな2頭をこれまで見守ってきましたが、定期的な捕獲検査の結果、どちらのヤマネコも1年以上健康状態に問題なく過ごせていたので、8月16日にMy-68、10月6日にMh-62の発信機を取り外し、追跡を終了しました。

 

↑野生復帰時のMy-68。  

 

 

↑発信機を外した、最後の放獣前のMh-62。

 

放獣前の顔つきは、なんだか自信たっぷりに見え、とても頼もしく感じました。

今も対馬の山の中でたくましく生きていると思うと、これからも応援したくなります(^^)

 

これから冬にかけ、オスのヤマネコたちは繁殖相手を求めて広い範囲を動き回ります。この2頭も、無事お嫁さんをもらえていたらいいなと思います。  

 

そして、ヤマネコが活発になることで交通事故の危険性も増します。

みなさまも島内を運転される際には、「人にも動物にもやさしい運転」にご協力いただければ幸いです。また、もしヤマネコを見かけたという際には、対馬野生生物保護センターまでご連絡をお願いいたします! 

 

 

対馬野生生物保護センター※24時間365日受け付けています。

TEL:0920-84-5577