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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

 

2015年04月14日
ツシマヤマネコニュース 西野

環境省と(公社)日本動物園水族館協会(以下、「日動水」)は、「生物多様性保全の推進に関する基本協定」に基づき、連携して、国内の9施設においてツシマヤマネコの飼育下繁殖事業に取り組んでいます。

今般、同事業の協力施設の一つである福岡市動物園において、ツシマヤマネコの出産が確認されましたのでお知らせします。

1.今回の出産について

○平成27年4月13日(月) 午前6時30分頃より、自然分娩により子ネコ3頭(性別等未確認)の出産を確認しました。

○今回の出産はツシマヤマネコの今年度最初の出産であり、今回繁殖したペアは昨年度に引き続いての出産となります。

  

○今回の出産により、ツシマヤマネコの飼育下での個体数は35頭となります。(平成27年4月14日時点)



2.経緯

日動水では、平成8年より、環境省が実施している絶滅危惧種ツシマヤマネコの保護増殖事業に協力し、国内の計9施設において飼育下繁殖事業に取り組んでいます。本種は平成12年4月に福岡市動物園で初めて飼育下繁殖に成功し、これまでに50頭(今回の個体を除く)が誕生しています(現在はオス14頭メス11頭の25頭が生存)。

平成21年以降は繁殖に成功していなかったため、飼育下個体群の高齢化が進み、飼育下繁殖技術の向上が課題となっていました。

このため、飼育下繁殖事業に取り組んでいる施設及び環境省で検討し、平成25‐26年の繁殖期は繁殖の可能性が高い年齢の個体を、本種の生息地環境に類似する気候であり、多くのペアリングの組み合わせが可能な福岡市動物園(福岡市)及び九十九島動植物園(佐世保市)に集めて繁殖に取り組んだ結果、両園において平成26年4月及び5月に計5頭が誕生し、そのうち4頭が成育しています(上記25頭の内数)。



3.今後の取組み

  引き続き、日動水及び加盟園と協力し、飼育下繁殖の技術向上に努めるとともに、人工授精等新たな手法の技術検討も行っていきます。

参考

【飼育施設別飼育頭数(平成27年4月14日時点)】

※今回、誕生した個体を含む

施設名

(飼育開始年)

飼育頭数

合計

オス

メス

不明

盛岡市動物公園

(平成23年)

1

東京都井の頭自然文化園

(平成18年)

横浜市立よこはま動物園

(平成18年)

富山市ファミリーパーク

(平成19年)

名古屋市東山動物園

(平成23年)

京都市動物園

(平成24年)

福岡市動物園

(平成8年)

11

九十九島動植物園

(平成22年)

沖縄こどもの国

(平成23年)

対馬野生生物保護センター

合計

35

19

13