九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコ飼育下個体の移動について(お知らせ)

2015年01月09日
ツシマヤマネコニュース 西野

環境省では、絶滅危惧種のツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業を実施しています。その一環として、(公社)日本動物園水族館協会(以下、「日動水」)に依頼し、国内の計9施設において飼育下繁殖事業に取り組んでいます。

平成26年11月28日にお知らせしたとおり、この冬から春の繁殖期に向けた「平成26-27年 ツシマヤマネコ繁殖(移動)計画」に基づき、4月に福岡市動物園で生まれたメスの2頭と、5月に九十九島動植物園で生まれたオスの2頭について、12月2日に、一旦、福岡市動物園に4頭を集め、見合い及び同居による相性等の確認を行ってきたところです。

このたび、福岡市動物園での見合い及び同居の結果を踏まえ、当該4頭について、名古屋市東山動植物園及び京都市動物園にそれぞれ2頭(相性等を踏まえたオスメスのペア)ずつ移動させることとしましたのでお知らせします。東山動植物園への移動は1月16日、京都市動物園への移動は1月15日をそれぞれ予定しています。

環境省では引き続き、日動水と連携し、関係動物園の協力を得て、ツシマヤマネコの飼育下繁殖に取り組んで行くこととしています。

今回移動する昨年生まれの個体について

今回移動する個体は、平成26年4月に福岡市動物園で生まれたメス2頭及び同じく5月に九十九島動植物園で生まれたオス2頭です。

若い年齢時に他の個体との同居を経験させることで、性成熟後のペアリング時に他の個体を受入れやすくし、闘争のリスクを軽減することが期待されることから、平成26年12月2日に、九十九島動植物園のオスの2頭を福岡市動物園に移動させ、福岡市動物園において成育しているメスの2頭との見合い及び同居を行ってきました。

福岡市動物園において、4頭の組合せを変えながら見合い及び同居による相性等の確認を慎重に行ってきた結果、当初から闘争もなく、徐々に同居回数や同居時間を増やし、長時間の同居を行っても食欲や体調に変化は認められず、順調に経過しています。

この結果を踏まえ、このたび、同居による個体間の相性を踏まえて、第二拠点園である名古屋市東山動植物園及び京都市動物園にそれぞれ1ペアずつ移動することとしました。

なお、今回の4頭はまだ性成熟に達しておらず、それぞれの交配相手については、今後の繁殖状況や血統等を踏まえ、今後検討します。

また、福岡市動物園においては昨年と同様に第一拠点園として繁殖に取り組みます。