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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

12月の交通事故

2015年01月06日
センター職員日誌 竹澤

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

ご報告が遅くなりましたが、昨年末、12月15日、12月17日に全国を襲っている寒波の真っ只中、立て続けにツシマヤマネコの交通事故が2件発生し、いずれも死体を回収しました。

12月15日には下島北部の美津島町大船越の国道で死体を回収しました。

近年、上島南部から下島北部にかけてヤマネコの分布の拡大が期待されている中で起こった事故です。

死亡した個体は、昨年春に生まれた亜成獣のオスでした。

春に生まれ、親離れをして、自分の縄張りを求め、一匹で生きようとしていた矢先に、一年もせずにその命は失われてしまいました。

12月17日には、上島の峰町佐賀で出産経験のある成獣のメスの死体を回収しました。

後の現場検証の結果、近くには林道と河川がありました。寒い中で餌を求めて山や川岸から道路に出てきてしまったのでしょうか。

通報を受け、回収したときはまだ微かに体温が残っていました。

それぞれの命に想いを馳せると苦しくなります。

交通事故対策担当という仕事柄、死体に出会うことが多いので、虚無感をうけることもしばしばです。

やっぱり、死なないで欲しい。生きてて欲しい。

一年前、自分自身の手で衰弱した生きたヤマネコを保護して、野生に帰っていった際に感じた想いはやはり感無量でした。

平成4年より行われている対馬野生生物保護センターの調査では81件の事故が確認されています。そのうち72件が死亡しています。

今年度、既にこれで事故が3件です。去年度は4件、12月30日の年末に起きた事故が最後でした。

秋から冬にかけてヤマネコの交通事故は増加します。

冬はもう少し続きますが、新年は無事故で過ぎ、今年度事故件数が昨年度を下回ってくれることを願いながら、

新たな一年気持ちを引き締めて仕事に取り組みたいと思います。

対馬で車を運転する際には、下島、上島に限らず、

どこでヤマネコが出てくるか、また他の動物に出会うか分かりませんので、

安全運転にご協力のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。