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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコ飼育下個体等の移動について

2014年11月28日
ツシマヤマネコニュース
 環境省では、絶滅危惧種のツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業を実施しています。その一環として、(公社)日本動物園水族館協会(以下、「日動水」)に依頼し、国内の計9施設において飼育下繁殖事業に取り組んでいます。
 このたび、この冬~春の繁殖期に向けた「平成26-27年 ツシマヤマネコ繁殖(移動)計画」を策定し、本年12月に5頭の移動を実施することとしましたのでお知らせいたします。
 このうちの1頭は、平成25年12月に上対馬町で保護されたメスの亜成獣で、対馬野生生物保護センターにおいて治療し、その後も保護収容している個体です。野生個体群への影響を最小限とするため、野生復帰可能と判断された個体は極力早期に保護地点で放獣することを原則としていますが、当該個体については、飼育下個体の高齢化や遺伝的多様性の確保などが課題となっている状況等を踏まえ検討してきた結果、今般、飼育下におけるファウンダー候補(注)として導入するため、同センターから福岡市動物園に移動する(12月上旬)こととしました。
 ほかの4頭は、本年4月に福岡市動物園で生まれたメスの2頭と、同じく本年5月に九十九島動植物園で生まれたオスの2頭で、一旦、福岡市動物園に4頭を集め(12月2日の予定)、見合い及び同居を行い、その結果を踏まえて、本年中に、その他の飼育下繁殖に取り組む動物園へ1ペアずつ移動する予定です。
 環境省では引き続き、日動水と連携し、関係動物園の協力を得て、ツシマヤマネコの飼育下繁殖に取り組んで行くこととしています。
注:ファウンダーとは、野生由来で、繁殖のため飼育下に導入し、繁殖に成功した個体を言います。


各園の飼育状況