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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコの死亡個体の収容について

2014年10月22日
ツシマヤマネコニュース
平成26年10月21日(火)、対馬市豊玉町曽の市道において、ツシマヤマネコの死体を対馬野生生物保護センターが収容しましたのでお知らせします。


1 死体が収容された経緯
  平成26年10月21日(火)午前9時30分頃、対馬市職員よりセンターに豊玉町曽の市道にてヤマネコの死体を発見したとの連絡があり、正午頃センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス

(2)年齢 亜成獣

(3)体重 1680g

(4)個体の状況 栄養状態はやや削痩。頭蓋骨及び下顎骨の骨折、右眼球突出を確認したことから、頭部を中心に強い衝撃を受けたことが推察されます。

(5)死因       死体の状態及び発見場所が路上だったことから交通事故の可能性が高いと思われます。詳細については、岐阜大学に病理解剖を依頼しています。

(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)


3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシの配布、交通事故防止キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめ、交通事故防止に配慮した道路・河川構造物の設置等に向けた関係機関との協議
・道路への急な飛び出しを防止する構造物等について、飼育下個体を用いた行動実験による効果検証

4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で80件(71頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成25年12月30日であり、交通事故ゼロ記録は294日間でした。今年度は、今回の交通事故で1件目です。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路では、スピードの出しすぎに注意して下さい。秋から冬にかけては、仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方は、ヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行して下さい。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかに対馬野生生物保護センター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、ご協力下さいますようお願いいたします。