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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

草刈りで交通事故対策

2014年10月20日
センター職員日誌
だんだんと肌寒くなり、秋も深くなってきた対馬ですが、ツシマヤマネコの交通事故が多くなる季節となってきました。

先日、上県町樫滝の国道沿いの草刈りを対馬野生生物保護センター職員で行いました。
ここはヤマネコの餌場となる田と、住みかである山を道路が隔てており、行き来するために道路上を横断するヤマネコが多く、これまでも交通事故が多発している場所です。
以前、交通事故で保護された後に回復し、野生復帰した個体も、この周囲の環境を利用していることがセンターの調査により分かっています。
そこで少しでも道路の見通しをよくし、ヤマネコが道路脇にいても発見しやすくするため、片道1.5キロ、両サイドの道路脇の草を1メートルほど、刈り込んできました。
 草刈り当日は秋晴れのいい天気。




交通量の多い道、安全に十分注意して、汗をかきつつ、交通整理や草刈りを行いました。




側を通った地元の方には「なんでヤマネコさんが草刈りしとるね?」と聞かれ、ヤマネコ交通事故が多いと理由を話すと「気をつけるよ~。頑張って-!」と応援して頂けました。
(対馬野生生物保護センター、通称ヤマネコセンターの職員はよく地元の方に『ヤマネコさん』と呼ばれます)

 3時間の草刈り終わりの道路はずいぶん見通しがよくなりました!



ヤマネコは突然道路脇から飛び出して来るときがあります。
草刈りをした周辺には看板を設置していますので、島内の皆さん、お近くを通りの際は、とっさの時に止まれるスピードでの安全運転にご協力下さい。
また、万が一ひいてしまった際には、24時間受け付けておりますので、対馬野生生物保護センター(TEL:0920-84-5577)までご連絡をお待ちしております。
交通事故に遭った個体の9割は死亡してしまいます。しかし、一昨年度、ご連絡頂いて2頭の命が救われています。この近くでモニタリングされている個体はそのうちの1頭です。

一つでも多くの命が助かりますよう、ぜひご協力頂ければと思います。