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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

NO.42妊娠確認@九十九島動植物園

2014年05月06日
センター職員日誌
こんにちは。國吉です。

嬉しい話題を一つ。

実は、
4月21日に九十九島動植物園にて超音波検査を実施し、NO.42の妊娠を確認しました!!

3月下旬の交尾行動を確認後、約一ヶ月。
エコー検査で確認されたのは、小さな小さな水風船のような塊。
そんな小さな胎仔でも、きちんとトクン・トクン・トクン・・・と確かに心臓は動いていました。
感動の瞬間です。


九十九島動植物園でヤマネコの繁殖を取り組み始めてから早4年。
ようやく妊娠までたどりつきました。
ですが・・・
本当に大変なのはこれからです。
なぜなら、飼育下繁殖におけるツシマヤマネコの初期生存率は低く、これまでも出生直後に死亡してしまった個体が多数いるからです。
そのため、不足の事態に備えて、人間側は万全の体制を整えておかなければなりません。
安心して出産できる環境を整えてあげることはもちろんのこと、
・出産後きちんと仔育てできているかを確認するためのモニタリング体制、
・難産になった場合の帝王切開の準備、
・育児放棄した場合の人工哺育の準備などなど、
挙げ出せばきりが無いほど、「準備」しておかなければならないことは山積みです。そしてその多くが、まだ試行錯誤の状態なのです。

妊娠を確認した喜びをかみしめつつも、授かった命を確実に生かすため、
5月下旬の出産に向けて、準備を進めていきます。

二週間後には、みなさまにまた嬉しい報告ができることを期待して。
安産を祈るばかりです・・・。


<NO.42>写真提供:九十九島動植物園