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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコの保護及び死亡個体の収容について

2014年01月17日
ツシマヤマネコニュース
対馬野生生物保護センターでは、平成25年12月22日(日)及び平成26年1月2日(木)にツシマヤマネコを保護しするとともに、平成25年12月30日(月)にツシマヤマネコの死亡個体を収容しましたので、お知らせします。

1.平成25年12月22日保護個体

(1)保護された経緯
  12月22日(日)午前10時30分頃、地元住民からセンターに対し、対馬市上対馬町芦見において、鶏小屋にツシマヤマネコが侵入し出られなくなっているとの連絡があり、午前11時30頃センター職員が現地にて保護し、午前12時30分頃にセンターに収容しました。
 

(2)個体の情報
①性別 メス
②年齢 亜成獣
③体重 1,470g
④個体の状態 センターにて血液検査等を行った結果異常はありませんでしたが、嘔吐の症状がみられました。
⑤FIV、FeLV検査 簡易検査の結果、陰性。
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

(3)今後の予定
  今後、健康状態の確認を行い放獣等の対応を検討します。



2.平成26年1月2日保護個体

(1)保護された経緯
  1月2日(木)午後2時頃、地元住民からセンターに対し、対馬市美津島町芦ヶ浦において、自宅裏の竹藪でツシマヤマネコがうずくまっているとの連絡があり、午後4時頃センター職員が現地にて保護し、午後5時頃にセンターに収容しました。
 

(2)個体の情報
①性別 オス
②年齢 亜成獣
③体重 1,260g
④個体の状態 センターにて血液検査等を行った結果、低栄養状態で貧血が確認されました。
⑤FIV、FeLV検査 簡易検査の結果、陰性。
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

(3)今後の予定
  今後、センターにおいて治療を行います。

3.平成25年12月30日収容死亡個体

(1)死体が収容された経緯
 平成25年12月30日(月)午後7時頃、住民よりセンターに対し、上対馬町五根緒の市道にてヤマネコの死体を発見したとの連絡があり、午後9時頃センターに収容しました。
(2)死体の個体情報
①性別 オス
②年齢 成獣
③体重 4,900g
④個体の状態 栄養状態は良好。頭部から出血していました。
⑤FIV、FeLV検査 簡易検査の結果、陰性。
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)
 ⑥死因
   死体の状態及び発見場所が道路上だったことから交通事故の可能性が高いと思われます。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼しています。







(3)今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協

・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動の実験の実施等)

(4)これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で79件(70頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成25年11月20日であり、交通事故ゼロ記録は39日間でした。今年度は、今回の交通事故で4件目です。

(5)普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路では、スピードの出しすぎに注意して下さい。秋から冬にかけては、仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方は、ヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行して下さい。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかに対馬野生生物保護センター(0920-84-5577)までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、ご協力下さいますようお願いいたします。


12月22日保護個体

1月2日保護個体