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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

下島におけるツシマヤマネコの生息情報について

2013年11月21日
ツシマヤマネコニュース
今般、環境省が設置している自動撮影カメラにおいて、平成25年6月及び7月に対馬下島北部でツシマヤマネコの生息が確認されたのでお知らせします。

1 確認の経緯
環境省及び長崎県は、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種であるツシマヤマネコの生息状況を把握するための調査を実施していますが、生息数は対馬全体で約70頭又は約100頭と推定されており(※)、特に、対馬下島においては、近年、確実な生息情報は非常に限られたものとなっています。
対馬下島における調査については、近年わずかに生息の可能性を示す情報がある下島南部の厳原町内山周辺を中心として、平成18年度以降、痕跡調査、自動撮影調査を行ってきたところです。また、平成21年12月に同町小浦周辺で、亜成獣が保護され、平成22年9月に美津島町黒瀬(城山)においてオスの糞が採取されたことから、それまでの調査範囲を下島北部へ拡げてきたところです。
今回生息が確認されたのは、下島北部の美津島町黒瀬(城山)周辺に設置していた自動撮影カメラにより撮影された写真です。

※平成22~24年度にかけて実施された生息状況調査(第四次特別調査)の結果に基づき、対馬上島に定住している成獣個体の生息数を推定したもの。なお、第四次特別調査では、対馬下島において美津島町黒瀬(城山)周辺を含む4地域での生息が確認された。


2 これまでの対馬下島における調査の成果
 対馬下島においては、平成19年3月に自動撮影カメラ調査によって、昭和59年以来23年ぶりに確実な生息情報が得られました。平成19年3月以降の確実なツシマヤマネコの生息情報は以下のとおりとなっています。


※詳細なDNA分析の結果、平成23年12月美津島町黒瀬(城山)、同町今里、平成24年1月同町黒瀬(城山)の糞は同一個体の可能性が高いとされた。

3 結果の評価
 美津島町黒瀬(城山)において、平成22年9月に初めてツシマヤマネコの生息が確認されて以降、4年連続で合計8件の確実な生息情報が得られたことにより、同町黒瀬(城山)を中心とした対馬下島北部ではツシマヤマネコが生息していける環境が残されていることが考えられます。
今後も関係行政機関、専門家等と協議し、追加の調査等について検討していく予定です。