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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコの死体収容について

2012年10月17日
ツシマヤマネコニュース
平成24年10月4日(木)、対馬市上県町佐護の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  平成24年10月4日(木)午後7時頃、住民が国道上にて死亡しているツシマヤマネコを発見しました。その後、連絡を受けたセンター職員が死体を回収し、午前8時頃センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,680g
(4)個体の状況 栄養状態は良好。体重や生殖器の発達具合から今年生まれた個体と考えられる。
(5)死因 道路上で発見されたこと、横隔膜破裂及び胸腔内臓器の損傷が確認されたことから死因は交通事故によるものと考えられる。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動の実験の実施等)
4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で64件(57頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年9月17日であり、交通事故ゼロ記録は16日間でした。今年度は、今回の交通事故で4件目であり、例年以上に事故のペースが早く、秋から冬にかけて事故が心配されます。
国道382号線の佐護~佐須奈間においては、今回を含めこれまでに、10件の事故が確認されており、また、目撃情報も多い区間であることから、特に注意が必要な箇所の一つです。


5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路では、スピードの出しすぎに注意して下さい。雨が降った後は、多くのカエルなどが道路上に出てきます。それらのカエルを食べに、ヤマネコも道路上に上がることがあります。また、これから秋から冬にかけては、仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方は、ヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いいたします。