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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコの死亡個体収容について

2012年05月31日
ツシマヤマネコニュース
 平成24年5月28日(月)、対馬市豊玉町仁位の市道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。
 また、5月29日(火)にも、対馬市上県町佐護の水田内でツシマヤマネコの死体をセンターが収容しました。

(1) 5月28日収容個体

1 死体が収容された経緯
  平成24年5月28日(月)午前11時頃、地域住民より、対馬市豊玉町 仁位で死亡しているツシマヤマネコを発見したと対馬市豊玉地域活性化セン ターへ連絡がありました。
  その後、地域活性化センターより連絡を受けたセンター職員が午後2時頃 センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 メス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2,340g
(4)個体の状況 栄養状態は良好。脊椎および頭蓋骨骨折、腹腔内出血、胸腔破裂が認められる。
(5)死因 脊椎および頭蓋骨骨折、腹腔内出血、胸腔破裂により死亡と推測。道路上で発見された事や個体の損傷状態から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で61件(54頭 死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年1月3日で あり、交通事故ゼロ記録は145日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。これから梅雨に入れば、多くのカエルなどが道路上に出てきます。それを餌資源としてヤマネコも道路上に上がることがあります。また、朝方や夕方はヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

(2)5月29日収容個体

1 収容された経緯
5月29日(火)午前10時半頃、上県町佐護在住の原 一生氏から、水田内でツシマヤマネコの死体を発見したとの連絡がセンターにありました。
センター職員が現場に向かい、死体を回収し、午前11時に収容しました。

2 個体の情報
(1)性別 オス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2,470g
(4)個体の状況   栄養状態は良好。
(5)死因  現在のところ不明。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV簡易検査  簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)