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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

西表に出張してきました。

2012年04月10日
センター職員日誌
みなさまこんにちは、ご無沙汰しておりました。
交通事故対策担当の山中です。

実は、昨年度末に交通事故防止施設などの視察で西表に行っていきました。

今回はその時の様子を報告します。

西表にも対馬同様にイリオモテヤマネコという希少種が生息しており交通事故が問題になっているところです。

西表に通っている唯一の県道(国道はない)をエコロードとして道路管理関係者と環境省が一団となり野生動物に配慮した道路づくり(交通事故防止対策)に取り組んでおり、かなり交通事故防止のために取り組みが行われています。

そこで、今回視察(研修)を行わしていただく事になりました。

現在、対馬でもそのような対策をできる範囲で取り組んで行こうと
関係者間で協議を重ねて、実現に向け進んでいます。

実現を目標にしているカルバートやネコ走りなどが設置されている様子を
視察してきましたので報告します。

1.カルバート
 西表にはヤマネコをはじめとした野生生物の利用に配慮したカルバートが複数入っています。これは、対馬ではまだありません。
 動物が利用しやすいと思われるところに設置することは、ふつうのカルバートよりも効果が幾分かあると思われます。また既存の道路の下にそのようなカルバートを通している姿を見て驚きました。そのような工事をするためには、かなりの労力と費用がかかってしまいます。「そこまでしてでも守るための助けになれば!」というような熱意を感じました。

カルバート+ネコ走り(両脇にあるもの)

2.ネコ走り
 ネコ走りも、上記のようなカルバートに多く設置されています。雨の多い西表では特に効果を示すのかもしれません。
 (※ネコ走りとは、流水などが影響して動物が通れなくならないように、陸地を作っているもの(写真を参照してください))

ネコ走り(流水があっても陸地が維持されています。ただこのカルバートは出口が水でおおわれていますから、何らかの対策がここでは必要でしょう)


3.路面標示
 「ネコ注意」という路面標示があります。「スクールゾーン」などの路面標示と同様に、ヤマネコも守ろうねという思いが伝わってきました。
 対馬では、田ノ浜に行く途中に1か所だけあります。島内に設置している看板の場所以上に交通事故の危険性があることを伝えるためのツールしたいと考えています(ほかの場所とのすみわけの為に)。

ネコ注意(路面標示)


ゼブラゾーン

4.オーバーハング
  側溝の名前です(これは既製品であるようです)。小動物が道路上に出て轢かれないようにするために利用します。対馬でも梅雨時期になると道路上でカエルなどが轢かれ悲惨な状態になっているところが多々あります。そのような状況少しでも減らすための取り組みです。
 また、そのような死骸をヤマネコなどの動物が道路上に上がり捕食し、轢かれるというケースもあります。そのようなことがおきないためにも、側溝の工夫が必要となります。


オーバハング
この反りたった壁は、カエルは越えれないでしょう!!
一方は緩やかなので、もし溝に落ちても山側には逃げれます!

以上が、私が見てきた交通事故対策施設です。
すべてを対馬で実現することは難しいと思います。

でも、「今できる範囲でてきることを取り組む!」その行動が次へとつながる大事な一歩であると考えています。
 
地道に、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

また、できた際には職員日誌などを通じて報告していきます。

ではでは、またの機会に!



おまけ
西表には東経123°45′6,789″が通っているみたいです。
ただ、それを言いたい子午線のモニュメントを発見しました。
(特に、それ以外の意味はないそうです。)