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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコの死体収容について(お知らせ)

2011年10月20日
ツシマヤマネコニュース
10月17日(月)、対馬市上県町佐護(さご)の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  10月17日(月)午後9時半頃、対馬市上県町佐護の国道で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、センター職員に連絡があり、午後9時40分頃ツシマヤマネコの死体を収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,610g
(4)個体の状況 栄養状態良好。頭蓋骨・肋骨骨折、胸腔内出血が認められる。
(5)死因 頭蓋骨骨折による脳挫傷または胸腔内血管破綻による失血死と推定。道路上で発見された事から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で57件(50頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成23年10月4日であり、交通事故ゼロ記録は12日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。また、今回事故に遭ったヤマネコは亜成獣にも関わらず体重が1600g以上と栄養状態が良い個体でした。そのような個体が失われることはヤマネコの個体群に大きな影響を与えます。これからの冬にかけて、このような亜成獣の事故は増える時期です。1頭でも多くの命を守るため、低速度での運転をよろしくお願いいたします。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。