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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

ツシマヤマネコの移動について(お知らせ)

2011年10月13日
ツシマヤマネコニュース
 環境省では、ツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業計画(平成7年7月17日環境省及び農林水産省告示)を策定し、生息状況の把握、生息環境の維持・改善、飼育下での繁殖等の取組を進めています。
 同計画に基づく飼育下繁殖については、(社)日本動物園水族館協会の協力を得て福岡市動物園、井の頭自然文化園、よこはま動物園ズーラシア、富山市ファミリーパーク及び西海国立公園九十九島動植物園において飼育下繁殖事業を実施しているところです。
 今般、飼育下繁殖事業の一環として、盛岡市動物公園、名古屋市東山動物園、沖縄こども未来ゾーンで新規にツシマヤマネコを飼育、展示していただく事となりました。
 上記3園及び西海国立公園九十九島動植物園、福岡市動物園、富山市ファミリーパーク、対馬野生生物保護センターの間でツシマヤマネコの移動を行いますのでお知らせします。

1 ツシマヤマネコの保護増殖事業について
ツシマヤマネコは平成6年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称「種の保存法」)に基づく国内希少野生動植物種に指定され、平成7年に同法に基づく保護増殖事業計画(環境省及び農林水産省告示)を策定し、同計画に基づく生息状況の把握、生息環境の維持・改善、飼育下での繁殖等の保護の取組を進めている。

2 ツシマヤマネコ飼育下繁殖事業の経緯
環境省は保護増殖事業計画に基づき以下の目的で飼育下繁殖事業を実施している。
(1) 対馬の環境が改善し、生息地で安定して生息が可能になるまでの生息域外での種の保存
(2) 野生個体群の保護活動の補完(野生復帰など)
(3) 科学的データを収集、解析し、生息地でのヤマネコの保護対策への応用
(4) ツシマヤマネコの現状について全国的に普及啓発を行うことで、野生個体群保護の推進
○ツシマヤマネコの飼育下繁殖事業は、平成11年より福岡市動物園の協力を得て開始し、平成12年4月に初めて繁殖に成功している。
 また、平成18年11月から、災害や感染症の発生などに備えて分散飼育を行うこととし、井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアでツシマヤマネコの飼育を開始、平成19年11月より富山市ファミリーパーク、平成22年3月より西海国立公園九十九島動植物園においても個体の飼育を行っている。現在は、福岡市動物園で11頭、井の頭自然文化園で5頭、よこはま動物園ズーラシアで3頭、富山市ファミリーパークで4頭、西海国立公園九十九島動植物園で5頭、対馬野生生物保護センターで7頭、計35頭の個体を飼育下個体群維持のために飼育しており、各動物園ではこれまで43頭が誕生している(現在、成育は25頭)。
 なお、環境省では、遺伝的多様性を維持した持続可能な飼育下個体群を確立するために、最終目標として合計100頭程度の繁殖個体群を分散飼育で飼育することとしている。

3 移動スケジュール(予定)
  10月17日(月)
  No.10「ひなた」 2001年福岡市動物園生まれ。10才、メス。
  西海国立公園九十九島動植物園から名古屋市東山動物園に公開のため移動。
   
  10月18日(火)
  No.36 「ツッシー」 2005年福岡市動物園生まれ。6才、オス。
  富山市ファミリーパークから盛岡市動物公園に公開のため移動。
  
  10月27日(木)
  No.50「まる」 2009年福岡市動物園生まれ。2才、オス。
  福岡市動物園から西海国立公園九十九島動植物園に繁殖のため移動。
  
  11月11日(金)
  No.24 2004年福岡市動物園生まれ。7才、メス。
  No.37 2006年福岡市動物園生まれ。5才、オス。
  対馬野生生物保護センターから西海国立公園九十九島動植物園に繁殖のため移動。
  
  11月17日(木)
  No.40 2007年福岡市動物園生まれ。4才、オス
  対馬野生生物保護センターから沖縄こども未来ゾーンに公開のため移動。

 なお、移動スケジュールはツシマヤマネコの状態及び航空機の運航状況、道路状況等により、変更も考えられますのでご承知おきください。


No.10(西海国立公園九十九島動植物園提供)


No.24(対馬野生生物保護センター)


No.36(富山市ファミリーパーク提供)


No.37(対馬野生生物保護センター)


No.40(対馬野生生物保護センター)


No.50(福岡市動物園提供)