放獣したツシマヤマネコ死亡に関する検証結果について(お知らせ)
令和5年に交通事故で負傷した個体を救護し、野生復帰のために放獣したツシマヤマネコの幼獣が、放獣から約1か月後に死亡した状態で発見されたことについて、今後の保護増殖事業に活用するため、放獣の過程に関する検証結果をとりまとめましたのでお知らせします。
1 概要
令和5年7月に対馬市上県町樫滝の国道において保護され、その後、ツシマヤマネコ野生順化ステーション(以下、ステーションという)において野生順化訓練を行い、令和6年4月22日(月)に保護地点付近で放獣し、追跡調査を行っていたツシマヤマネコの幼獣については、5月18日(土)に同町久原において死亡した状態で発見されました(令和6年5月21日報道発表 https://kyushu.env.go.jp/press_00050.html)。
本件について、今後の救護個体の野生復帰等に資する知見を得ることを目的に、保護収容から治療、リハビリ、野生順化訓練、放獣、追跡調査までの一連の経緯を整理したうえで、ツシマヤマネコ保護増殖検討会委員等からの助言を得ながら、本件に関する検証結果(別紙)をとりまとめましたのでお知らせします。
本件について、今後の救護個体の野生復帰等に資する知見を得ることを目的に、保護収容から治療、リハビリ、野生順化訓練、放獣、追跡調査までの一連の経緯を整理したうえで、ツシマヤマネコ保護増殖検討会委員等からの助言を得ながら、本件に関する検証結果(別紙)をとりまとめましたのでお知らせします。
2 検証結果の概要
これまで本個体のように幼獣を救護して野生に返した事例は少なく、またステーションで長期にわたり野生順化訓練を実施した個体としては初めての放獣事例となります。そのため、放獣後の追跡調査の結果等から、今後の救護個体のリハビリ・放獣や飼育個体の野生復帰技術開発等に資する様々な知見を得ることができました。検証結果の概要は以下のとおりです。詳細については、添付資料をご参照ください。
・死因の調査の結果、本個体は釣り針の付いた魚を食べて嘔吐し、誤嚥したことで呼吸不全を引き起こしたことが直接の死因と考えられる。また、本個体は野生下において健康の維持に必要な餌動物を確保できていなかったと推定される。
・一方で、野生順化訓練の結果においては、過去の訓練個体と比較しても十分な採餌能力が確認されていた。また、過度な人慣れも認められなかった。
・放獣してから24日後に箱ワナにより錯誤捕獲された際に、獣医師による健康状態の検査を実施し、再放獣に支障はないと判断した。しかし、再放獣から2日後に人為的な餌が原因で死亡したことを踏まえると、人為的な餌に依存していた可能性等を考慮し、一定程度の飼育期間を設け、飼育期間中の健康状態のデータ分析、また追跡調査の結果等も加味したうえで総合的な判断を行うことが重要と考えられる。
・今回得られたこれらの知見や検討課題をもとに、引き続き有識者から助言を得ながら野生順化訓練や追跡調査の手法について見直しや改善を進める。
・死因の調査の結果、本個体は釣り針の付いた魚を食べて嘔吐し、誤嚥したことで呼吸不全を引き起こしたことが直接の死因と考えられる。また、本個体は野生下において健康の維持に必要な餌動物を確保できていなかったと推定される。
・一方で、野生順化訓練の結果においては、過去の訓練個体と比較しても十分な採餌能力が確認されていた。また、過度な人慣れも認められなかった。
・放獣してから24日後に箱ワナにより錯誤捕獲された際に、獣医師による健康状態の検査を実施し、再放獣に支障はないと判断した。しかし、再放獣から2日後に人為的な餌が原因で死亡したことを踏まえると、人為的な餌に依存していた可能性等を考慮し、一定程度の飼育期間を設け、飼育期間中の健康状態のデータ分析、また追跡調査の結果等も加味したうえで総合的な判断を行うことが重要と考えられる。
・今回得られたこれらの知見や検討課題をもとに、引き続き有識者から助言を得ながら野生順化訓練や追跡調査の手法について見直しや改善を進める。
3 保護収容個体の取扱いと通報のご協力のお願い
交通事故等でセンターに保護収容されたヤマネコは、治療・リハビリを行い、野外での生活が可能な状態に回復した場合は、原則として野生に返すこととしています。
本件の個体は、令和5年7月に対馬市上県町樫滝の国道において保護され、負傷の原因は交通事故によるものと推察されていました。
夕方から明け方にかけてヤマネコの行動が活発になるため、普段の安全運転に加え、野生生物への注意をお願いします。
万一ヤマネコをはねてしまっても、故意ではない限り罪に問われることはありません。道路上でヤマネコを見かけた場合は、生死に関わらず通報のご協力をお願いします。
【対馬野生生物保護センター(0920-84(はよ)-5577(ここならせならせ))】
本件の個体は、令和5年7月に対馬市上県町樫滝の国道において保護され、負傷の原因は交通事故によるものと推察されていました。
夕方から明け方にかけてヤマネコの行動が活発になるため、普段の安全運転に加え、野生生物への注意をお願いします。
万一ヤマネコをはねてしまっても、故意ではない限り罪に問われることはありません。道路上でヤマネコを見かけた場合は、生死に関わらず通報のご協力をお願いします。
【対馬野生生物保護センター(0920-84(はよ)-5577(ここならせならせ))】
添付資料
お問い合わせ先
環境省
九州地方環境事務所野生生物課
課長 松木 崇司
TEL 096-322-2413
対馬自然保護官事務所厳原事務室
(ツシマヤマネコ野生順化ステーション)
自然保護官 谷口 晃基
TEL 0920-57-0101
九州地方環境事務所野生生物課
課長 松木 崇司
TEL 096-322-2413
対馬自然保護官事務所厳原事務室
(ツシマヤマネコ野生順化ステーション)
自然保護官 谷口 晃基
TEL 0920-57-0101