報道発表資料
2023年05月08日
- 報道発表
令和4年度までの対馬におけるカワウソの調査結果について(お知らせ)
平成29年に長崎県対馬において生息が確認されたカワウソについて、令和4年度まで継続して調査を重ねてきました。その結果、韓国から散発的にユーラシアカワウソが対馬に分散して(何らかの手段で渡って)きているものの、現状では、対馬において継続的に維持される個体群が形成されている状況にはないと推察されました。このため、今後はこれまで実施してきたカワウソの生息状況の詳細を把握するための集中的調査から、大きな状況の変化を監視するフェーズへ移行することとしましたので、お知らせします。
1.経緯
○平成29年2月に、長崎県対馬において琉球大学が設置したセンサーカメラによりカワウソと思われる動物が撮影されました。
○環境省では、それ以降、5年以上に渡る継続的な生息状況調査を実施し、本年3月3日に検討会を開催し、関係者間で調査の結果をとりまとめました。
○環境省では、それ以降、5年以上に渡る継続的な生息状況調査を実施し、本年3月3日に検討会を開催し、関係者間で調査の結果をとりまとめました。
2.これまでに明らかになった点
○文献や目撃情報等から、過去にも対馬にカワウソ(但しニホンカワウソか大陸産ユーラシアカワウソかは不透明で、当時の骨や毛皮、出土骨等があれば
確認できる可能性あり)が生息していた時期があったと考えられました。
○生息状況調査の結果、平成29年~30年度にかけてカワウソの痕跡(糞)を確認しました。
○糞のDNA解析による個体識別の結果、オス2個体以上、メス2個体、計4個体以上の生息が確認されました。
○対馬のカワウソのミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプロタイプは韓国南部のものと一致していました。
○痕跡発見(糞採取)地点の位置から、対馬全島に少数、そしてその一部個体は(直線距離で少なくとも10km程度は)移動している可能性があります。
○令和元年度以降も足跡及び目撃情報のみではありますが、散発的に、生息情報が確認されています。
○以上のことから、現在の生息状況について、以下のように整理しました:
・韓国(近年、個体数が増加傾向)から散発的にユーラシアカワウソが対馬に分散して(漂流物とともに潮流に流される、船舶に紛れる等)きていると
推察されます。
・現状では、対馬において継続的に維持される個体群が形成されている状況にはないと推察されます。
○また、カワウソの分類学上の位置づけについて、以下のように整理されました:
・対馬で見つかったものは、分類学上は、ユーラシアカワウソ(Lutra Lutra)に包含され、大陸産ユーラシアカワウソ(Lutra lutra lutra)と同系統の
可能性が高いと考えられます。
・これとニホンカワウソ(Lutra lutra nippon)の関係については、ニホンカワウソ自体の位置づけの追加整理も踏まえ、将来的に科学的知見に基づく
整理が期待されます。
・環境省レッドリストにおいては、上記の分類学上の位置づけに関わらず、継続的に維持されていない個体群は評価の対象外となります。
確認できる可能性あり)が生息していた時期があったと考えられました。
○生息状況調査の結果、平成29年~30年度にかけてカワウソの痕跡(糞)を確認しました。
○糞のDNA解析による個体識別の結果、オス2個体以上、メス2個体、計4個体以上の生息が確認されました。
○対馬のカワウソのミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプロタイプは韓国南部のものと一致していました。
○痕跡発見(糞採取)地点の位置から、対馬全島に少数、そしてその一部個体は(直線距離で少なくとも10km程度は)移動している可能性があります。
○令和元年度以降も足跡及び目撃情報のみではありますが、散発的に、生息情報が確認されています。
○以上のことから、現在の生息状況について、以下のように整理しました:
・韓国(近年、個体数が増加傾向)から散発的にユーラシアカワウソが対馬に分散して(漂流物とともに潮流に流される、船舶に紛れる等)きていると
推察されます。
・現状では、対馬において継続的に維持される個体群が形成されている状況にはないと推察されます。
○また、カワウソの分類学上の位置づけについて、以下のように整理されました:
・対馬で見つかったものは、分類学上は、ユーラシアカワウソ(Lutra Lutra)に包含され、大陸産ユーラシアカワウソ(Lutra lutra lutra)と同系統の
可能性が高いと考えられます。
・これとニホンカワウソ(Lutra lutra nippon)の関係については、ニホンカワウソ自体の位置づけの追加整理も踏まえ、将来的に科学的知見に基づく
整理が期待されます。
・環境省レッドリストにおいては、上記の分類学上の位置づけに関わらず、継続的に維持されていない個体群は評価の対象外となります。
3.今後の予定
○令和5年度からは、これまで行ってきたカワウソの生息状況の詳細を把握するための集中的な調査ではなく、大きな状況の変化等を把握するための
監視フェーズに移行します。
○監視フェーズにおいては、ツシマヤマネコのモニタリング調査の活用等により、引き続き情報収集を実施します。
○新たな痕跡が発見された場合や、過去のカワウソ標本が入手できた場合は、DNA解析用試料を学術研究機関に提供する等、必要な連携体制を確保します。
また、その結果も踏まえ、保全管理上の必要性があれば、追加的な調査等も検討します。
※参考:令和4年度対馬におけるカワウソ生息状況等調査の結果
※参考:2017年(平成29年)10月12日発表
対馬におけるカワウソ痕跡調査の結果について
※参考:2018年(平成30年)5月28日発表
【報道発表】カワウソの調査結果について
監視フェーズに移行します。
○監視フェーズにおいては、ツシマヤマネコのモニタリング調査の活用等により、引き続き情報収集を実施します。
○新たな痕跡が発見された場合や、過去のカワウソ標本が入手できた場合は、DNA解析用試料を学術研究機関に提供する等、必要な連携体制を確保します。
また、その結果も踏まえ、保全管理上の必要性があれば、追加的な調査等も検討します。
※参考:令和4年度対馬におけるカワウソ生息状況等調査の結果
※参考:2017年(平成29年)10月12日発表
対馬におけるカワウソ痕跡調査の結果について
※参考:2018年(平成30年)5月28日発表
【報道発表】カワウソの調査結果について
お問い合わせ先
環境省
・九州地方環境事務所野生生物課
課長 大澤 隆文
・対馬自然保護官事務所
(対馬野生生物保護センター)
首席自然保護官 柴原 崇
TEL 0920-84-5577
・九州地方環境事務所野生生物課
課長 大澤 隆文
・対馬自然保護官事務所
(対馬野生生物保護センター)
首席自然保護官 柴原 崇
TEL 0920-84-5577