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九州地方環境事務所

報道発表資料

2023年05月01日
  • 報道発表

ツマアカスズメバチ防除計画の改定について(お知らせ)

 ツマアカスズメバチは、平成24年10月に長崎県対馬市にて初めて確認され、生態系や養蜂業への影響が懸念されることから、平成27年に特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号。以下「外来生物法」という。)に基づき特定外来生物に指定されています。
 九州地方環境事務所では、平成28年にそれまでに得られていたツマカスズメバチに関する知見、有識者による意見を元に、防除計画を策定し、計画に基づいて侵入地域である対馬市での防除のほか、それ以外の地域での監視及び初期防除を実施してきました。
 今回、平成28年以降に得られた情報や防除、調査の実績、有識者の助言等を踏まえて、防除計画の改定を行いましたのでお知らせします。

1.防除計画改定の経緯

 九州地方環境事務所では、長崎県対馬市において本種の確認以降、分布域のモニタリング、防除手法の検討、巣の撤去等を行い分布拡大の抑制に努めてきました。そして、本種の効果的・効率的な防除に資するため、平成27年に総合的な防除計画を策定することとし、平成28年にツマアカスズメバチ防除計画を策定しました。
 防除計画の策定以降、計画に基づいて対馬島内でのツマアカスズメバチ対策、未侵入地の港湾等での監視や九州内で新たに発見されたツマアカスズメバチの防除等を行ってきました。その結果、平成27年から令和4年までに、対馬市以外の6地域でツマアカスズメバチや巣が発見され、防除を実施しており、福岡県北部での生息調査は現在も継続中です。このように、九州内での本種の侵入・定着リスクは高まっており、初期侵入地での早期発見、防除による地域的な根絶や侵入リスクがある港湾での監視はより重要になっています。
 このような本種を取り巻く現状のもと、防除計画を策定してから5年が経過したこともあり、令和4年度に防除計画の改定作業を行いました。新たに得られた知見(防除実績を含む)や有識者の助言も踏まえて、今後新たに侵入した地域における対応の参考にもなるよう情報を取りまとめ、今回防除計画の改定を行ったものです。

2.主な改定事項

・第1章 ツマアカスズメバチの生態と被害
 計画策定時から現在までに得られている知見を反映し、加筆修正。

・第2章 これまでの防除効果
 対馬市におけるツマアカスズメバチの防除実績及び防除の効果についての評価を行った。

・第3章 防除目標及び防除計画
 新たな防除手法として、化学的防除についての記載を追加した。
 地域からの情報収集として、養蜂業者からの情報を追加した。

・第4章 侵入初期地域における防除
 侵入初期地域における防除内容について章を新設した。
 初期侵入地対策マニュアルを別添資料(別添4)として新たに策定した。

・第5章 未侵入地における対策
 外来生物法の改正を反映し、地方自治体等の役割分担を変更した。

 その他、最新の知見、情報を踏まえて記載事項を修正。

 防除計画の詳細につきましては、以下の九州地方環境事務所ウェブサイトをご参照下さい。

ツマアカスズメバチ防除計画(平成28年作成版)

ツマアカスズメバチ防除計画(令和5年改定版)

 九州地方環境事務所では、地方自治体と連携し、今後も特定外来生物ツマアカスズメバチ対策を実施していきます。
 特に、初期侵入地でツマアカスズメバチの定着を防ぐためには早期発見、早期駆除が重要です。ツマアカスズメバチと疑われる個体や巣を確認された場合は、お住まいの自治体または九州地方環境事務所までご連絡いただきますよう、情報提供へのご協力よろしくお願いします。

・九州地方環境事務所HP(特定外来生物ツマアカスズメバチについて

・連絡先(ツマアカスズメバチかな?と思ったら
 

お問い合わせ先

環境省
九州地方環境事務所 野生生物課

課長:大澤 隆文
課長補佐:安藤 忍
TEL: 096-322-2413