
アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。
屋久島での冬山登山について注意喚起
2025年12月18日
こんにちは。
屋久島事務所の中本です。
12月4日、九州最高峰の宮之浦岳に巡視に行ってきました。
前日の寒波の影響で、淀川登山口(標高約1300m)からすでに積雪が確認され、
宮之浦岳山頂(標高1936m)では10㎝以上の積雪がありました。
屋久島事務所の中本です。
12月4日、九州最高峰の宮之浦岳に巡視に行ってきました。
前日の寒波の影響で、淀川登山口(標高約1300m)からすでに積雪が確認され、
宮之浦岳山頂(標高1936m)では10㎝以上の積雪がありました。
南の海に浮かぶ屋久島ですが、山岳部は九州の高い山トップ8の山々が連なっており、寒波が訪れると奥岳一帯は深い雪に覆われます。苔の上や森の中にも雪が積もり、白銀の世界となります。
里地でも、大寒波の翌朝には前岳まで雪化粧し、「花・ヤシの木・バナナ・雪山」という屋久島ならではの幻想的な景色が見られることもあります。
冬山での遭難増加について
冬は来島者や登山者は少なくなりますが、冬山での遭難事故は多発しています。
今年度もすでに死亡事故が発生しており、過去には縄文杉ルートでの低体温症による死亡事故や、いまだ行方不明の遭難者もいます。
屋久島では永田集落を除き、里地から奥岳の積雪状況を確認できません。
そのため、雪山の想定不足や装備不足のまま入山し、遭難に至るケースが起きています。
今年度もすでに死亡事故が発生しており、過去には縄文杉ルートでの低体温症による死亡事故や、いまだ行方不明の遭難者もいます。
屋久島では永田集落を除き、里地から奥岳の積雪状況を確認できません。
そのため、雪山の想定不足や装備不足のまま入山し、遭難に至るケースが起きています。
屋久島の冬山の特徴
・湿った雪・みぞれが多く、衣類や靴が濡れやすい(パウダースノーはまれ)
・雪が水分を含んで重く、ヤクザサや木々が倒れ込むため、匍匐前進が必要な箇所や道が分かりにくい場所がある
・気温上昇ですぐ雪が解け、再び凍結することが多い
・山頂付近は高木がないため風を避けられない
・入山後に寒波が来ると、道路の凍結・通行止めが発生し車で下れなくなる可能性がある
・雪が水分を含んで重く、ヤクザサや木々が倒れ込むため、匍匐前進が必要な箇所や道が分かりにくい場所がある
・気温上昇ですぐ雪が解け、再び凍結することが多い
・山頂付近は高木がないため風を避けられない
・入山後に寒波が来ると、道路の凍結・通行止めが発生し車で下れなくなる可能性がある
冬山登山を計画する場合の注意事項
屋久島での冬山登山は推奨していません。
それでも登山を予定される場合は、次の点を必ず守ってください。
・単独登山は避ける
・自分の体力・経験・技術に応じた余裕ある計画を立てる
・数日前からの山の天気を必ず確認する
・登山届を提出する
・冬山対応の十分な装備を用意する(ヘッドライト・アイゼン・雨具・防寒着・非常食など)
・危険を感じたら無理をせず下山する
・通信手段として、携帯電話、無線機を携行しGPS・地図等で現在地がわかるようにしましょう
・紙地図とコンパスを持参する
・冬山経験がない場合は、経験豊富な山岳ガイドに依頼する
それでも登山を予定される場合は、次の点を必ず守ってください。
・単独登山は避ける
・自分の体力・経験・技術に応じた余裕ある計画を立てる
・数日前からの山の天気を必ず確認する
・登山届を提出する
・冬山対応の十分な装備を用意する(ヘッドライト・アイゼン・雨具・防寒着・非常食など)
・危険を感じたら無理をせず下山する
・通信手段として、携帯電話、無線機を携行しGPS・地図等で現在地がわかるようにしましょう
・紙地図とコンパスを持参する
・冬山経験がない場合は、経験豊富な山岳ガイドに依頼する
最後に
登山は自己責任とはいえ、遭難すれば家族への精神的・金銭的負担が大きく、救助活動でも二次被害の危険があります。
多くの人に迷惑をかけないためにも、安全で楽しい登山となるよう、事前準備をしっかりと行いましょう。
多くの人に迷惑をかけないためにも、安全で楽しい登山となるよう、事前準備をしっかりと行いましょう。
