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とらやまの森第8号

 

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対馬の動物シリーズその8


カエル

無尾目
アマガエル科 ニホンアマガエル 学名:Hyla japonica
アカガエル科 ツシマアカガエル 学名:Rana tsushimensis
   〃  チョウセンヤマアカガエル 学名:Rana dybowskii

 2月4日は立春です。と、天気予報などで報じているのを耳にすると、「めちゃめちゃ寒いやんかー」なんて思ってしまうが、あたりを見渡すと、いままで裸だった山の木々の枝にも芽が出始めているものがある。視線を下にやると、うっすらと氷が張っている
水たまりの中にゼリー状の膜におおわれたカエルの卵塊を発見したりする。その度に、もう目の前に春が来ているんだなあと実感してしまう。
 対馬でみることができる両生類は、「とらやまの森」第1号(皐月の巻)でも少しだけ取り上げた事がある有尾目のツシマサンショウウオと無尾目のニホンアマガエル・ツシマアカガエル・チョウセンヤマアカガエル(ツシマヤマアカガエル)の3種のカエルたちである。今回はそんなカエルたちを紹介したいと思う。
 ニホンアマガエルは、北海道から大隅諸島まで、ほぼ日本全国に分布している。平地から高地まで普通にみることができ、周囲の状況に応じて体の色をすばやく変化させる。雨の降る前などにのどをふくらませ、大きな声でクワッ・クワッ・クワッ・・・と鳴くが体は小型のカエルである。体長はオスで3.0cm前後、メスでは3.5cm前後でメスはオスより少しだけ大きい。

 クモ類、ハエなどの双翅類、チョウやガ等の幼虫をよく食べる。繁殖期は、4~7月がふつう(水温は20℃前後)。
 ツシマアカガエルは、対馬に固有の小さなアカガエルで平地や丘陵地の水田などでふつうにみることができる。
 雨の日に、水田脇の道路をクルマで走るときにツシマアカガエルが大量に道路に出てきていて、対馬のドライバーは誰もが思っていることと思うが、避けようがなく仕方なく踏みつぶして通らなければならず、非常に困ることがある。(踏みつぶしたときの音は、荷造り用のプチプチをつぶしたときのような音がして、すごく嫌な気分になる。)体長はオスで3.5cm位、メスは4.0cm位でメスの方が少し大きい。キュッ・キュッ・キュッ・・・と鳴く。繁殖期は1月中旬~4月(水温は9℃くらい)で水田、池、沼、溝、湿地、山道の水たまりなどの浅い止水に卵を産む。

 チョウセンヤマアカガエルは、対馬では一番大きなカエルで、大きいと言ってもウシガエルのようなでかさ(ウシガエルは、このページ分(A4)くらいの大きさがある)ではなく、本土にいるトノサマガエルを一回り小さくしたくらいの大きさで、オスは6.0cmくらい、メスは7.5cmくらいでメスの方がオスよりも大型だ。ツシマアカガエルと同じように平地や丘陵地などにも分布するが、山間の森林や水田に多く棲息している。キャララ・・・と鳴く。大きさや形も違うのだが、鳴き声でこの3種を見分けることもできる。繁殖期は2~4月(水温は9℃ほど)で水田、湿地、水たまり、池などの止水に卵を産む。
 余談ではあるが、カエルなどの両生類の皮ふには程度の差はあるが、毒があると思った方がいいらしく、カエルを触ったら必ずすぐに手を洗うようにした方がいい。

文一総合出版 「日本カエル図鑑より」 <Mk>


とらやまの森第8号

 

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