対馬野生生物保護センター

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2006年12月17日:野鳥の巣箱づくりに挑戦!

2006年12月の活動

 12月17日(日)野鳥の巣箱づくりイベントを開催しました。午前中ははじめに野鳥の暮らしと巣箱の関係についてスライドで紹介しました。巣箱を利用する鳥は元々樹洞と呼ばれる木のほらに巣をつくる鳥たちです。しかし今、大木や老木の減少により、樹洞を利用する鳥たちの住処がなくなりつつあるのです。樹洞のある大木が育つまでの間、緊急避難的に野鳥に住処を提供してあげるのが巣箱づくりです。フクロウをはじめ、そんな全国の保護の取り組みも紹介しました。

 その後棹崎公園へ移動し、実際に巣箱に入る野鳥の観察に出かけました。冬の花、ヤブツバキが咲きはじめで、ツバキの蜜を目当てに集まった様々な生き物に出会うことができました。

 ツバキの蜜が大好きなメジロやヒヨドリがたくさん集まっていました。メジロたちのご馳走を少し分けてもらい、私たちも甘い蜜をなめさせてもらいました。ツバキの蜜は子どもたちにも大人気!
 ちなみに、メジロやヒヨドリは、木の枝にハンモック状・皿状の巣をつくる鳥なので、巣箱には入りません。引き続き巣箱を利用する鳥を探します。

 展望所に行くと、棹崎の主、ハヤブサがいました。棹崎公園に集まる小鳥類をエサにしている猛禽類です。
 ハヤブサは断崖絶壁に巣をつくるので、もちろん巣箱には入りません。

 さらに森の奥へと進むと、キツツキの仲間のコゲラがしきりに枯れ枝をつついていました。食事に夢中のコゲラをじっくり観察することができました。
 キツツキの仲間は自分で木に穴を空けて巣をつくりますが、餌場となるのは朽ちかけて中に虫がたくさんいる老木です。キツツキたちも、老木が少なくなって困っているようです。

 コゲラのそばで、なにやら賑やかな小鳥の群れに会いました。シジュウカラやヤマガラなどのカラ類です。カラ類は巣箱を利用する小鳥の代表格、やっと出会えました。
 さあ、お昼ご飯を食べて、午後からはこの鳥たちが暮らす巣箱をつくります。

 ひとり一つの巣箱をつくりました。巣箱材料の板は防虫防腐のため表面を焼いてあります。秋に巣箱の中を掃除すれば、何年も使うことができます。
 子どもたちは初めての釘うちでした!お父さんをお手本に、自分たちでつくります。大工仕事はやっぱりお父さんが上手です。

 みんな素敵な巣箱が完成しました。巣箱はお持ち帰りいただき、お家の近くの観察し易く、かつ野鳥に安全な場所にかけていただきました。
 春になったら、シジュウカラやヤマガラが使ってくれるでしょうか。ぜひぜひ、子育ての様子を観察してみてくださいね。